1 子どもの頃の思い出
小学3年生のころにシラクモが大流行しました。主に男子児童の間で流行する病気で、髪の毛の生えている頭皮部分に十円玉くらいの丸く、境界の明らかな白くてフケが固まったような症状がでます。
進行程度によって症状は異りますが、シラクモになると患部が赤く腫れ上がったり、円形状の白い斑点のようなものが現れ、皮膚がボロボロと剥がれ落ちフケが多量に発生する子どももいます。痒みを伴ったり患部の毛髪が抜け落ちた子どももいました。
当時はまだ十円玉が発行されていないため、十円玉と同じ大きさの一銭硬貨の大きさだったので「一銭パゲ」と呼んでいました。ハゲではなくパゲと呼んでいた理由はわかりません。
シラクモの感染率が高いのは子どもや高齢者などといわれます。子どもは頭部に大量の汗をかきやすく、洗髪も大人のように十分に行う事は無理です。遊んでいる最中に頭が接触することもあり、感染者と頭を接触させる機会が多いことなどが上げられます。
シラクモを治療せずにそのまま放置しておくと、掻いたさいの炎症が原因で化膿したり脱毛範囲が広がる場合があります。症状が徐々に悪化する場合が多いので、早期に発見して治療に努めることが大切とされています。
しかし、当時はもっとも近い内科の病院まで4km以上あり、皮膚科などという名称は聞いたことがないため、多くの子どもたちは頭をしっかり洗う程度ですましていたと思われます。薬を塗ったり飲んだという記憶はありません。