はげちゃんの世界

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第3章 札幌の大地震に備える

2009 (平成21)年5月24日、メディアMIX札幌ホールで開催された町連役員対象の札幌市地震防災シンポジューム「第三次地震被害想定」で、説明を受けた「札幌の大地震に備える」の要約です。

1 伏在断層の想定

災害対策にあたっては、想定される最悪の事態に備えておくことが重要です。「第三次地震被害想定、今後の地震対策を進める前提とするべく、最新の調査や過去の大震災の経験をもとに、札幌で発生する可能性があり、最大級の被害をもたらす地震を設置して想定される最悪の被害を示したものです

赤丸防災カバン 赤丸防災カバン

東日本大震災を経験された防災士と消防士が協力監修された、あかまる防災カバンには他の非常持ち出し袋などにはない防災携帯用除水器や簡易トイレなど、いざという時に必要になる用品が揃っているので、区分所有者へ備えるよう推薦しましょう。
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1-1 発見されている断層等

1-1-1 海溝(プレート)型地震

苫小牧沖にあるプレート内のやや深い場所でプレート境界やその内部で発生する地震。想定マグニチュードは7.5と思われます。

1-1-2 内陸(活断層)型地震

石狩低地東縁活断層(主部)は、札幌市周辺で特定された活断層です。地殻の浅部で発生する地震で、想定マグニチュードは8.0と思われます。

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1-2 想定する地震の考え方

札幌市を形成する区域には、石狩低地東縁活断層帯のような活断層は発見されていません。ただし、石狩川が長い時間をかけて上流から運んできた堆積物で埋め立てられてできたのが石狩平野ですから、堆積物の下はどうなっているのか誰にもわかりません。活断層はないと断言できないのです

2004(平成16)年10月23日に発生した直下型の新潟県中越地震は、震源の深さが13kmでマグニチュードは6.8でした。明らかな断層がないので従来から知られていた活断層の活動ではなく、厚い堆積層の下にある未知の断層の活動による地震と考えられています。

このような事実から、札幌市における今後の地震防災対策を進めるため、最新の調査で得られた3つの手掛かりをもとに札幌市直下を震源とする地震を引き起こす「伏在活断層」が設定されました

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1-2-1 液状化の跡

札幌市を形成する区域に液状化をもたらす強い揺れが、遺跡調査で過去数千年間に4回発生したことがわかりました。1回目は紀元前約290年以前、2回目は西暦220年から650年の間、3回目は西暦747年から1739年の間、4回目は西暦1739年です。

液状化の跡が見られたのは「平成20年度札幌市防災会議の第3次地震被害想定について(想定結果)」に掲載されている右の地図で、緑の三角印がついているところです。

液状化の痕跡が発見されたのは、石狩市と北区と東区の遺跡、札幌競馬場から北海道神宮までの遺跡、江別市の遺跡発掘現場です。

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1-2-2 地下のしわ(しゅう曲)

石狩平野北部の地下構造調査で、札幌市を形成する区域の地震基盤までの詳細な地下構造が明らかになりました。地震基盤の最深部は5千mを超える厚い堆積層が分布し、地下の深く硬い岩盤に地層のしわ(褶曲構造)ができていました。厚い堆積層は発生した地震の揺れを増幅することが分かり、地震動を予測する際に用いる地盤構造モデルの精度が向上しました。

私たちが住む大地は、プレートの動きにつれて年に数センチずつ動いています。遠いむかしプレートの上にある二つの島が移動して衝突し、北海道というひとつの島になりました。中央部に北から南へ伸びている日高山脈が衝突の事故現場と推定されています。

東側からのものすごい力で押し上げられて日高山脈ができたころ、石狩平野ができるまえの地下の硬い岩盤にも強い力が加わり地層のしわ(褶曲構造)が生まれました。右上の地図で「赤い線の部分がしわの頂上部分(背斜)」で、青い線の部分がしわの底(向斜)になり、これを地下の褶曲(しゅうきょく)といいます。

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1-2-3 直下で発生している地震(特に微小地震活動)

札幌市は、手稲前田・中沼町・里塚の三ヶ所に深地震観測井を掘りました。地下500m地点に設置した高感度地震計で、地下2万メートルまでの間で発生した体に感じない微小地震を観測しています。これにより、微小地震活動の検知能力と震源を決定する精度が向上し、地震発生層を推定できるようになりました

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1-3 想定された伏在断層

液状化の痕跡から過去の強い揺れの回数と周期、地下構造調査で地震の揺れを増幅する厚い堆積層の存在と地下の深く硬い岩盤にある地層のしわ(褶曲構造)、高感度地震計で微小地震活動の震源や地震発生層が分かるようになりました

得られたデータを基に、市街地の平坦部を100メッシュ(山地は250メッシュ)に区分した地盤構造モデルを作成し、各メッシュごとにきめ細かい評価が行われました。地震動を詳細に予測する標準的な手法とされるハイブリッド合成法を用い、メッシュごとの震度や液状化の予測計算は、2003年に発生した十勝沖地震の札幌市内での観測結果で妥当性を確認したそうです。

