1 エンジン始動
1-1 設計事務所と契約
2009(平成21)年10月31日発行の理事会報第290号に「理事会で代表取締役と契約締結」をお知らせしました。
契約金額が大きいことから慎重の上にも慎重を期し「重要事項説明書」「建物調査診断・修繕工事設計管理業務委託契約書」「建物調査診断・修繕工事設計管理業務規準」の不明な部分を確認し、これまで双方の納得が得られるまで協議を続けてきました。
8月24日に重要事項説明内容を再確認し、月末に建物調査診断・修繕工事設計管理業務委託契約が最終合意に達し、清書して不都合がないか再度確認しました。
10月16日の第10回理事会へ株式会社A建築設計事務所の代表取締役と企画部長、大規模修繕業務を担当されるパートナーの一級建築士をお迎えして契約を締結しました。10月22日午後、実施設計に必要となった「竣工図面一式」をお貸ししました。
理事会報第290号に掲載した「重要事項説明書、建物調査診断・修繕工事設計監理業務受託要領、建物調査診断・修繕工事設計監理業務規準」の内容は省略します。
2009(平成21)年11月29日発行の理事会報第292号で「大規模修繕の全体工程(案)」をお知らせしました。
株式会社A建築設計事務所の設計部課長で、大規模修繕の担当者であるパ-トナーが作成された「大規模修繕全体工程表(案)」は理事会での検討が終わりましたので裏面に掲載してお知らせします。大規模修繕の大まかな予定がわかるようになっていますのでご覧ください。なお、10月22日にお貸しした「竣工図」は11月4日に返却いただきました。
1-2 建物調査診断スケジュール
2009(平成21)年12月27日発行の理事会報第293号で「大規模修繕工事全体工程と今後の進め方、建物調査診断スケジュールを検討」をお知らせしました。
大規模修繕パートーナーを募集するさい、設計事務所へ提示した理事会案の「大規模修繕の工事箇所と修繕方針 (理事会報第278号、5月24日発行)」に、区分所有者の「ご意見ご要望アンケート(理事会報第280号、6月14日発行)」の結果を加えた資料を株式会社A建築設計事務所のパートナーにお渡ししています。理事会が改修を予定している内容をまとめ、12月24日開催の第12回理事会に工事可否と工事規模を判断するための「建物調査診断スケジュール(案)」を提示いただきました。
今年の5月21日と24日の2日間で建物点検を実施し、設計事務所との契約解除に伴い診断結果は不明ですが立会い中に大きな問題はなかったと記憶しています。しかし、「大規模修繕工事の全体工程表(案)」を若干手直しする必要性が生じ、今後の話し合いで更に調整していきます。
1. 建物調査診断スケジュール(案)
平成22年度に実施する調査診断スケジュール(案)は次のようになっています。
1) 建物調査・診断アンケート
ア. 建物調査・診断アンケートの配付(全住戸対象)
・ 配付日 3月25日(木)
全住戸のポストへ配付 ⇒ 理事長のポストへ投函(各居住者)
・ 締切日 3月31日(水)
締切日の翌朝に集約(理事長) ⇒ アーバン・プランニング
イ. 建物調査・診断アンケートの回収
・ 回収日 4月1日(木)
・ アンケート内容の集計処理(アーバン・プランニング)
・ 集計業務 4月1日~7日
2) バルコニー調査
ア. バルコニー調査住戸の抽出
・ 業務期間 4月1日~7日
アンケート内容により不具合部分が顕著に出ている住戸
イ. バルコニー調査の協力依頼文書配付
・ 配付日 4月8日(木)
アンケート内容により不具合部分が顕著に出ている住戸
抽出住戸のポストに投函⇒理事長のポストへ投函(各居住者)
・ 締切日 4月13日(火)
締切り期日の翌朝に集約(理事長) ⇒アーバン・プランニング
ウ. バルコニー調査の協力依頼文書回収
・ 回収日 4月14日(水)
バルコニー調査の日時調整
・ 業務期間 4月14日~15日
エ. バルコニー立入り調査日の配付(調査対象住戸)
・ 配付日 4月16日(金)
オ. バルコニー立入り調査実施(調査対象住戸)
・ 調査日 4月23日~24日
3) 現地調査(バルコニー以外の建物全体)
・ 調査日 4月20日~24日
ア. 屋上防水・・・・・目視・打診調査
イ. 外 壁・・・・・目視・打診調査
ウ. 共用内部・・・・・目視・打診調査
エ. 鉄部全体・・・・・目視・打診調査
オ. 外溝関係・・・・・目視・打診調査
なお、12月15日に管理組合宛に株式会社A建築設計事務所よりお歳暮らしきものが宅配されました。24日の第12回理事会へご参加いただいたパートナーに、「現在の理事会は業務を発注した業者より金品の贈与を一切受けない方針であることを説明し、そのような費用があるなら値引きをお願い」してお持ち帰りいただきました。
1-3 修繕品目と修繕内容を整理
2010(平成22)年1月16日発行の理事会報第294号で「大規模修繕工事全体工程と今後の進め方、専門家の立場で修繕方法を検討」をお知らせしました。
株式会社A建築設計事務所のパートナーが、平成12~16年と平成18~21年にかけて理事会が検討してきた「2009大規模修繕工事計画書・大規模修繕工事の工事予定箇所と修繕方針」と、これまでの修繕履歴や実施アンケート処理経緯などを検討され「修繕品目と修繕内容」をまとめられました。理事会が修繕の必要性があるとした部分をどのように修繕すべきか専門家の立場でまとめたものです。すべてを実施することは費用の面で不可能ですが、この修繕箇所と居住者へのアンケート結果を基に「建物診断」を実施します。
No. | 修繕工種 | 修繕部位 | 修繕品目 | 修繕内容 |
---|---|---|---|---|
1 | 外壁 | タイル修繕工事 | 45二丁掛けタイル | ひび割れと浮きタイルを貼替、全面を中性洗剤洗浄。 |
タイル下地コンクリート | タイルを撤去後、幅広ひび割れなどを修繕。 | |||
塗装下地工事 | 塗装下地コンクリート | 塗装の剥がれ、浮き、ひび割れなどを修繕。 | ||
塗装工事 | 吹付 | 塗装した時の修繕後、全面新規塗装。 | ||
銅製建具扉、鉄製枠 | 塗装の剥がれと錆などを修繕し錆止めのうえ新規塗装。 | |||
通気管 | 塗装の剥がれと錆などを修繕し錆止めのうえ新規塗装。 | |||
排水縦樋、取付金物 | 塗装の剥がれと錆などを修繕し錆止めのうえ新規塗装。 | |||
排水目皿(バルコニー等) | 塗装の剥がれと錆などを修繕し新規塗装。 | |||
銅版 | 塗装の剥がれと錆などを修繕し錆止めのうえ新規塗装。 | |||
2 | 防水 | アスファルト防水 | 塔屋、風除室屋上防水 | 平面の膨れと浮きを修繕のうえ二層防水を新設、立ち上がりは全面撤去のうえ二層防水新設。 |
六階と五階屋上防水 | 平面の砂利と断熱材撤去のうえ,新規外断熱露出防水。立ち上がりは全面撤去のうえ二層防水新設。 | |||
ウレタン塗装防水工事 | 各階庇上部 | 既存の塗装剥離のうえ下地を修理しウレタン塗幕防水新設。 | ||
バルコニー床 | 修繕があれば補修し,全箇所トップコート増し塗り。 | |||
シーリング工事 | 外部に面する全て | 旧シーリング材を全て撤去のうえ新規シーリング打。 | ||
建具工事 | アルミサッシ水切り | シーリング撤去のうえ全面水切りかぶせ工法、又は端部かぶせ工法。 | ||
北面サッシビート | ビート撤去のうえシーリング,又はビート取替え。 | |||
3 | 建具 | 建具工事 | 五~六階サッシ | 六階サッシ撤去・新設。五階サッシ調査及び改修。 |
Tルーム入口サッシ | 調整又は撤去し新設。 | |||
風除室 | 扉調整、取っ手交換又は全面交換。 | |||
