はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第51章 十年来の難題解決

令和3(2021)年8月、意を決して脊柱管狭窄症の手術を受けた。おかげで、第6章の脊柱管狭窄症を克服第21章の脊柱管狭窄症その後第51章の変形性足関節症に悩んでいたが、これらに難題はすべては解消した。

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第1章 手術で良くなるのか

1 手術が効果がない例

2011年発行の日本整形外科学会による「腰部脊柱管狭窄症ガイドライン」に「現在のところその成因や病理学的な変化が完全には解明されておらず」と書かれている。原因不明のため、脊柱管狭窄症の手術を勧める医師は減少したとの噂があった。

たしかに、脊柱管狭窄症の手術で完治するとは限らないようである。漫才師の横山たかしさん(68歳)は、脊柱管狭窄症で2014年1月から入退院を繰り返し4月と6月に手術を受けても元の姿へ戻れなかった

漫才師

2016年8月に3度目の手術を受け12月に退院した。松竹芸能60周年道頓堀寄席正月公演では3年ぶりに、リハビリと大金持ちのおぼっちゃまキャラを逆手に「48億円の純金車いす」の乗って大阪・道頓堀角座に登場し、漫才活動を再開させた。

自称「大金持ちのおぼっちゃま」を演ずる横山たかしは金ぴか衣装でほらを吹き続け、相方の横山ひろし(68)につっこまれて赤いハンカチをかみ「すまんのぉ~」。熟練のネタ運びは健在で、ここに「48億円の純金車いす」が加わった。

腰を痛めた原因を「38億円の純金衣装が重すぎた」とし、金ぴか車いすは「安倍総理がおぼっちゃまが苦しんどるから」と手配したといい、その費用は「48億円」。とどまることを知らないたかしのほらに場内は大爆笑だった。

金ピカ衣装に真っ赤なハンカチを握りしめたホラ吹き漫才で人気を博した漫才師、横山たかし(本名・山高孝=やまたか・たかし)さんは、2019年6月1日午前3時51分多臓器不全のため70歳でこの世を去った。ご冥福をお祈りいたします。

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2 リスクを避けるべき

私の妻は2011年10月に運動機能を改善するという整形外科病院で脊柱管狭窄症と診断され、勧められて手術を受けた。手術は成功したと脊椎疾患担当医に言われて10日ほどの入院で退院した。

しかし、右足の脛の外側のしびれは解消せずにその後も診察を受けていると、手術をした脊椎疾患担当医は他の病院へ移った。遠くの病院のため通院をあきらめたが症状は一向に改善しない。現在も右足の脛の外側のしびれに悩み、妻は諦め状態である

2021年の春に、私の中学時代の同級生が79才で脊柱管狭窄症の手術を受けた病院を検索した。彼女の症状はかなり重いほうで歩行困難になって入院したが、手術後は後遺症もなく車の運転免許も最高点で更新できたと喜んでいた

彼女を手術された医師に私も診察してもらおうかと考えその病院を検索した。彼女を手術された医師はもう勤務されていなかったが、副院長の名前を見て驚いた。妻の脊柱管狭窄症の手術を担当した医師である。

そんなことはあり得ないと思いながらも、あの医師の手術を受けたら、治る病も治らないのではないか。私も後遺症が出たらどうしようと考え込んでしまった。信頼できそうな医師が見つかるまで手術はあきらめて様子を見ることにした。

手術で改善しないこともあるという例を二件知った。これらのことから、時間経過で初期とは思えず、手術を受けることに二の足を踏んでしまう。でも、体を前後左右に傾けて痛みやしびれを感じないのは初期症状なのではではないかと思うようになってきた。

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第2章 背骨の手術を決断

7月30日にも右足くるぶしに痛みを感じて整形外科病院へ出掛けた。廊下で診察順を待っていると、壁に掲示されている大きなポスターに気づいた。院長の腰から上の大きな写真の左側に大きな文字で脊柱管狭窄症とある。診察が終わると院長に質問した。

