はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第26章 南面の大規模改修
           (3-3)

ゴンドラを導入したバルコニーの改修中に、排水溝と排水用ドレンの不具合が発見されて青くなりました。問題のフェンス支柱は13ヶ所の基礎を補修してすべてに水抜き穴をあけました。コンサルタントと施工会社のご高配に感謝しています。

22 ご近所へのご挨拶

2002(平成15)年9月8日発行の理事会報第148号で「騒音と粉塵でご迷惑の及ぶ範囲にご挨拶」したことをお知らせしました。

町内会長さんに町内のしきたりを伺いますと、建物と建物が面している範囲への挨拶でよろしいとのことでした。建装工業株式会社札幌営業所の現場責任者と打ち合わせをして、マンション管理組合からの「粗品」と施工会社から「工事期間と現場責任者などの電話番号一覧」を持参し、工事説明会の7日朝ご挨拶にうかがいました。

右の写真が管理組合からの粗品です。イトウヨウカドウで定価1,500円の正札がついたれっきとしたフェースタオルセット。お中元シーズンが終わり、50%引きになったので飛びつきました。贈る方も贈られる方も、双方ともに750円の儲けになる計算。

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23 工事の着工

23-1 着工まで

2002(平成15)年9月8日発行の理事会報第148号で「施工会社の工事説明会で追加注意と工事の範囲と注意」をお知らせしました。

2002(平成15)年9月7日午前10時10分より町内会館で、建装工業株式会社札幌営業所の工事関係者をお招きして「工事説明会」を開催しました。区分所有者10名(前夜お仕事の都合で欠席通知のあった方は1名)と賃貸契約者3名が参加され、配付済みの工事説明書に基づき、常駐される現場責任者より説明がありました。工事説明書に掲載されていない事項についてお知らせします。

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・ 工事説明会での口頭説明事項

ア. 鉄部塗装はバルコニーの物干し金物、縦とい、トランクルーム扉二ヶ
 所、自転車置場の扉、屋上出入口とエレベータ機械室扉二箇所、そし
 て、東西棟外玄関上のボンデ鋼板です。

イ. バルコニーはタイルの状態を打診してから下段の縦貼りタイルを一列
 切り取って上部に目地を作り、ブライマーによる下地処理、メッシュ張
 り、トップバリュー張りなど五層に塗り重ねる防水工事。フェンス支柱
 の水抜き処置と爆裂部の補修です。バルコニーにある私物(含、物干し
 竿、漬物石、鉢等)は、9日(火)までにすべて室内へ移動してくださ
 い。網戸を取り付けている方は外して室内で保存してください。(花鉢
 などは、ホーマックや東急アルテなどで販売している植物用殺虫剤のご
 利用をお薦めします。)

ウ. バルコニーでの作業効率をあげるため、また緊急時に壊れやすい作り
 のため、隔て板は取り除いて自転車置場の奥に一時保管します。夜間は
 防炎シートを張ってバルコニーの通行を遮断します。

エ. バルコニーからの不審者進入防止用機材「ロックマン」を窓と出入口
 に取り付け、(レース)カーテンで室内が見えないようにご配慮くださ
 い。

オ. KS工業の工事関係者はオレンジ色のベストを着用します。マンショ
 ン内部にベストを着用しない作業員風の者がいても、本工事の関係者で
 はありませんのでご注意ください。

カ. バルコニーの爆裂部やタイル切り取り作業でカッターを使用します。
 騒音と粉塵が出ますので、実施時期にお知らせしますので窓や出入口は
 密閉してください。

キ. バルコニーには水を流したり捨てたりしないでください。防水工事
 が不可能となりますので工事が長引けば賠償問題にまで発展する恐れが
 あります。絶対に水を流さないようご協力をお願いします。