4 | 金属 | 金物工事 | 屋上笠木 | L型笠木をオープン傘木に改修。 |
避雷針受けボルト | 撤去、新設(ステンレス製)。 | |||
屋上フェンス | 手摺支柱内グラウト材注入、基礎石ウレタン塗膜防水、手摺金物ネジ取替え。 | |||
換気フード | 損傷フード取替、通気フード取替え、排気周りステンレス水切り取替え。 | |||
郵便ポスト | メールボックス取替え。 | |||
5 | 階段室 | 塗装 | 風除室壁 | 劣化部修繕のうえ新規塗装。 |
階段室と天井 | 塗装の浮き、剥がれ、ひび割れを修繕のうえ新規塗装。 | |||
スチール家具 | 下地修繕のうえ新規塗装。 | |||
床仕上げ | 風除室床 | 靴拭きマット取替え。 | ||
階段室床 | 負荷のひび割れを修繕し新規消音形床材新設。 | |||
その他 | パイプスペース | 下がり壁受け金物確認とモルタル部分修繕。 | ||
6 | 外溝 | 駐車場工事 | 駐車場アスファルト | 不陸、水勾配修正のうえ全面オーバーレイ舗装(全面撤去・新設)、文字・ライン入れ。 |
駐車場照明器具 | 錆、塗装剥がれを修繕し新規塗装。基礎部改修、灯具改修。 | |||
縁石 | 縁石目地の修繕、破損部取替え。 | |||
排水側溝 | 勾配修正、U字側溝破損部分修繕(縦樋納まり部共)。 | |||
館名板工事 | 館名板 | 館名板磨き清掃、塗装塗替え。 | ||
7 | その他 | バリアフリー工事 | 階段室手摺り | 廊下と階段に手摺り設置。 |
ノンスリップ | 段差解消及び蓄光に取替え。 | |||
風除室前滑り止め | 階段滑り止め設置、段差解消スロープ設置(インターロッキング部含む))。 | |||
防犯工事 | インターフォン | カメラ付きインターフォンに交換。 | ||
防犯カメラ | 防犯カメラの設置。 | |||
廊下 | 死角の解消を検討。 |
1-4 待ち望んだスケジュール
2010(平成22)年1月29日発行の理事会報第295号で「大規模修繕のタイムスケジュールを確認」をお知らせしました。
平成22年1月22日の第13回理事会で、大規模修繕のパートナーである株式会社A建築設計事務所の一級建築士のパートナー(今後、単に「パートナー」と表記します。)より大規模修繕のタイムスケジュールと平成21年6月1日より施行された「労働安全衛生規則」で足場を安全に使用するため追加された様々な対応策についての説明をいただきました。
○ 大規模修繕のタイムスケジュール
期間 | 実施項目 | 実施内容 |
---|---|---|
平成22年1月下旬 | 今後の進め方 | タイムスケジュール案の確認 |
修繕項目の改修方法 | 仮設工事の方向 | |
平成22年2月下旬 | 修繕項目の改修方法 | 外壁塗装下地修繕工事、塗装工事、屋上防水工事 |
調査診断 | アンケート内容の決定、お知らせ掲示文書、配布文書の内容確認 | |
平成22年3月下旬 | 修繕項目の改修方法 | 外壁タイル修繕工事、シーリング工事、バルコニー防水工事、内部階段工事 |
調査診断 | お知らせ掲示文書、配布文書の内容確認、調査方法の説明 | |
平成22年4月下旬 | 修繕項目の改修方法 | 雑工事、外構工事、その他工事 |
調査診断 | アンケート集計結果の報告 | |
平成22年5月下旬 | 調査診断報告 | 調査診断住民報告会リハーサル |
提出予定書類 | 調査診断報告書、概算工事金額、修繕標準仕様書、長期修繕計画書、壁新聞 | |
平成22年6月上旬 | 調査診断報告 | 調査診断住民報告会 |
実施設計 | 改修方法、使用材料の検討 | |
平成22年6月下旬 | 概算工事金額の検討、改修仕様書の検討、長期修繕計画の検討 | |
業者選定 | 業者選定の方法を検討 | |
平成22年7月上旬 | 実施設計 | 実施設計図の確認 |
平成22年7月下旬 | 改修方法、仕様の決定。概算工事金額の決定。改修仕様書の決定。長期修繕計画案の決定。 | |
業者選定 | 業者選定の方法決定。 | |
平成22年8月下旬 | 臨時総会実施 | 承認事項、改修内容、概算工事金額、業者選定の方法、長期修繕計画書の決定 |
平成22年9月上旬 | 業者選定 | 施工業者の応募 |
平成22年9月中旬 | 業者選定 | 施工業者の一次選定 |
平成22年10月上旬 | 業者選定 | 図面説明会 |
平成22年11月上旬 | 業者選定 | 施工業者の二次選定 |
平成22年11月中旬 | ヒアリングの実施(最終施工業者内定) | |
平成22年12月中旬 | 臨時総会実施 | 承認事項は施工業者と工事金額(指名入札を採用の場合は契約) |
平成23年1月中旬 | 業者選定 | 施工業者契約 |
平成23年3月中旬 | 修繕工事 | 工事住民説明会の実施 |
平成23年4月上旬 | 修繕工事 | 工事着手(工事中は週1回の定例実施) |
2 具体的な検討開始
2-1 外壁塗装と屋上
2010(平成22)年3月6日発行の理事会報第298号で「パートナーの説明内容」をお知らせしました。
第15回理事会でパートナーより「塗装下地修繕工事と外壁塗装工事」と「屋上防水工事」の基本的な考え方についてプロジェクターを利用した説明をいただきました。
1. 塗装下地修繕工事と外壁塗装工事
の改修概要
1) 外壁に塗装を使用している場所
ア. 南面バルコニーの軒天と帯部(排水縦樋、排水目皿、隔て板)
イ. 六階屋上(EV機械室の扉、EV機械室階段の裏側、屋上出入
口、通気管、排水縦樋、排水目皿)
ウ. 五階屋上(東棟と西棟の屋上出入口、通気管、排水縦樋、排水目
皿)
エ. 駐輪場とトランクルーム出入口
オ. 北側の飾り枠、東側・北側・西側の縁石(東西棟一階エントラン
スホール内壁)
2) 外壁塗装下地の修繕方法
ア. 塗装面のひび割れ、塗装の浮き、爆裂などを目視・打診調査す
る。
イ. 脆弱部分、ひび割れなどの下地を補修する。
ウ. 塗装を塗布する。
3) ひび割れの修繕方法
ア. 幅0.2mm未満のひび割れ 微弾性樹樹脂刷り込み
イ. 幅0.2mm~1.0mmひび割れ ダイレクトシール工法、デカ
デックスリーマット工法
ウ. 幅1.0mm以上のひび割れ Uカットシールブリッジ工法
4) 膨れ・浮きの修繕方法
塗装面の目視・打診調査 ⇒ 膨れ・浮きをケレンし除去 ⇒ 除去
した部分を樹脂モルタル補修 ⇒ 塗装の肌合わせ ⇒ 塗装主剤を塗
布 ⇒ 仕上げ塗り。
5) 爆裂の修繕方法
爆裂部分を撤去 ⇒ 鉄筋を叩き込む ⇒ 防錆処理 ⇒ 樹脂モル
タルで補修 ⇒ 塗装主剤を塗布 ⇒ 仕上げ塗り。
6) 外壁塗装の構成
シーラー(下地補強、吸込み防止、接着性) ⇒ 主材(模様、下地
の保護) ⇒ 仕上げ塗装(主材の保護、美観・デザイン)。
7) 塗装主材の種類
ア. 防水機能形 柔らかい、防水性、通気性
イ. 防水形 柔らかい、防水性(平成19年度南面大規模改修時と同
様とする。)
ウ. 可とう形 やや柔らかい
エ. 硬質形 硬い
8) 仕上げ塗装の種類
南面は平成19年度南面大規模改修時と同様にウレタン樹脂塗料を採
用する。
9) 外壁塗装の工程
天井洗浄 ⇒ 壁洗浄 ⇒ 窓養生 ⇒ 養生の通気 ⇒ 主剤塗り
⇒ 塗装1回目 ⇒ 塗装2回目 ⇒ 塗装完了。
10) 鉄部塗装の下地処理
新規鉄胴面に塗装を行なう場合はRA種とされているが、リフォーム
の場合は旧塗膜上に塗装をかぶせるRB種でも良いとされている。浮い
ている塗膜は除去するが、剥がれない塗膜と剥がれた塗膜との境目に若
干の段差が生じる場合がある。
11) 鉄部塗装の塗材種類
新築時には「0P」と呼ばれる合成樹脂調合ペイントを塗布していた