先生は脊柱管狭窄症がご専門なのですね。私は間欠性跛行で500メートルほど歩くとしゃがみ込んでしまいます。ご専門でしたら脊柱管狭窄症を見ていただけませんか。すると、院長はすぐにMRI撮影の指示をしてくれた。

MRI撮影後に院長の診察を受けると、「脊柱管の狭窄はかなり進んでいますね。手術が必要な状態ですよ」「入院は何日ぐらいになるでしょう」と質問すると「約一か月は必要ですね」「一か月もですか!」「手術は速いほうが良いですよ」とおっしゃる。

「実は同窓会の幹事なので、手術をしたら10月には歩けるようになりますか」「10月なら大丈夫ですよ。内頚動脈が閉塞しているとおっしゃっていましたね。手術をしても問題ないか、事前に近所の循環器内科で診察を受けてください。紹介状を書きます」。

整形外科病院の診察室を出るときに、ディスプレィに向かっていた院長が「あれっ、軟骨はそれほど減っていないぞ」とつぶやいた。初めて足首のレントゲン写真を見て気づいた様子に、あきれながら診察室を後にした。

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紹介状をもって近所の循環器内科へ行くと、受付で体温を測るように指示された。体温計を渡すと、熱が37度ですから診察はできません。熱が下がってからおいでくださいと紹介状を返された。整形外科の受付時も帰宅後計っても、体温は36度4分である。

これはひょっとすると、通っている整形外科病院で脊柱管狭窄症の手術を受けるべきではないとの天の声かもしれない。インターネットで北海道内で脊柱管狭窄症の手術件数の多い病院を検索すると、病院別脊柱管狭窄症の治療実績を発見した。

第一位は恵庭市にある医療法人社団である。札幌市の脊柱管狭窄症を診察する病院で検索すると、第五位に札市中央区の整形外科病院があった。経歴を見ると、院長は日本整形外科学会脊椎脊髄病専門医で学会評議員・指導医・認定医である。

これほど勉強されている院長に手術していただくほうが良いだろう。手術経験が多ければ万一への対応も万全だろう。院長が診察されるのは月曜日の午前中と水曜日の午後、木曜日と金曜日の午前中で、地下鉄駅から病院まで徒歩で6分程である。

しかも、脊柱管狭窄症の治療では、顕微鏡を用いた負担の少ない低侵襲手術を実施。3cm程度の小切開により、骨を支える筋肉をできるだけ温存させるため、術後の回復も早く10日程で退院できるそうである。

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第3章 脊柱管狭窄症の手術

1 リスクを最小限に

8月2日に中央区の整形外科病院で院長の診察を受けた。MRI写真を撮ると狭窄を起こしている部分へ、黄色靭帯が飛び出して色が変わっている。この状態は放置しておけませんね、余病や後遺症などの弊害が出る前に手術したほうが良いでしょう。

右足のくるぶし付近に痛みを感じ、現在は痛みが治まっているが傷みだすような兆候があるとお話ししするとレントゲン写真を撮った。院長は写真を詳細にみていたが、変形性足首関節症が発症しているようには思えません。軟骨は年齢相応ですよと安心させた。

狭窄部分


 さらに、脊柱管が狭窄している部分と狭窄していない部分を表示していただき、比較できるように写真を撮影した。左側の写真が狭窄していない部分、右側の写真が狭窄している部分である。写真中央部のY字型椎弓の左右の隙間が右側写真は狭まっている。

狭窄部と正常部の比較

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 手術前に内頚動脈閉塞を診断された病院で、手術をしても問題ないか診察を受けるよう指示された。超音波診断で頸動脈が3分の2詰まっているといった内科や、プローブを当てて動脈内壁のプラークをはがしてしまった病院へは行きたくない。

8月13日に中央区の脳神経外科で手術前検査を受けると、MRIの画像を見ながら医師は「かなり脊柱管は狭窄が進んでいますね。内頚動脈の状態は手術に問題ありません。手術のときは血圧の大きな変動に注意するようお伝えください」とおっしゃった。