この結果、札幌市を形成する区域の揺れが最大となる月寒断層が震源の地震は、第二次地震被害想定に比べて最大深度が大きくなり、震度6強以上となる地域が3.4倍に増加しました。

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○ 内陸型伏在断層

平成20年9月18日にまとめられた平成20年度札幌市防災会議「第三次地震被害想定(想定結果)」より転載した地図で、赤い線がしわの頂上部分(背斜)で、青い線がしわの底(向斜)になります。

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1-4 想定される地震

苫小牧沖(プレート内のやや深い場所)で起きる地震は海溝(プレート)型地震で、石狩低地東縁活断層で起きる地震は内陸(活断層)型地震です。第三次地震被害想定で想定された野幌丘陵断層帯・月寒断層・西札幌断層は伏在断層型地震と呼びます

              マグニチュード 最大震度 震度6以上発生面積
苫小牧沖(プレート内のやや深)    7.5    6弱      0平方km
石狩低地東縁活断層         8.0    6弱      0平方km
野幌丘陵断層帯           7.5    7       44平方km
月寒断層              7.3    7      169平方km
西札幌断層             6.7    7      122平方km

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2 地震の被害想定

第三次地震被害想定では、被害想定の前提となる条件「人口・建物の建築年代など」を更新し、直接被害(人的や物的)に市民生活への影響が加えられました。さらに、積雪時や寒冷の影響をより具体的に評価しています

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2-1 月寒断層の地震被害

2-1-1 地震発生

・ 自然現象
   揺れ    震度6強以上の揺れは     169平方km
   液状化   発生の可能性が高いのは     93平方km
   土砂災害  急傾斜地崩壊の危険度Aランクは  192ヶ所

・ 物的被害(冬季18時)
   建物被害     全壊棟数 33,611棟
   出火・延焼    焼失棟数  1,405棟
   ライフライン被害
   交通被害

・ 人的被害
   死者(5時)     2,050人
   凍死考察    8,234人(2時間で凍死)・ 2,637人(24時間で凍死)
   倒壊建物に閉じ込められる人   7,729人(5時)
   帰宅困難者          83,142人

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2-2-2 市民生活への影響

・ ライフライン機能支障(積雪期)
   水道断水率    地震直後 67.3%  1週間後 26.1%
   電力停電率    地震直後 17.8%  1週間後   0%

・ 飲食機能支障(冬季18時)
   給水需要     当日 3,700立方m  1週間後 9,700立方m

・ 医療機能支障
   入院対応需要   7,500人~8,000人

・ 住機能支障
   避難生活者(最大値)  110,666人(冬季・当日)  135,928人(夏季・1日後)
   応急仮設住宅需要    15,000人(冬季)      13,000人(夏季)

・ がれき・ごみ
   がれき発生量     9,080,000立方m
   粗大ごみ増加量    年間 4万トン増加

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2-2 阪神淡路大震災との比較

           第三次被害想定       阪神淡路大震災

建物全半壊      (冬季) 112,460棟        249,180棟

死者        建物被害による死者         6,434人
            (夏季5時) 1,789人
            (冬季5時) 2,050人
     倒壊建物に閉じ込められた人が2時間で凍死するとした設定
            (午後5時) 8,234人

負傷者       (冬季5時) 33,810人        43,792人

火災         (冬季18時) 310件          293件

避難所避難者      (夏) 136,000人        316,678人

帰宅困難者       (冬季) 83,000人    連休開け早朝発生で参考外

応急仮設住宅      (冬季) 15,000戸        48,300戸

がれきの発生   (冬季) 7080,000立方m    21,100,000立方m

                    注意:数字の出典は省略した。

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3 被害想定を踏まえた対策

第三次地震被害想定では、第二次地震被害で想定していなかった最大深度7の地域が指定され、震度8強以上の区域が大幅に増えました。揺れが拡大することで建物被害が大幅に増え、建物倒壊による死傷者が増加すると考えられます。

冬季は建物や家具の下敷きになって凍死する人が考えられ、人的被害が増大すると推定されています。また、降雪や積雪が作業効率を著しく低下させ、救助対応や復旧の遅れが想定されていました。

札幌市をはじめとする防災関係機関は、平成20年~22年にかけて第三次地震被害想定に基づいて「札幌市地域防災計画」の見直しを行います。

区役所やまちづくりセンターなどで「第三次地震補外想定」と「地震防災マップ」を入手し、家庭や職場そして居住地域などの環境条件に合致した対策を考え、これまでの「地震への備え」を見直して、最低3日間は生き延びる準備を始めましょう

災害が発生したとき、救急車も消防車も警察も自衛隊も、あなただけを助けにくることは不可能です。一刻を争う事態が発生したときは、誰もが自分と家族を救うことに専念します。自力で脱出して家族を救えるよう準備(自助)が必要です。自分と家族が安全であればご近所の救助(共助)へ向かいましょう。

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4 地震想定一覧


参考資料:液状化の跡と地下のしわ(しゅう曲)の地図、内陸型伏在断層の地図、地震想定一覧表は、平成20年9月18日にまとめられた平成20年度札幌市防災会議「第三次地震被害想定(想定結果)」より転載しました。ありがとうございます。

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