が、平成19年度南面大規模改修時に「二液形ポリウレタンエナメル
(2-UP)塗料を使用。今回も同様の塗料を採用する。
2. 屋上防水工事の概要
1) 現在の屋上防水の種類
ア. 外断熱アスファルト防水、カチトール砂利まき仕上げ(五階・六
階)
イ. アスファルト露出防水(EV機械室、塔屋、風除室)
2) 屋上防水の種類
外断熱露出アスファルト防水とし、コンクリート面に貼り付けてある
現在の防水層を残し外断熱材のスタイロフォームと砂利を撤去する。現
在の防水層を補修して、外断熱材のスタイロフォームを載せその上をア
スファルト防水層で覆う。パラペットの立ち上がり部分は切開撤去して
新しい防水層を成形する。
東西棟のEV機械室への通路は、軽歩行用のバリキャップやステップ
スクエアまたは同等の等の導入検討を依頼した。
3. 建物調査診断のためのアンケート
1) アンケート調査
配付3月25日 提出締切3月31日 回収日 4月1日
2) バルコニー調査
配付4月8日 提出締切04月13日 回収日 4月14日
3) バルコニー立入調査
配付4月16日 調査実施4月23~24日
4) 建物現地調査 4月20日~24日(内、3日間作業)
2-2 タイルとシール、内部階段
2010(平成22)年4月4日発行の理事会報第301号で「パートナーの説明内容」をお知らせしました。
3月28日の第16回理事会でパートナーより「外壁タイル修繕工事・シーリングエ事・バルコニー防水工事・内部階段工事等」と「お知らせ掲示文書、配付文書の内容確認、調査方法の説明」などの基本的な考え方についてプロジェクターを利用した説明をいただきました。。
1. 外壁タイル修繕工事
1) タイル修繕の方法
ア. タイルのひび割れ、浮きを打診・目視調査する。
イ. ひび割れ浮きタイルを撤去し、新しいタイルを貼り目地詰めをす
る。
ウ. タイル全体を洗剤で洗う。
2) 外壁タイルの見本焼きスケジュール
ア. 見本焼き1回目 約18日、タイルによって期間が異なる。当マン
ションのタイルは色が難しい。
イ. 見本焼き2回目 約18日、1度で合わない場合に実施。
ウ. 材料の準備 約25日
エ. タイル焼成 約10日
オ. 加工・包装・出荷 約7日
カ. 出荷・発送・納品 約7日
キ. 必要合計日数 約75~95日
2~5月発注は75日以上、6~1月発注は95日以上が必要。
3) 外壁タイル貼り(一般的なスケジュール)
ア. 8月末迄 修繕設計、臨時総会(工事予算)。
イ. 9月~11月 図面説明、業者選定。
ウ. 1月~3月 工事契約、タイル試し焼き、工事説明会。
エ. 4月~7月 修繕工事
2. シーリングエ事
1) シーリングの修繕方法
ア. 外壁のシーリングをすべて撤去し、周囲を汚さないようにマスキン
グテープを貼る。
イ. バックアップ材の設置(上下二面接着工法で壁面とシーリングの接
着防止材として紙を使用)。
ウ. プライマーを塗布し、新規シーリングの施工。
2) シーリング材の種類
ア. 変性シリコン系の超耐候性シーリング材(10年間メーカー保証付
き)を採用予定。
イ. 塗装部との接点はポリウレタン系のシーリング材を採用予定。
3. バルコニー防水工事
1) バルコニーの点検
ア. 南面バルコニーは改修済みで保証は10年となっている。 ウレタ
ンの劣化度を調査する。
イ. 劣化している部分は、当時の施工会社と協議して修繕してもらう。
ウ. トップコート(紫外線影響防止)を全面再塗布の検討(塗布は必要
と思われる)。
2) 現在のバルコニーウレタン防水
ア. 旭硝子ポリウレタン株式会社のサラセーヌX-2工法10年保
証。
イ. X-2工法は、国土交通省のウレタン塗膜防水仕様。
メッシュ入りの密着工法で通常塗布量から計算すると3mm厚。
劣化している部分は当時の施工会社と協議して修繕してもらう。
4. 内部階段工事
1) 内部階段の改修項目
ア. エントランス、階段室部分のコンクリートひび割れ補修。壁、上げ
裏塗装の塗替え。
イ. 鉄部扉(地下ピット出入口)の塗装。床仕上げ材の補修及び塗り替
え。
2) 壁の塗装
ア. 可とう形(やや柔らかい)を使用の予定だが、下地の補修結果を見
て硬質形(硬い)も考慮する。
イ. アクリル系か、アクリル系より耐久性が高いウレタン系の樹脂塗料
を使用する。
3) 床仕上げ材の補修及び張替え
ア. 現在はビニールタイル(Pタイル)貼りである。痛んでいる部分、
浮いている部分の張替えの場合の問題点は、同じ材料があるか、色が
変わる。
イ. 全面張替えの場合
ビニールシート(継ぎ目が少ない)、タイルカーペット(音が響かな
い、汚れが取れずらい)。
※ 高齢者の転倒による障害を防止する目的もあり、接着力の弱い接
着剤を使用して汚れがひどい部分は素人でも張り替えられるように
するとよい。
ウ. パイプスペースの下がり壁
コンクリートブロック下に、何も入っていないことは無いと思われ
る。図面はブロック面に仕上げが施工されている。
※ 6階の排水管材質はランク下で、西側窓の断熱も雑であることを
考慮し、五階と六階の下がり壁を壊して内部構造を調査する必要が
ある。縦に鉄筋が入っていれば問題ないが、手抜きもありうること
から地震対策上万全にしておきたい。
5. お知らせ掲示文書、配布文書の
内容確認
1) 4月8日 バルコニー立入調査実施宅への文書配付
都合の回答 4月13日まで
2) 4月23~24日 バルコニー立入調査
6. 調査方法の説明
屋上防水関係調査シート、外壁調査記録表、バルコニー立入調査記録表、内部階段調査表の内容確認。
2-3 雑工事・外構工事・その他
2010(平成22)年4月27日発行の理事会報第304号で「パートナーの説明内容」をお知らせしました。
3月28日の第16回理事会でパートナーより「外壁タイル修繕工事・シーリングエ事・バルコニー防水工事・内部階段工事等」と「お知らせ掲示文書、配付文書の内容確認、調査方法の説明」などの基本的な考え方についてプロジェクターを利用した説明をいただきました。。
1. 雑工事の改修項目
1) L型笠木の形状変更
理事会作成の計画書で、パラペットを包み込むような笠木を考えられているがオープン笠木の価格はかなり高価です。防水層の撤去時に現在のL型笠木を外し、使えるものは極力再利用しどうしても使えないものは補充するという方法が大規模修繕で採用されています。雨水等が防水層の末端から建物へ浸透するようなことはないように処理されるので心配いりません。
2) 避雷針受けボルトの交換
理事会作成の計画書でステンレスボルトとなっていますが、ステンレスボルトは高価で支柱受けの位置を変更しなければならなくなります。現在のボルトを外してサビを落とし、防錆処理後塗装して再利用することで問題はないと思います。
3) 屋上フェンス基礎の改修
ひび割れが進まないように表面をポリマーセメント防水してあります。防水層交換工事で一時撤去しますので塗膜防水を剥がしてひび割れの状態を確認し、使えるものはウレタン塗膜防水で全体を包むようにすると良いでしょう。支柱内部の水が抜けるように、バルコニーの支柱同様下部に穴を開けてグラウドを詰めます。目視調査で交換が必要と思われる基礎が2~3個ありました。
4) 換気フードの取替え
西棟外壁についている四個の換気フード下に涙状の汚れがあります。他のフード下は汚れが目立たなので、四個のみ水切りの付いているものに交換すべきでしょう。北側外壁下に付けられている換気フードは変形しているので、二個とも丸型をやめて平型に交換してはと考えています。
5) 郵便ポストの交換