左内頚動脈の閉塞


 左内頚動脈の閉塞

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 脳神経外科で撮影した写真と診断と伝え、8月18日にPCR検査を受けて翌日手術の痕跡陰性であることが確定した。8月23日に入院して24日の10時50分から手術。1時間で手術が終わり2時間後に麻酔から覚醒した。腰に痛みはまったく感じられないが、朝昼晩と毎日痛み止めを飲まされた。

25日に血液を抜くための管と小水を抜くための管が外され、専門家が立案された「総合実施計画書」に基づきリハビリテーションが始まった。変形性膝関節症の診断で紹介された「足上げの運動」と似ている運動である。

手術の翌日からリハビリ中は毎日1kmを歩いても間欠性跛行は起きなかった。退院してから5000歩や8000歩を10年前と同様に普通の状態で歩るくことができた。

しかも、変形性膝関節症と変形性足首関節症の症状が消え、脊柱管狭窄症に関連した症状のようだった。便失禁は完治していないが、退院してから失禁のない日が月の三分の一に増え、体が普通の状態に戻すために努力しているように感じられた。

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2 リハビリ担当者推奨の運動

腹横筋(ふくおうきん)は、横隔膜(おうかくまく)、多裂筋(たれつきん)、骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)と共に腹筋群のインナーマッスルとして知られ、主に腹式呼吸で息を吐く(呼気)場合に最も働く筋肉である。

いわゆる、お腹を凹ませる時に働く筋肉で、腹横筋の上部は胸郭を固定し、中部下部は体幹の安定性を高める働きがあるとされ、多裂筋と共に体幹をコルセットのように締め付けることで体を安定させ、姿勢を保つ役割としても働くようである。

姿勢を保つと言っても脊椎の働きには関与しないため体幹の動きは特に起こらないが、背筋が伸びた美しい姿勢や正しい姿勢を保持するために重要な筋肉となる。また、体のふらつきを抑制することができる。

腹横筋は直接的に体の動きに関与していないが、この筋肉をトレーニングすることで日常生活の中でこのような効果が期待できるとされている。

【腹横筋の日常生活での効果】
  ・ 腹式呼吸時に息が強く、深く吐けるようになる
  ・ 腰の安定性が高まる(コルセットの役割)
  ・ 体幹全体の姿勢を安定させる
  ・ せきやくしゃみがしっかりとできるようになる
  ・ 排便や分娩時に腹圧を高めて出やすくなる
  ・ ぽっこりお腹を引き締める

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  1) 足上げの運動

第三章 変形性膝関節症紹介したリハビリ担当者が推薦した運動とほぼ同様だが、左右の腰に手を当ててお腹を引っ込めるという動作が加わる。呼吸時はお腹を膨らませないで普通の呼吸を行い、運動中は呼吸を止めてはいけない。

仰向けに寝て、強くするほうのひざを延ばし、反対側のひざは立てておく。そして、左右の腰に手を当ててお腹を引っ込める。伸ばした足を約10CM程度上げたところで足首をそらし、そのままその足を上げたままで20秒間停止する。足上げの運動

この時、曲げた反対側のひざより高くならないように注意する。反対側の膝は腰痛を防ぐために立てておく。この状態で足を保持し、声を出して20秒数えたら足を下す。これを1回とし、同じ動作を10回繰り返えす。この時、太腿の筋肉を意識しながら行う。

次に足を変え、もう片方も同様に行う。両腿の筋肉を付けることが重要で、左右各10回を朝・昼・晩と計3セット行うとよい。慣れてきたらセット数を増やしていく。力が強くなったら足首に1kg(市販の砂糖程度)重りをつけて鍛えるとよいだろう。