ク. バルコニーで洗濯物は干せないと思ってください。風呂場で換気扇
 を回して乾燥させてください。

ケ. 工事中に落下物で被災しないように、立ち入り禁止の部分には入らな
 いでください。

コ. 塗装工事は終了後乾燥に6時間かかります。近寄らないでください。

サ. 工事の進行状態や注意事項は、新たに掲示板を一階に設置して掲示し
 ますので、かならずご確認ください。

シ. 掲示物や理事会報を見る暇がなかったとか、知らなかったという言い
 訳は認めません。みんなで発注したみんなのための工事を、わがままで
 遅れさせた場合は工事遅延に伴う賠償金を負担いただきます。

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23-2 ゴンドラの設置

2002(平成15)年9月15日発行の理事会報第149号で「ゴンドラの最大積載量は350kg」をお知らせしました。

9月11日(木)9時00分、屋上へゴンドラを吊り上げる資材の運搬が始まりました。ワイヤーの束を持ってみましたが相当な重量です。これを二束肩にかけてロープをもった屈強な若者と、機材を持った工事責任者が何度も屋上まで往復していました。

資材の運搬がすむと二人は位置を決めて南側パラペット手前のカチトールで固めた砂利を削り取りはじめました。パラペットが低すぎてゴンドラを吊り下げる機材が固定できないようです。

パラペットに取りつけられた機材を下から見ると、ゴンドラが建物に接触しないように前へ飛び出しています。メーカーの技術者のお話では、ゴンドラの最大積載量350kgで安全性はその10倍を取っているそうです。ただし、床は厚手のコンパネのため、抜けるかもしれないので注意が必要と笑っていました。

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23-3 総額100万円でご無理を

2002(平成15)年9月18日発行の理事会報第150号で「総額100万円でご無理を」をお知らせしました。

平成14年10月25日に見積書をいただき、12月の臨時総会でシルバー建築診断グループに属する寺地信義一級建築士(以下、「寺地さん」という。)とのコンサルタント契約が承認されました。このときの見積もりは、長期修繕計画策定コンサルタント業務が25万円、改修設計コンサルタント業務が70万円、工事監理コンサルタント業務が55万円で、合計150万円という内容でした。

平成15年4月に寺地さんが一級建築士事務所を設立したので、定期総会で改めてコンサルタント契約の承認をいただきました。さらに、簡易建物診断の結果、改修設計コンサルタント業務は責任施工方式の改修コンサルタント業務のほうが内容的にも費用の面でも適当と考えられ、平成15年8月の臨時総会で承認いただきました。

施工会社が決まって工事が始まりましたので、工事監理コンサルタント業務費の見積書をいただき15日の理事会で内容を検討したうえで承認しました。

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工事監理コンサルタント業務

1) 工事請負契約書・契約時書類チェック(内勤)  2時間 0.25日
2) 工事説明会立会(9/10) 2時間 0.25日
3) 工事施工要領書・施工図チェック(内勤)  6時間 0.75日
4) 現場チェック・打ち合わせ  4時間×8回 4.00日
 ア. 着工前打ち合わせ
 イ. マーキンング完了時(9/16)
 ウ. ベランダ巾木目地形成(9/20頃)
 エ. 手摺基部形成・注入(9/25頃)
 オ. ベランダ塗装下地確認(9/30頃)
 カ. ベランダ床防水1(10/3頃)
 キ. ベランダ床防水2(10/7頃)
 ク. 妻面打診調査指示(10/10頃)
5) 竣工検査立会い(10/10頃)   4時間  0.50日
6) 理事会対応・文書チェッック(メールを含む) 12時間 1.50日
7) 工事竣工書類チェック(内勤)   6時間  0.75日
8) 工事報告会    2時  0.25日
 ◆ 直接人件費   ア. 8.25日×51,600円= 425,700円のところ
    業務費(略算式)イ.×2.5×37.5%= 399,094円
 ◆ 交通費実費
    西11丁目→白石 往復480円×10回  4,800円
     以上合計 403,894円(端数切捨て)
 ◆ 10月15日に20万円、残金は工事竣工後20日以内に支払い。
     口座送金料は管理組合負担。

実費精算費用と振込手数料を含めても百万円以内で納まる予定です。小規模マンションのため、いろいろとご配慮いただきながら進めていますので業務内容を考えると恐縮しています。