郵便ポストの取り付けられている面はボードが張られています。したがって、現在よりも大型のものと交換することは可能ですが、かなりの費用が必要になります。壊れている部分はなくサビが目立つわけでもないので、次期改修時期まで延期しても問題はないと思われます。
6) 六階屋上出入口のサッシ改修
扉の外側に西風による吹き溜まりができるため、冬期間は扉を蹴飛ばさなければ開かなくなります。扉の下は変形が進んで全体もゆがみ、施錠や開錠に苦労する状態となっています。敷居を水切り盤の位置まで上げるには戸枠と扉を全面撤去しなければなりません。大規模修繕で屋上防水は露出となるので、カチトールで固めた砂利を撤去します。これにより5cm程度は敷居までの距離が空きますが、吹き溜まりとなることを考えると改修はやむを得ないかもしれません。
7) 一階トランクルームのサッシ改修
扉を外してみなければ正確なことは分かりませんが、建築当時の取り付けに問題があったと思われます。丁番を調整するだけでよいか丁番自体を取り替えるだけでよいかの調査が必要です。
8) 風除室扉の調整、取手交換
風除室の扉とマンション入口扉の改修は、小型自動折り戸方式と二重引き戸方式の自動ドアが利用可能か検討しました。二重引き戸方式が問題は少なく、車椅子が楽に通過できる最大幅1.2mを確保できる可能性がありますがかなり高価なものです。設計図と現場の寸法を取り、納まるだけのスペースを確保できるかどうかの調査が必要です。アークス菊水店のTUTAYAA正面入口扉は三重引き戸方式の自動ドアになっています。
2. 外構工事の改修項目
1) 1.駐車場のアスファルトの改修
グレーチングと排水枡の位置を含めた全体的な水勾配計画が必要です。図面上で、駐車場のアスファルトは50mm厚(通常は30mm厚)で、路盤は切込砕石が300mm厚、路盤下は砂質火山灰となっています。砂質火山灰は手を加えなければ非常に安定していますが、少しでも手を加えると非常にもろくなる性質があります。駐車場の表面は劣化していますがオーバーレイしなければならないというほどでもなく、費用もかなりかかることから陥没している部分を補修して次期改修まで持たせるという考え方もあります。
2) 駐車場排水側溝の改修
南側のグレーチングは東から西へと勾配が逆になっています。西側のグレーチングから流れてきた水と合流し、直角になっている部分で溢れるためその一帯は水溜りとなって陥没しています。排水ルートの改善とドレンパイプの排水方法を含めて検討が必要です。
3) 駐車場照明器具の改修
ヒューム官を埋めて外灯支柱を差込み、コンクリートで固定する方法を採っていると思われます。一部を壊してサビの状態を確かめ、サビを落として防錆処理後に再塗装で問題は無いでしょう。照明部分の耐熱塗料も他に与える影響を考慮しなければなりません。
4) 縁石の改修
縁石の継ぎ目をセメントで補修した跡が見受けられますが、補修しても壊れやすいという特徴があります。東西棟の玄関外はスロープ化する計画があるので同時に検討していきます。
5) 館銘板清掃
東西棟の玄関外はスロープ化する場合、東棟の東側庭園内にあるマンション銘板は撤去しなければなりません。スロープ化しない場合は再塗装して銘板部分を清掃することになります。
3. その他の工事
1) 1.階段手摺りの取り付け
大人用と子供や高齢者用の二段式が理想的ですが、費用を考えると子供や高齢者用の一段にすべきでしょう。
2) 階段ノンスリップの取替え
ノンスリップの厚みと仕上げ材の厚みにより段差が変わります。床材をタイルカーペットにすると厚みは5~6mmとなります。ノンスリップの下にタイルカーペットを差し込む工法は採れないため、ゴム板を使うなどの工夫が必要になります。
3) 風除室前床の滑り止め、スロープ化
スロープの幅は120cm、長さは建築基準法上1/8以下で、車椅子使用の場合は1/15以下が望ましいと考えます。
4) カメラ付きインターフォン
現在の配線をそのまま使えれば1住戸当り10万円~12万円程度でカラーモニターを設置できます。
5) 防犯カメラ
エレベーター会社のレンタルシステムがお勧めです。
6) 廊下の死角解消
侵入者の犯罪抑止力として設置するのであれば、小さなコーナーミラーを設置する方法があります。
3 建物の調査診断
3-1 タイル打診調査の案内
2010(平成22)年5月22日発行の理事会報第309号で「ブランコで外壁タイルを打診調査」をお知らせしました。
バルコニーの外壁を調査した結果、異常なまでにタイルが浮いていました。一般的には多くても5%ですが、25%が浮いているという結果が出ました。総会の連絡事項でお知らせしましたが、屋上にロープを固定し、ブランコを下げてタイルを打診し、浮いている枚数の傾向を調査します。すべてのタイル調査が望ましいのですが、修繕にかける費用を減らしたくないことから下図の四系統(黒い帯状部分)のみとなりました。
24日から実施の予定ですが、雨降りや風が強いと危険なため天候を見て判断します。劣化部分があればその状態をカメラで撮影します。家の中を見られるのがどうもという方はレースのカーテンを閉めておいてください。調査中はタイルを金属製の用具で叩くためかなり大きな音が連続して響きます。ご理解とご協力をお願いいたします。
東側 北側 西側
3-2 建物調査診断の結果
2010(平成22)年5月31日発行の理事会報第311号で「建物調査診断(健康状態)報告会」をお知らせしました。
大規模修繕の着工まで、残すところ10ヶ月を切りました。入居した当時は立派なマンションでしたが、年数を経るにしたがい老化していくのは避けることができません。避けられないからといってそのままにしておくと、老化は加速度的にどんどん進みます。マンション全体の劣化を食い止めるには、老化の徴候を見せはじめた部位・部材に手を加えてタイムリーな修繕や改良を行い、機能や性能を維持・増強する必要があります。日常の点検や管理の良し悪しは計画修繕に大きく影響するといわれ、建物調査診断結果でマンションの健康状態をご理解いただき、理事が交代しても適切な維持・保全が行われるように共通理解を深めておかなければなりません。
建物の寿命(耐用年数)の考え方には、物理的要因が建物の耐用性に重大な影響を及ぼすという見方に重点をおいた「物理的耐用年数」があります。また、家族や個人の生活様式や価値観、いいかえればライフスタイルの移り変わりが建物の寿命に影響すると考える「社会的耐用年数」もあります。さらに、建物として持っている本来の耐用年数ではなく経済的な効果の大小、たとえば経年によって外観のデザインや機能が旧式になった、建て替えをした方が収益率は高くなるという事情を考える「経済的耐用年数」という考え方の、三つの概念に分類することができます。これらの複合的な因果関係がマンションの耐用に影響を及ぼすとされます。
どの寿命説を採るかによって管理組合が立案する長期修繕計画の立て方の差異が生じますが、いずれにしても部位・部材に寿命があり劣化は避けられません。長期修繕計画に基づいて、いくらの費用をかけ、いつの時点で、どんな内容の工事を実施するのかという指針を定め、全員で共通理解をすることが不可欠といわれます。
5月27日午後1時より、東棟北面、西棟北面、東棟東面、西棟西面の順に、外壁タイルの状態を打診調査しました。西棟の西面タイル100枚ほどにヘアークラックが発見され一階部分は70枚ほど浮いていました。北面と東面のタイルに浮きはほとんどありません。パートナーが風除室屋上で届く範囲のタイルを打診されましたが、浮いているタイルはありません。南面だけが25%浮いているという結果がでました。