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  2) 足広げ運動

仰向けの姿勢で両膝を立て、片足ずつ体の外側に膝を床につくまで倒す運動である。膝を左右へ倒す運動ゆっくりと20秒かけて、倒したら再び20秒かけて元の位置へ戻す。片方の足の運動が終わったら、もう片方も20秒かけて元の位置へ戻す。

運動はゆっくり、交互に両方の足を行い両方を行って1セットとし、計5セットを朝・昼・夜と行う。

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  3) 腰かけた状態の運動

イスに腰掛けて足首を伸ばしたまま片足を膝が延びるところまで伸ばす。運動はゆっく足上げの運動り、20回行う。交互に両方の足を行い両方を行って1セットとし、計5セットを朝・昼・夜と行う。

この運動の時も、お腹を引っ込めるという動作が加わる。呼吸時はお腹を膨らませないで普通の呼吸を行い、運動中は呼吸を止めてはいけない。力が強くなったら足首に重りを着けて鍛えるとよいだろう。初めは1kg(市販の砂糖程度)から始めよう。

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  4) 挟みつける運動

挟みつけ運動

バスタオルなどを丸めて両ひざの間に入れ、両ひざでタオルを挟みつけるように力を入れる。挟みつけたまま20秒停止し、20秒を1セットとして5セット、朝・昼・晩と計3セット行う。写真は室内消臭剤の容器を袋に入れて挟んでいる。

この運動の時もお腹を引っ込めるという動作が加わる。呼吸時はお腹を膨らませないで普通の呼吸を行い、運動中は呼吸を止めてはいけない。筋力には個人差があるので初めから無理をしない。また、継続することが重要です。3日坊主にならないように頑張ろう。

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  5) スクワット運動

両足を少し開いて立ち、脚の付け根に手を当てて正面を向いたまま腰を後ろへ引スクワットくようにしてしゃがみ込む。しゃがみ込むまで20秒かけ、元の姿勢へ20秒かけて戻す。これを1セットとして5セット、朝・昼・晩と計3セット行う。

リハビリ担当者が推奨される運動を行う場合の秒数の数え方は「1・2・3」ではなく、「101・102・103」と数えると、ほぼ正確に秒数をカウントできる。これは、自衛隊が採用している数え方である。

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3 薬害を恐れて調査

退院時に痛み止めを二週間分受領した。病院から渡された薬は、ロキソニン60mg・レバミピド錠100mg・メチコバール500mgである。ロキソニンは体内で炎症などを引きおこす体内物質プロスタグランジンの生成を抑えて炎症や痛みなどを抑え、熱を下げる薬である。製薬会社は原則として1日2回までとし最大1日3錠を限度としている。

レバミピド錠は防御因子増強薬に分類される胃薬で、比較的効き目がマイルドである。胃粘液を増やしたり、胃粘膜の血流をよくしたりで、胃粘膜を胃酸からの防御機能を高める。そのため防御因子増強薬と呼ばれている。

入院前より、手首から指先までしびれを感じる末梢性神経障害があった。メチコバール500mgは、神経の核酸・蛋白合成を促進し、傷ついた末梢神経を修復してしびれ痛みなどを改善するため、末梢性神経障害の治療に用いられる。

ロキソニンの副作用は、胃部不快感、みぞおちの痛み、腹痛、吐き気・嘔吐、食欲不振、浮腫・むくみ、発疹、蕁麻疹、眠気、発熱、かゆみなどが報告されている。レバミピド錠は、発疹、そう痒感 、薬疹様湿疹、過敏症状、蕁麻疹 、しびれ、 眩暈、眠気、便秘、腹部膨満感、下痢などが報告されている。

メチコバールの副作用は、発疹、食欲不振、吐き気・嘔吐、下痢などが報告されている。ロキソニン、レバミピド錠、メチコバーは、いずれも長期間飲用による薬害や薬に対する耐性ができるとの注意事項はなかった。

人間には「自然治癒力(自己治癒力)」という素晴らしい力がある。それを引き出す手助けをするのが良い医療者であり、施術者と言える。そして、「自分の主治医は自分」ということを忘れてはならない

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