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23-4 他マンション修繕委員視察

2002(平成15)年9月18日発行の理事会報第150号で「工事現場を他のマンション修繕委員が視察」をお知らせしました。

9月16日午後、要修繕箇所マーキング(しるしつけ)業務のチェックにコンサルタントの寺地さんが見えました。ときを同じくして、ロマンス月寒の修繕委員さんと美しが丘の大規模修繕委員長さんが工事現場の視察に見えられました。寺地さんより工事の概要と規模をご説明いただき、屋上へご案内してゴンドラ吊り下げの設備をご覧いただきました。ゴンドラを固定する方法の簡易さと、屋上北側に取り付けられている丸環の用途が緊急事態の命綱と知って驚かれていました。

ロマンス月寒は来年春に大規模修繕を予定し、美しが丘は長期修繕計画に基づく修繕積立金の値上げと団地型大規模修繕委員会の発足でご苦労されています。マンション管理上の経験に共通性があることから、駐車場で一時間近く情報を交換しました。

四十代前半のお二人ですが、休日に開かれるマンション管理セミナーの常連で、マンションの工事現場を視察してご自分のマンションに役立つ情報を集められています。10月に入ってウレタン防水が始まる頃、再び視察に来られるとのことでした。

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24 バルコーニー床と排水溝

24-1 バルコーニーの壁

施工業者が第二次見積もりの際に行ったVE提案は、縦長タイルの一列を剥がしてその部分までウレタン防水を立ち上げる工法でした。縦長タイルとバルコニーの床が接する部分のシーリング劣化により、階下タイルの裏側へ水がしみ込んでタイルの浮きをつくったと思われます。縦長タイルまで防水ウレタンを立ち上げることで、水の浸み込みを不可能にし、これ以上のタイルの浮きを防止するという考えです。今回の見積もりに参加してくださったのは三社でしたが、このようなVE提案は建装工業株式会社札幌営業所のみでした。

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24-2 バルコーニーの床

ベランダ床の浮きに対しては穴を置けてエバーボンドEP300を注入し、ひび割れ部分にはエバーボンドを塗り込みました。右下の写真はルーフドレンの亀裂をボンドで修理したところです。

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24-3 バルコーニーの排水溝

完全に乾燥した状態で打診検査をすると、排水溝の床部分でボコボコという音が聞こえます。原因を調べるために排水溝をコンクリートの表面が出るまで掘ってみました。すると、2.5cmと2cmの二段になっているモルタル層(右下端写真)が現れました。

左下の写真のように浅かった排水溝は、その下の右端写真のように深くなりました。このようになった原因はなにか、いまとなっては知るよしもないナゾとしか云えません。このままウレタン防水をしても効果は半減するので、すべての排水溝を根本から修復せざるを得ないとの提案を受けました。検討のための理事会を27日夜に開催します。

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24-4 排水溝の補修

2002(平成15)年10月1日発行の理事会報第153号で「モルタルを撤去して成形開始」をお知らせしました。

臨時総会でコンサルタントの寺地さんから説明ありましたように、特記仕様書による見積もりは簡易建物診断を行った四軒のデータに基づいているため、南面の改修工事は不良箇所の調査をしながら施工し、不具合が発見された場合は現場管理者・コンサルタント・理事長が協議のうえ理事会の承認を得て、改修工事の一環として修理するという条件でお願いしています。

バルコニーの排水溝はその典型的なもので、剥がしてみるまでモルタルが2~3層になっていることは分かりませんでした。バルコニー排水溝内から剥がした状態のモルタルを、そのまま駐車場へ下ろしてもらいました。手前に写っているのは、LARKというタバコの箱です。モルタルがこのような大きさで剥がれてくるのですから、接着不良箇所がいかに広範囲であるかが分かります。後々問題が生じないようにするには、すべてのモルタルを取り除いて成形しなおさなければなりません。

モルタルに300箇所以上もの穴を空けてボンドを注入しましたが、労力も時間もボンドもすべて無駄となってしまいました。雨の影響でイライラしているというのに、無駄になったボンドの代金は会社が負担しますと工事責任者より申し出がありました。