各階フロアにあるパイプシャフトの壁は、扉の上にL型のアングルがあり、外枠を3本の鉄筋で天井から吊り、左右に横筋が3本ずつ(右側下写真で、点線部分が鉄筋)入っているようです。左右壁に縦筋は1本もなく横筋も1本不足と分かりました。左右壁に縦筋を入れて補強するにはコンクリートブロック壁をすべて撤去しなければなりません。パイプシャフト内から補強するのも技術的にかなり難しいものがあり、劣化しているモルタルを更新する以外に対策はなさそうです。
3-3 修繕費用は5千61万円
2010(平成22)年6月71日発行の理事会報第312号で「大規模修繕計画の総費用は≒5千万円」をお知らせしました。
6月6日午後6時から町内会館で「建物調査診断報告会」が開催され大規模修繕パートナーより建物調査診断結果の報告がありました。
下図は建物の総合評価表です。劣化度評価は五段階で、「1」に近づくほど劣化が進んでいることを表しています。評価部位の「屋上防水層」は劣化現象が「破断・損傷・フクレ」などで、危険度は2、発生程度も2、発生範囲は1で、修繕時期も1です。破断箇所はこれまで何度も変性シリコンで補修してきました。
二行目の「シーリング材」は「2」が三箇所で修繕時期は1となりました。シーリング材の耐用年数は10年程度ですから、屋上防水層同様に驚くほど耐えてくれたことになります。
五行目の「外壁タイル面」は、劣化現象が「浮き・ひび割れ・欠損等」で、危険度は1、発生程度は2、発生範囲も2で、修繕時期は1でした。平成15年の調査で浮きの多い箇所を再調査すると、25%が浮いているという結果に目を疑いました。
屋上からブランコを下げての東西側1系統と北側2系統を調査すると、タイルの浮きは78枚、ヘアークラックは368枚という少なさでした。北側風除室屋上から手の届く範囲にも浮きはみられません。これらのことからタイルの劣化は南面に集中していると推定されます。
外部鉄部は劣化現象が「錆・腐食」で、危険度は1、発生程度は2、発生範囲も2、修繕時期は2でした。5年に1度のケレン塗装が必要ですからその時期がきていることを示しています。
タイルやシーリングの工事は足場が必要になります。足場代だけで総工事費の一割を占めることから、足場がなければできない修繕工事を優先することになります。「評価表」で成績の悪い「屋上防水層・シーリング材・外壁タイル面」を優先しなければなりません。つぎに成績の悪い「外部鉄部」の修繕工事になります。
名称 | 概算金額 |
---|---|
A. 直接仮設工事費 | 4,756,000円 |
B. 共通仮設工事費 | 2,133,000円 |
C. タイル工事費 | 4,302,000円 |
D. シーリング工事費 | 1,803,000円 |
E. 塗装下地修繕工事費 | 166,000円 |
F. 塗装工事費 | 570,000円 |
G. バルコニー防水工事費 | 363,000円 |
H. 屋上防水工事費 | 5,243,000円 |
I. 内部階段工事費 | 4,887,000円 |
J. 外構工事費 | 6,242,000円 |
K. 雑工事費 | 9.202,000円 |
L. その他共用工事費 | 777,000円 |
M. 諸経費 | 3,756,000円 |
N. 消費税 | 2,210,000円 |
O. 予備費 | 1,890,000円 |
P. 建物調査診断設計監理費未払金 | 2,310,000円 |
合計 | 50,610,000円 |
理事会がまとめた大規模修繕工事計画書、大規模修繕の予定工事箇所と修繕方針、アンケートでいただいたご希望をすべて満足させるには、概算で約5千61万円の資金が必要と分かりました。しかし、平成22年5月末現在の修繕積立金総額は244万円です。工事費用を平成23年9月末に精算する予定で資金計画は次のようになります。
1) 平成22年5月末現在
定期預金20,000,000円 + 普通預金4,403,915円 = 24,403,915円
2) 毎月の修繕積立金
(15,132円 × 20軒 ) + (13,454円 × 1軒 )= 316,094円
3) 平成23年8月分までの修繕積立金
316,094円 × 15ヶ月( 22/6 ~ 23/8 )分 = 4,741,410円
4) 合計 24,403,915円 + 4,741,410円 = 29,145,325円
大規模修繕に必要な資金は概算で5千61万円ですから約2,146万円の不足となります。当初の予定通り不足資金の臨時徴収をしないため、パートナーの専門的なご意見とご指導をいただきながら修繕箇所の優先順位をつける作業を経て、ご意見をいただきながら業者選定案の作成を行います。
平成23年度の大規模修繕時に、資金不足で着工できない工事は次年度以降へ先送りせざるを得なくなります。必要な資金が用意できしだい先送り修繕工事を優先順に実施となりますが、次回の大規模修繕の資金計画も念頭に置かなければなりません。単純に修繕積立金の負担増で解決できるとは思われず、先送りされた修繕工事と大規模修繕に見合う資金の確保という難しい課題が待っています。
体が動くいまのうちに役員としての義務を果たし、来年に迫った大規模修繕をやり遂げると連続5年間の任期は満了し、今後のことは次期理事として選出された方々へお願いすることになります。次回の大規模修繕は体力的にもお手伝いがほぼ不可能と思われます。
建物調査診断報告会の欠席者と不在区分所有者へ「建物調査診断報告書」を添付しました。内容をご確認いただき、次期理事に選出されたときのために理解を深めて ください。
3-4 建物調査診断報告会
2010(平成22)年6月71日発行の理事会報第313号で「建物調査診断報告会の様子」をお知らせしました。
建物調査診断報告会への参加者は役員以外皆無という結果でした。他のマンションの大規模修繕でも、報告会や説明会に参加しない無関心者が多いのが悩みの種になっています。しかも、不参加者からそんなことは聞いていない、知らされていないという発言が多く、苦情に対応する協議時間の確保で工事が延びた例もあるそうです。
平成21年7月開催の第17期臨時総会で、「臨時徴収及び金融機関等からの借り入れは行わず、足場を組むなどの費用がかかる工事を優先し、先送りできる工事は次期理事会業務として引き継ぐ。」ことが承認されています。工事が伸びると、足場代だけでも1日8万3千円が無駄になります。先送りする工事量が増加すると引継ぎを受けた無関心者は投げ出す恐れもあります。このような事態を回避するため、大規模修繕のパートナーと理事会は協議し、次のような対策を考えました。
1) 案内文書はメールボックスへ
説明会や報告会等の案内文書は全住戸へ配付します。
2) 掲示板への貼付
全住戸へ配付する案内文書を掲示板に貼り出します。
3) 理事会報での周知
直前に理事会報で説明会や報告会の案内をします。
4) 資料類はメールボックスへ
説明会や報告会等の終了後、資料類を全住戸へ配付します。
5) 掲示板への貼付
全住戸へ周知すべき事項は掲示板に貼り出します。
6) 理事会報での周知
説明会や報告会等の概要を理事会報でお知らせします。
煩瑣で面倒でも6種類の周知方法を採ることにしました。この方法を採っても忙しいから、聞いていない、知らされていないと苦情がでれば、苦情を出した側に責任があります。忙しいと口にだせない役員の仕事量が、これまで以上に増えていることをお察しいただきたいものです。
周知活動には少々大型の掲示板が必要で、製品を購入して取り付けるとかなりの費用がかかります。技術がないので困っていると快く協力を申し出られた町内会の副会長さんの助力で、13日に東西棟の階段下壁面へ取付けました。
4 議事録の公開
2010(平成22)年7月4日発行の理事会報第315号で「大規模修繕工事打合わせ議事録の全文」をお知らせしました。
