1 原因不明の痛み
1) 左膝に痛みを感じた
令和2年10月6日の午後、リサイクル店で防災用に単一電池を使う懐中電灯を購入して自宅へ戻り、新品の乾電池を入れたが点灯しない。何度も乾電池の向きを確かめたがピカッと一瞬でも点灯してくれない。これは不良品ではないだろうか。
再びリサイクル店へ行って店員さんに試してもらった。電池を入れ替えても点灯しないので新しい懐中電灯と交換してくれた。自宅で乾電池を入れる時にゆっくり確認すると、電球の付けられている方向の接点がUの字状になっている。
製造元を確かめると中国製で、乾電池を入れる向きが逆であることに気づいた。乾電池を入れ直したリサイクル店の店員さんも気づかなかったのだから、私の老化した頭だけが悪いとは言えないだろう。
夕食後は座椅子にもたれてテレビを見ていたが、立ち上がろうとして体を起こして左ひざを床についた。すると、膝関節の半月板の左側にキリを刺されたような痛みを感じる。後期高齢者なので嫌な予感に襲われた。
膝関節には表面を覆うツルツルした軟骨があり上下の関節が直接触れ合うことはない。老化するにつれ軟骨がすり減って上下の関節が直接触れ合い、痛みを感じるようになるそうだ。軟骨が減った部分の関節が触れたのではないかと考えた。
取り敢えず鎮痛剤を飲むと3日後には痛みを感じなくなった。テレビのコマーシャルでコラーゲンが良いという宣伝があるが、古い知識で考えても飲んだコラーゲンがそのまま関節まで届くわけはない。
喉を通過したコラーゲンは食道を通って胃へ入ると、胃液というウイルスでさえも生き残れないほど強い塩酸によって溶かされてしまう。コラーゲンは完全に分解され栄養素となって小腸から吸収される。
小腸から吸収された栄養素は体が必要としているものの原料となる。コラーゲンは軟骨の成分だが、分解された栄養素がコラーゲンとなって関節の骨の表面へ運ばれるとは限らない。体は関節の補修よりも他にやらなければならないことがあるかもしれない。
コラーゲンを飲めば関節の軟骨が補充されるというのは眉唾ものだ。千に3つぐらいはそうなるかもしれないが、常識的に考えてみても誰にもわかるはずがない。コラーゲンを飲んでも、なるようにしかならないというのが正直な話だろう。
2) 右足首に痛みを感じた
左膝の痛みを忘れた20日後の10月21日、座椅子から立ち上がるときに左膝をかばって右膝を床についた。すると、膝関節の半月板の上側全体にだるいような痛みを感じる。右膝を調べても腫れている様子はない。
歩き始めると右半月板の上部内側に痛みを感じる。時間の経過とともに腰を下ろしていても軽い痛みを感じるようになり、歩くたびに痛みは強くなっていく。しゃがむことが難しくなり、座った状態から立ち上がる時は体を固定しなければならなくなった。
でも、鎮痛剤で左足間接の痛みが消えたこともあり、大したことはないだろうと考えて鎮痛剤を飲んだ。トイレで便座から立ち上がるときにも、右膝に痛みを感じて少々時間がかかるようになった。まだ、病院へ行くという考えは起きない。
11月22日は予定していた後期高齢者検診の当日である。前日はあまり足を動かさなかったので右膝の痛みは少し引いたようだが、脊柱管狭窄症の影響もあるので歩行は困難である。コロナウイルス対策をして検診を受けて帰った。
区民センターまで往復したせいか、じっとしていても右膝に痛みを感じる。後期高齢者検診から戻るとすぐに鎮痛剤を飲んだ。午後は椅子に腰かけて過ごし夜は足の関節をマッサージしながら入浴した。
風呂から上がったときは痛みが軽くなったが、布団へ入って仰向けに寝ても夜中に右膝が病んで時々目が覚める。就寝中に寝返りを打つと右膝に激痛が走り目覚める。これは何か変だぞという気になった。
トイレで便座から立ち上がるときも、手摺りにつかまらなければ右膝にかなりの痛みを感じて体を持ち上げることができない。70歳の時に室内のリホームを行い、将来を考えトイレと浴室と廊下に手摺りを付けてもらったのは正解だった。
23日は一日中椅子に腰かけて過ごした。足を動かさないと右膝に痛みは感じないが、なにかもやもやとした感じが続いている。就寝中は仰向けになっても夜中に右膝が病んで時々目が覚め、7~8回目覚めると眠ったというと気にはなれない。
23日朝、病院へ行かなければと思ったが、23日は勤労感謝謝の日で休診である。日中は右膝関節が痛くて手すりにつかまらりながら足を引きずっていた。診察券を見ながら明日は5年ほど前に受診したことのある整形外科病院へ行こうと決断した。