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24-5 天井の塗装

2002(平成15)年10月16日発行の理事会報第153号で「何枚も破けた軒裏のビニールと自動車カバー」をお知らせしました。

軒裏の塗装は手間がかかります。風で飛ばされるペンキで汚れないよう風向きを考えて駐車場内の車にポリエチレンシートをかけました。落ちてきたペンキで駐車場を汚さないように地上にシートを敷きました。フェンスをビニールで被い、軒下の外壁を1mほど色付きのビニールで被いました。

軒裏の表面を固めてペンキののりを良くするために、カチオン形水系―液エポキシシーラーのダイヤワイドシーラーが塗布されました。シーリング部分には目止め剤が塗布され、多機能型単層弾性仕上塗材のダイヤニューポール・Rの原液で下塗りが行われました。原液を蜂の巣状スポンジローラーにつけて模様がきれいにつくように塗布していきます。

下塗りが終わると、塗材16kgに水を加えて薄めたものを中塗りします。「普通は二度塗りで十分なのですが、ここは三度塗りすることになっています」と塗装工。したがってそのぶん時間がかかります。

10月12~13日は強風が吹き荒れました。軒下の外壁を被うビニールは、風にあおられて粘着布テープとともに剥がれてしまいました。12日は5階と3階が剥がれて修復すると、13日は4階がはがれました。

大型の車にかけたポリエチレンカバーは突風ではがされやすく、何度かけ直してもすぐにめくれてしまいます。タイヤのホイールに粘着布テープで止めると風の力でポリエチレンが裂けてしました。そうそう新しいカバーを使うわけにはいかずにテープで修理していますが、一台だけ車をペンキの飛んでこない風上へ移動していただきました。ご協力ありがとうございました。

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25 追加工事の承認

2002(平成15)年9月28日発行の理事会報第157号で「排水溝の成型など追加工事を承認」をお知らせしました。

9月20日午後5時に、コンサルタントの寺地さんと工事責任者より改修工事についての提案がありました。提案内容を理事会で検討し、購入当時への復元を最優先とすることを決定しましたのでお知らせいたします。

25-1 バルコニー笠木正面の塗装色

バルコニー笠木のフェンス真下は、ウレタン防水層で覆われます。バルコニー笠木の駐車場側正面と軒裏の同一色塗装部は、マンションを購入した当時とほぼ同様色にして、違和感のないようにすべきとの提案をいただきました。軒裏の塗装部の汚れをきれいに拭き取って色見本と照合し、実際に塗料を塗った見本を二枚作成して比較し、再度塗料の厚みを考えた見本を作製してほぼ同一色を選定しました。現在は汚れていますので、完成時にはかなり明るくなったような感じを受けると思います。

25-2 バルコニー軒裏の塗装色

コンクリート地とほぼ同様の色に光沢を加えて、明るさを感じるようにすべきとの提案をいただきました。これまでとほぼ同一色で違和感のないように配慮し、光沢のある塗料でバルコニー全体がいまよりは明るく感じられるようにお願いしました。

25-3 自転車置場の引き戸の塗装色

現在塗られている塗料は薄鼠色のため、ここに戸や扉がありますよと主張しているかのようです。建物全体のバランスを考えると、バルコニー笠木の駐車場側正面と同一色であるほうがタイルの色ともマッチして、デザイン的にすぐれているとの提案をいただきました。
 その部分だけを強調するかのような現在の状態よりも、専門家の考えるバランスとデザインでお願いすることとしました。

25-4 自転車置場のウレタン防水

自転車置場ひさし側面があまりにも汚れているので、バルコニー笠木の駐車場側正面の塗装色と同一色を塗り、軒裏はバルコニー軒裏と同一色、屋根の部分はウレタン防水をしなおすべきとの提案をいただきました。
 屋根のウレタン防水は劣化状態を確認しました。塗料もウレタンも同一色としたことで、費用はそれほどかからないと思われるため、この部分を追加工事とすることを承認しました。