平成21年度から引き続き行われている大規模修繕工事の打合わせ内容は、パートナーが議事録に記録しています。この記録を基に第18期定期総会や建物調査診断報告会での説明が行われてきました。議事録を読むと、パートナーと理事会との話し合いでどのようなことが問題とされ、どのような解決方法を模索しているか、何度も検討しているうちによりよい方向へと変化していく様子が読み取れます。建物調査診断報告会などを欠席者された方々に、これまでの経緯をご理解いただくため議事録の全文を掲載します。
第1回打合せ
平成21年度第12回理事会、平成21年12月24日(水)午後7時~町内会館
1. 今後のスケジュールについて
1) 全体工程の説明
全体工程表にて準備段階から工事終了までの作業工程を説明。
2) 調査診断の参考資料配付と調査診断の流れ
ア. 建物調査診断工程表にて、調査診断業務の作業工程を説明。
イ. 調査診断スケジュール(案)にて、調査内容を説明。
ウ. 調査診断アンケート回収用紙の参考資料で居住者アンケートの内
容を説明。
2. 2009大規模修繕工事計画書の改修予定項目について
1) 貸与された資料で、大規模修繕の改修予定内容を確認。
2) 今後、予算も含まれた中で実施項目と修繕方法、改修内容を決定
する。
3. その他
1) 2009大規模修繕工事計画書を理事長へ返却。
2) 次回の開催日は、後日理事長よりパートナーへ連絡する。
第2回打合せ
平成21年度第13回理事会、平成22年1月22日(水)午後7時~町内会館
1. 今後の大規模修繕の進め方
1) 理事会タイムスケジュール予定
各月ごとに、理事会が実施していく内容について説明。
2) 使用する材料の種類や修繕の方法などの協議
4月の調査診断終了までに、各修繕項目で使用する材料の種類や修
繕の方法などを協議していく。
2. 修繕項目の改修方法
1) 仮設工事編
ア. 外部工事は足場を設置することにより効率的に修繕工事を行える
が、一部駐車が困難な場所があるため検討が必要。
イ. ゴンドラは揺れるので工事の精度が落ちる可能性があるため、
北・東・西面は足場を設置したい。
ウ. 足場を設置するさい、北面と東面は歩道と道路に足場が設置され
るため、道路所有官庁に占用申請をし使用料金を払うことになる。
エ. 足場を設置するさいに、飛来落下物を防止するために朝顔(落下
物受止め網)の設置も必要になる。
オ. 足場を設置するさいに、建物に近い部分の車は一時移動が必要に
なる。そのときは、代替駐車場を用意して車を一時移動してもらう
ことになる。
カ. 現場代理人は常駐となるため、事務所が必要になる。駐車場内で
の設置が厳しい場合は、近くのアパートなどを事務所にする場合が
ある。
キ. 現在空き駐車場スペースが5台あるため、仮設計画を立てて利用
方法を検討する。
ク. 外部足場が設置されると、防犯対策が必要になるため、設計の
中でさまざまな対策を盛り込む必要がある(足場下の金網、セン
サーライト、ウェブカメラ、窓ロックなど)。
ケ. 大型車両や重機を使用するさい、居住者の安全を確保するために
警備員を配置する。
コ. 全住戸の網戸は外すこととなるため、取り外しと取り付けは施
工業者にて実施する。
2) 足場の設置内容について
ア. 平成21年6月に安衛則が改正され、150~250円/平方m
程度の値上がりがあった。
イ. 墜落と転落を防止するために、水平材や幅木を取付ける仕様に
なっている。
ウ. 仮設資材の価格は自社材やリース材により単価が違う。
エ. 自社材を使用する業者の単価が安い。ただ、資材の安全性や美観
を考えるとリース材の方がよい。
オ. 外部に張るメッシュも、あまり古いものを使用すると美観が悪く
なるのと、内部からも見えにくくなるため、比較的新しいものを使
用させるようにする。
3) 屋上防水の件
防水改修のさいは砂利を撤去して断熱材を撤去する方向で考えてい
ますが、デメリットもあるため協議のうえ検討を重ねていくこととし
ます。
第3回打合せ
平成21年度第15回理事会、平成22年2月28日(水)午後6時~町内栄会館
1. 修繕項目の改修方法
1) 外壁塗装下地工事
塗装下地の修繕方法などをプロジェクターにて説明。
2) 塗装工事
ア. 塗装工事の内容をプロジェクターにて説明。
イ. バルコニー改修時は防水形(弾性)の主材を使用し、ウレタン塗
装を施工している。
ウ. 今回の修繕では、屋上階段部分と庇部分が複層仕上げとなってい
る。
エ. 一回の北側飾り柱部分は単層仕上げになっているため、一度剥離
しなければきれいに仕上がらない。今後、調査検討が必要。
3) 屋上防水工事
ア. 住戸屋上の防水は、外断熱の上に砂利保護層が施工されている。
イ. 次回の改修を考えると、砂利は撤去して外断熱露出防水とした方
がコスト面からは有利。
ウ. 但し、保護層がなくなるため、これまでよりシートの痛みが早く
若干のシート膨れも予想される。今後の検討が必要。
2. 調査診断アンケートの内容確認
1) アンケート内容の検討
ア. 3月25日に全住戸へ配付する。
イ. 「建物診断調査実施のお知らせ」文書の内容確認。
ウ. 北側洋室換気口からの水漏れがあるかどうか、項目を追加する。
2) 掲示物の内容確認
ア. 3月23日に掲示板へ貼付する。
イ. 「調査診断スケジュール」文書の内容確認。
第4回打合せ
平成21年度第16回理事会、平成22年3月28日(水)午後6時~町内会館
1. 修繕項目の改修方法
1) タイル工事とシーリング工事
ア. タイルの調査方法、修繕方法などをプロジェクターにて説明。
イ. シーリングの修繕方法、使用するシーリング材の種類などをプロ
ジェクターにて説明。
ウ. タイル面は、10年保障のでるシーリング材を使用する報告で進
める。
2) バルコニー防水工事
ア. すでに改修済みのバルコニーウレタン防水をプロジェクターで確
認。
イ. まだ、補修期間があるため、今回の調査で不具合があった場合は
前施工会社と協議する。
ウ. ウレタン表面に塗布されている保護塗装材は今回の修繕で再塗布
する方向で考える。
3) 内部階段工事
ア. コンクリート下地および塗装の修繕方法は、外部修繕方法と同
じ。
イ. 調査時にひび割れの度合いを見て、アクリルか可とう形にするか
判断する。
ウ. 塗装材は、現在のPタイルを剥がし、タイルカーペットに変え
る。
エ. パイプスペースのコンクリートブロックに補強が入っているか調
査する。
オ. 北側換気口からの漏水は、コンクリートに打ち込んでいる塩ビパ
イプの逆勾配によるものと考えられるため、改善策を検討する。
2. 建物調査診断について
1) 3月23日に掲示板に貼付完了の報告。
2) 3月25日に調査票の配付完了の報告。
3. 北側洋室の結露について
1) プラストサッシ引き違い戸部分のゴムパッキンの不具合。
2) プラストサッシ枠周りの硬質ウレタンフォームの不具合。
3) ゴムパッキンの調整で改善されない場合は、ウレタンの可能性が
高い。
第5回打合せ
平成21年度第18回理事会、平成22年4月25日(水)午後7時~町内栄会館
1. 修繕項目の改修方法
1) 雑工事
ア. オープン笠木は価格が高いので、現状のL型笠木の再利用で十分
対応可能と判断。
イ. 避雷針受けボルトの交換は、現在のボルト位置と買えて施工しな
ければならない。避雷針の位置変更は不可能なため、現状のボルト
の防錆処理をして、塗装したほうがよいと考えられる。
ウ. 屋上フェンスの基礎は、現在ポリマーセメント処理をしている
が、一部に亀裂や浮きがあるためウレタン塗膜防水にする。
エ. 一階北側の換気フードは変形しているため交換する。現状と同型
の場合は同様の変形が起こる可能性があるため、外壁からの飛び出
しがない平面型の換気フードを使用する。
オ. 西側外壁の害壁面を汚している換気フードは形状を修正する。
カ. エントランス部分の郵便受け交換は、下地が軽量鉄骨を使用して
いるため可能。
キ. R階屋上に出るスチールドア下枠は、屋上床面からの空きが少な
いため、冬季ドア前に雪が積もると開けられない。また、扉の下側
は変形しているため、カギが掛けにくい。改修のためには、全撤去
のうえ扉の高さを縮める必要がある。
ク. トランクルームの扉が枠とすれているため、枠に傷が付く。丁番
部分での改良が必要。
ケ. エントランス入り口のサッシを自動ドア化するさい、横開口寸法
が決まっているため、一枚扉引き戸形式の自動扉使用は不可能。二
重扉式か折れ戸式の自動ドアが使用可能か検討する。
2) 外溝工事
ア. 駐車場アスファルト下の不陸による水溜りを解消するためには、
排水枡やグレーチングなども含めた改修が必要。アスファルト下の
砂利だけでなく、砂利下の火山灰の状態も確認する必要がある。
イ. 駐車場排水側溝は、現在水下側に排水ルートがないため、排水処
理方法を検討する必要がある。また、バルコニーの配水管の繋ぎも
検討する必要がある。
ウ. 駐車場外灯の灯具で、隣接住宅側塗装が劣化しているため、耐熱
塗料の塗布が必要。
エ. 外灯ポールの根元部分のサビは、一部アスファルトを撤去して処
理する必要がある。
オ. 道路境界周りに設置されている縁石は、掛けている部分がある。
補修は可能であるが、補修部分が取れやすいため取替えることが最
善。縁石を取替える時期は、駐車場のアスファルト改修時に一緒に
施工する方が経済的。
カ. 館名板の清掃は可能。スロープを設置するさいは、移動が必要と
なる。
キ. 階段床のビニールタイルをタイルカーペットに変更するさい、ノ
ンスリップの高さにより変更が必要になる可能性がある。
ク. エントランス部分をスロープ化する場合は、バリアフリー対応で
勾配は1/15以下にしたい。スロープの全長が長くなるため、設置
スペースが必要になる。また、スロープ部分には手摺が必要にな
る。
ケ. カラーモニターインターホンは、住居数が少ないと単価がアッ
プとなる(120,000円程度)。配線が使用できない場合は、配線
部分の金額もかかる。
コ. 防犯カメラはリースもある。
サ. 各住戸前廊下の死角解消は、カーブミラーなどを利用する。簡易
的なものが金額は安くなる。
2.調査診断アンケート集計表
1) 6軒に依頼したが1軒は無回答。このため他の1軒を追加した後
無回答の1軒から回答があった。
2) 4月21日から7軒のバルコニーを調査診断した。
3. 調査の結果について
1) タイルの浮きに格差があるため、外壁部分のブランコ調査を実施
する。
2) 更に、102号と603号バルコニーで調査診断を追加実施する。
第6回打合
平成22年度第1回理事会、平成22年5月30日(日)午後7時~町内会館
1. 調査診断報告書の提出
1) 調査診断報告書を理事会へ提出。
2) 調査診断報告会は、6月6日18時から町内会館で開催する。
3) 調査診断報告会終了後は、管理規約及び使用細則類の改正概要説
明会を開催する。
2. 調査診断報告書の提出
1) 調査診断報告会の資料提出
ア. 調査診断報告会レジメにより劣化状況の説明。
イ. 総合評価としては3点代であるが、バルコニー面が改修済みのため
全体的に数値が高くなっている。
ウ. バルコニー以外は1点となっているため、既に修繕時期になってい
る。
エ. 屋上防水は砂利敷き部平面が目視できないため評価対象となってい
ないが、L型金物下の防水層から水の浸入する可能性がある。
オ. 露出アスファルトの平面は浮きが発生しており水勾配が悪いため、
水溜りが各所に発生している。
カ. 排水目皿は全体的にサビが発生している。
キ. シーリングはバルコニー以外劣化が進んでおり、打ち替え時期に
なっている。一部に表面の切れが発生していた。
ク. タイルはバルコニー面以外の浮き・ひび割れ数量は通常の劣化範囲
であるが、バルコニー面は場所により相当の浮きが発生している。
ケ. 一部張り替えているタイルもあるが、色違いのため美観を損なって
いる。
コ. バルコニーの床ウレタン防水は、改修後であるためほぼ健全状態だ
が、一部にウレタン樹脂の剥がれが見られた。
サ. バルコニー天井の塗装も改修済みであるが、汚れの付着が多かっ
た。
シ. バルコニー先端部の塗装面に細かいひび割れが発生している。放置
すると広がっていく可能性が高いため、部分補修が適切と思われる。
ス. バルコニー隔て板の割れている箇所があった。全体の取替えも検討する必要がある。
セ. バルコニーのアルミ手摺支柱のグラウト注入は改修済みであるが、
一部に排水レベルまで達していない箇所もあるため、前施工会社に修
繕時調査を依頼して修繕を求める必要がある。
ソ. アルミサッシを留めているゴムの表面が劣化している。
タ. 内部階段は、壁・床ともひび割れが発生し、開口部周りには漏水し
ている箇所もある。
チ. 駐車場のアスファルト舗装は表面劣化が著しい、排水側溝の勾配も
悪く、全体的なレベル改善と縁石取替え、アスファルト下の砂利補修
が必要。
ツ. ピット内部は比較的きれいであるが、断熱材にコンクリートのノロ
が付着しているため、ヒートブリッジと呼ばれる冷気がコンクリート
に伝わる現象が発生している可能性もある。電気の線が1本あり、工
事仮設用として使用されていたものであれば撤去したほうがよい。
テ. ピット内配管の支持金物にサビが発生している。
5 工事日程を変更
2010(平成22)年8月7日発行の理事会報第319号で「大規模修繕工事の日程を変更」をお知らせしました。
第3回理事会で、パートナーより今一度修繕項目と仕様の確認作業を行い最終工事予算と長期修繕計画(案)の再検討を行うため、「大規模修繕工事タイムスケジュール」の見直しが提案されました。理事会としても現実に近い工事金額を調査いただくようお願いしました。漏れている区分所有者と住人への情報提供は管理組合が行います。
日程 | 業務 | 内容 |
---|---|---|
22.7.25 | 実施設計 | 修繕工事項目の協議、決定 |
業者選定 | 業者選定方法の協議、決定。業者募集の基準協議、決定 | |
22.8.29 | 実施設計 | 修繕設計図の確認 ・修繕項目、仕様の確認 ・最終工事予算の確認 ・長期修繕計画(案)の確認 |
22.9.26 | 業者選定 | 図説配布資料の確認 ・図説案内文の確認 |
22.10.3 | 臨時総会 | 承認事項「大規模修繕工事の改修内容 工事予算額業者選定の方法(推薦方式)(長期修繕計画) |
22.10.4~22.10.8 | 推薦業者募集期間 → 住民推薦、理事会推薦 | |
22.10.12 | 推薦業者への図説案内連絡 | 案内配布と同時に電話連絡 |
22.10.15 | 業者選定 | 図面説明会 |
22.10.20 | 業者選定 | 質疑締切り |
22.10.26 | 業者選定 | 見積り締切り |
22.10.31 | 業者選定 | 施工業者選定(見積り金額、提案などの比較検討)・ヒアリング業者の選定 |
22.11.4 | 業者選定 | ヒアリング参加の案内発送(メール) |
22.11.14頃 | 業者選定 | ヒアリングの実施 ・施工業者最終内定 ・タイル見本焼きの発注 |
22.11.28 | 業者選定 | 最終ネゴシエーション |
22.12月中旬 | 臨時総会 | 施工業者の決定、工事金額の決定 |
22.1月中旬 | 施工業者契約 | |
22.3月中旬 | 工事住民説明会の実施 | |
22.4月上旬 | 工事着手 |
6 費用不足への対応検討