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25-5 バルコニー排水溝と床の成型

同一階の排水溝内モルタルをすべて撤去してみると、ルーフドレンのあるほうが高いという排水溝の深さが逆になっています。設計ミスを解消して勾配をとるため二度にわたりモルタルで修正したことが分かりました。空気の層に水が入るとコンクリートが劣化するため、モルタルをすべて撤去して排水溝を根本から成型せざるを得ない状態でした。排水溝のモルタルを取り除く作業は工事作業員の確保もあり、臨時総会で承認いただいた「不測事態」と捉えて現場管理者・コンサルタント・理事長が協議のうえ承認しました。

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翌日、施工業者から排水溝が浅くなってもかまわないから全体をルーフドレンへ向かってもう少し傾斜をつけるようにし、水切りを早くするようにとコンサルタントより指示があったと伺いました。バルコニー表面が修繕前と完成時では見た目が変わることから、理事会は見積書を基に改善改良の検討を行いました。「臨時総会第二号議案 平成15年度の建物修繕工事について(5) 諸経費の支出権限」を承認いただいた「工事費総額の二割以内の追加工事であれば理事会の判断で発注することができる」に該当すると捉え、提案どおりに排水溝を含めたベランダ床の成型を承認しました。見積金額は661,500円(次号に内訳と解説)で工事費全体の17.95%です。

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26 フェンス支柱基部の爆裂

2002(平成15)年10月1日発行の理事会報第153号で「フェンス支柱基部の爆裂は意外に少ない」をお知らせしました。

9月29日は早朝より雨でしたが、フェンス基部の爆裂部分のはつり(削り取り)作業を開始しました。昼食後の休憩も一息だけでフェンス基部の爆裂部分をはつり、削り取ったタイルやモルタルを集めて各階のベランダを清掃しました。午後からも時々雨にたたられましたが午後5時30分には瓦礫をすべて地上へ下ろし、産業廃棄物用ごみ箱へ収納しました。この時点で発見された爆裂部は、六階5箇所、五階3箇所、四階3箇所、三階2箇所の13箇所でした。

ご近所の建物に囲まれている一階と二階になく、三階以上に凍害による爆裂が発見されたのは、北風の吹きさらしになることが原因と考えられます。爆裂規模最大は六階中央の駐車場側で、これが落ちていたらとゾットするような大きさです

9月30日は好天に恵まれ石狩市花川から四人の左官工がみえました。フェンス基部の爆裂部補修と、外壁のタイルを剥がした部分に目地を作って下地処理、そして排水溝内の成形作業。だれもが雨の影響を心配しながらの作業で10時と3時の休憩はなく、昼食時間は30分という忙しさです。午後1時にコンサルタントの寺地さんが工事監理にみえ、現場責任者と30分にわたる詳細な打ち合わせを行いました。10月1日は快晴、暑くなりそうです。

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27 追加工事費は5,630円

2002(平成15)年10月1日発行の理事会報第153号で「不具合箇所修繕などの見積もり内訳」をお知らせしました。

見積書に記載されていた合計額をそのまま書いて、理事会報第152号で追加工事「661,500円(次号に内訳と解説)で、工事費全体の17.95%」とお知らせしましたが、不具合箇所(前ページで説明)と追加工事が一緒になった見積書であったため、全部が追加工事であると勘違いしていました。訂正いたします。

1.バルコニー面タイル打診調査 40,000円
 ア. 打診調査  1式 30,000円
 イ. 図面作成(既存竣工図を複写して記入)  1式 10,000円
   在庫しているタイルが少ないことから、正確な数量をつかむために
  住居部南面タイルの打診調査を実施しました。(大規模修繕のさいに
  必要となるタイルの枚数を推計する資料としても使えます。)

2.タイル壁樹脂注入 53,950円
 ア. タイル浮き部樹脂注入(ピン併用エポキシ樹脂注入)
    83箇所  53,950円(カッター目地入れ上部)
 イ. バルコニー排水溝モルタル浮き部樹脂注入(前ページで説明)
  タイルの打診調査で予想以上の浮きがみられました。市販されている
 同色タイルの在庫がないため、外壁に穴を空けてピンを挿し、エポキシ
 樹脂で固定しました。これにより、外壁タイルは、はつり作業の振動で
 一枚も剥離せず、震度4の地震にも耐えられました。