2010(平成22)年8月20日発行の理事会報第320号で「不回避工事を優先 改良工事はどこまで」をお知らせしました。
8月14日配付の第18期臨時総会議案でお知らせしましたが、望ましいとする「32,869,419円」を大規模修繕に投入できれば、第二次概算金額の不足は何とかなりそうな雰囲気もあります。なぜなら、入札で一割程度の値引きは当然と考えられるからです。望ましいと思われる投入資金額の提案は10月の臨時総会でご審議いただきます。
8月29日の臨時総会では、平成22年度末までに蓄積した修繕積立金「29,872,761円」に、平成23年4月~10月分迄の前受け修繕積立金2,212,658円と、平成23年4月~10月分迄の駐車場使用料前受け金「784,000円」を加算した「32,869,419円」の投入が可能かどうかについてご意見をいただきます。難しいとの感触を受ければ、更に延期すべき工事項目を選定する作業にかかります。
理事会は、パートナーの相馬一級建築士と足場の必要な工事や劣化状態からの優先度、他の工事箇所との関連などを検討しながら、実施する工事と延期せざるを得ない大まか工事内容をつぎのように考えています。
1. 直接仮設工事
1) 第一次検討
管理事務所を設置するので南側の斜め駐車位置は使用できなくなる。南面に足場を掛けると駐車場への出入りは難しくなるため、バルコニー側はゴンドラ使用の仮設計画とする。ゴンドラはメーカーを指定して価格を下げる手法も可能である。その他の項目は内訳どおりとする。
2) 第二次検討
ゴンドラをメーカー指定することで213千円節約できる可能性がある。斜め駐車場を使用している車は工事期間中のみ空き駐車位置へ移動してもらい、駐車位置を調整して利用者のご協力を得ることで南面も足場にできると近隣駐車場の借り上げは不要となり、かつ作業効率も上がる。
2. タイル修繕工事
1) 第一次検討
すべての項目を実施する。★印マークは実数精算方式として概算数量で契約し、工事が始まって実際の施工数量で増減する。
2) 第二次検討
45二丁掛けタイル(平)は95×45cmの長方形で10,670枚、45二丁掛けタイル(コーナー)は、縦長のL字型で1,265枚、45二丁掛けタイル(マグサ)は横長のL字型で330枚程度、予備を含めて用意する。
3. 塗装下地修繕工事
1) 第一次検討
調査時にバルコニー先端部分に細いひび割れが発生していたため、将来的なことを考えてひび割れを補修する方向で進める。
2) 第二次検討
最小限の補修とする。
4. 塗装工事
1) 第一次検討
バルコニーの天井塗装、ドレンパイプと排水目皿は修繕項目から外す。壁と天井の洗浄は残し、洗浄して不具合があった場合は対応する。
2) 第二次検討
バルコニーの天井に一部美観を損なう部分があり、高圧洗浄で吹き飛んだ場合は全体の塗装が必要になることも考えられる。
5. シーリング工事
1) 第一次検討
一階の手摺についているガラスシーリングの打ち替えは修繕項目から外す。
2) 第二次検討
一階の手摺、傷ついているガラス内部の網が腐食し始めているので爆裂の恐れがある。22年度中に一般会計の修繕費で取替える。
6. バルコニー防水工事
1) 第一次検討
床のウレタン表面劣化部分は前回工事をした保障期間中であることから、施工店に確認してもらうことが必要となる。ウレタン塗膜防水保護塗装は残す。但し、工事中の養生状況で塗りが必要ない場合は減額とする。
2) 第二次検討
ウレタン塗膜防水保護塗装は、工事中の養生状況で塗りが必要ない場合は減額とする。
7. 屋上防水工事
1) 第一次検討
屋上防水シートは今回の予算で高いシートを計上している。シートの材質を下げると金額も下がる。防水保障はどちらを使用しても10年間の保障が付くので、最終的なトータル金額を見て再検討する。手摺支柱のグラウト注入は実施する。
2) 第二次検討
屋上防水シートのランクを落としても防水保障が変わらない理由は不明だが、現在の防水シートは100年保障で19年目を迎えている。シルバーコート塗装を5年ごとに実施していれば、20年以上の耐久性があると思われる。ランクを落とした防水シートは5年ごとシルバーコート塗装を実施することが不可欠となるだろう。
8. 雑工事
1) 第一次検討
換気フードの取替えとボイラー排気塔の水切りは修繕項目から外す。バルコニー隔て板はひび割れが入っているもののみを交換し、避難シールは破れているものを取替え、避難ハッチの取扱説明書は修繕項目から外す。タイル面についている板はタイル張替え時に外して再利用する。アルミサッシのガラスビート取替えは、シーリング施工の方向で検討する。メールボックスの取替え・エントランスの自動ドア・インターホン取替え・防犯カメラ設置・雪庇金物の設置は修繕項目から外す。
2) 第二次検討
アルミサッシ水切り修理をシーリング施工にすると127,500円節約できる可能性がありその方向で考える。
9. 内部階段工事
1) 第一次検討
一階エレベータホールの床タイルは張り替えない。各階廊下はタイルカーペットに張り替えるが、階段床をどうするか。ノンスリップは階段始まりのみにする。内部階段の塗装は微弾性+アクリル仕様とする。パイプシャフトと地下ピットの扉は塗装するが、各階廊下の天井は塗装しない。防犯ミラーは設置しない。階段室の手摺取替えを蓄光型より普通型にすると287,500円節約できる可能性がある。
2) 第二次検討
階段手摺は蓄光タイプを断念する。ノンスリップは階段の始まりと階段の終わりのみとする。管理会社のPタイル張替えを承認すると、EVホールと廊下床張替え(Pタイルを撤去しタイルカーペット敷き)は不要となるが、毎年特別清掃が必要になる。管理会社へPタイル張替え費用の8割を現金払いが可能か打診しているので結果を見て考えたい。合わせて、床のひび割れ補修時期をどうするか一考を要する。
10. その他共用部工事
1) 第一次検討
自転車置き場の壁・天井は塗装しない。整理整頓できるよう自転車ラックを導入したい。受水槽室は利用されていないが壁の補修は必要である。
2) 第二次検討
自転車置き場の自転車ラックはダイケンのCS-H型を予定する。受水槽室の壁補修はサビ処理のみとする。
11. 外溝工事
1) 第一次検討
縁石の取替えは実施し、排水溝の勾配は修正する。駐車場の舗装はオーバーレイとし、白線と駐車番号を新設。照明塔の塗装は実施する。東西棟玄関前のスロープ新設は実施するが、西棟側は止水栓の移設で水道局と協議が必要。北側のモニュメント塗装は汚れの付きにくい材料を使用する。館銘盤コンクリートはスロープ設置のため撤去する。北西側花壇の位置にごみステーションを新設してマンション専用とした場合は、その周囲にごみを置き去りにされる恐れがあり、常時清掃が必要になるため専用のごみステーションは設置しない。
2) 第二次検討
費用的に駐車場のオーバーレイと東西棟玄関前のスロープ新設は難しく、玄関は今までどおりのインターロッキングで館銘盤移設も中止せざるを得ないと思われる。排水溝の勾配を修正することしかできないかもしれない。
12. 共通仮設工事
1) 第一次検討
仮設物置は受水槽室を利用する。仮囲い費は事務所など、工事範囲と区画する費用として計上する。舗装のオーバーレイを実施する場合は仮設通路費が必要ないため削除する。網戸は個人が取付けたものであるため、取り外し費用と取付け費用などをどうすべきか。
2) 第二次検討
駐車場利用者の協力をいただき、代替駐車場費のうち住民用は削除する。網戸の保管場所は受水槽室とし、網戸を取り付けていない住戸もあることから、取り外し取り付け費用の管理組合負担は一考を要する。
「 大規模修繕への道(5-2) 」← (5-3) →「 大規模修繕への道(5-4) 」