3.シーリング工事 141,100円
 ① 帯部伸縮目地シーリング(変成シリコンシーリング20×10)
  3人口  54,000円(ゴンドラ移動手間込)
 ② 手摺支柱シーリング(変成シリコンシーリング10×10△)
  113箇所 31,640円
 ③ ウレタン防水端末シーリング(変成シリコンシーリング10×10)
  118m 55,460円
  ゴンドラに乗って調査すると、帯部伸縮目地の劣化が著しく進んでい
 ました。手摺支柱基部のシーリング劣化も著しい部分が多々発見され、
 全部のシーリングを打ち直す必要があると判断されました。ウレタン防
 水端末シーリングは特記仕様書でもれていました。

4.バルコニー側溝補修工事 305,400円
 ア. 側溝撤去(W100mm、T450~700mm)  132m 125,400円
 イ. 側溝モルタル成形(同上)  132m  165,000円
 ウ. 同上廃材処理費(同上)   1式 15,000円
  前号と表面でも説明しましたが、排水構内の勾配を修正するためのモ
 ルタル層が二重三重に詰められ、接着不良の部分に空気の層ができて樹
 脂で固定できません。モルタル層をすべて撤去して、バルコニーの成形
 をしなおすことにしました。

5.自転車置場出入口庇補修  5,630円
 ① 天端ウレタン塗膜防水(トップコートのみ) 1.5㎡ 1,200円
 ② 帯部塗装(シーラー、弾性塗材ローラー仕上げ) 1.8㎡ 2,736円
  出入口引き戸の塗装で建物との調和を図る検討中に、庇の汚れが目立
 つことに気づきました。バルコニーのウレタン防水・駐車場側正面塗装
 色・軒裏と使用材料と色を合わせることで経費を抑え、追加工事としま
 した。

6.現場諸経費  1式  32,765円

7.一般管理費  1式  54,608円
   合計  633,453円-3,453円= 630,000円 消費税 31,500円
    総計   661,500円
 追加工事となったのは「5.自転車置場出入口庇補修の5,630円」のみです。

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28 排水用ドレンの改修

2002(平成15)年10月18日発行の理事会報第158号で「ルーフドレンの謎が解けた」をお知らせしました。

軒裏をのぞくと右の写真のような惨状です。モルタルが剥がれ落ちて、所々にコンクリート地が見えています。中央部に住戸と住戸の境界を走るシーリングがみえ、シーリング上の左の丸い痕は、間違ってあけた縦といの穴をふさいだ痕跡です。縦といの付け根にはシリコンがタップリ塗られ、指で延ばした痕跡があります。「まさかとは思いますが、理事長さんが塗られたのではないでしょうね」「素人の仕事のようですが、そこまではしませんよ」。この惨状を作り出したのは水ですが、わるさをした水はどこから入ったのでしょう。工事関係者も寺地さんも首をかしげました。

ルーフドレンのカバーをはずすと、内部にもシリコンを塗った痕がありました。「ルーフドレンの治まりが悪いので、雨が降ったあとに縦といの付け根から水漏れがあった。発見した人が、あわててシリコンをたっぷり塗り指で延ばした。また、雨が降ったあとに水漏れがしたので、ドレンの内部にもシリコンを塗ったのだろう。」と、工事関係者とコンサルタントは推理しました。シリコンの防水能力は高いのですが、このような場所に使用するものではないそうです。ペンキをはじく性質があるので各階軒裏の縦とい付け根周囲のシリコンをサンダーで削り取り効果が期待できると云われる中和剤を塗りました。ドレン内部を清掃してシリコンを取り除くと、内部に縦といの入口が現れます。

水などをこぼさないように容器へ入れるときに漏斗を使いますが、漏斗の出口は容器の口にすっぽり納まるので水漏れはしません。ところが漏斗であるドレンの中を通って縦といの口がドレンの表面にきています。内側の引っ込んでいる円形が縦といです。縦といは上から見ても下から見ても継ぎ目の無い一本の鋼管です。ドレンに流れ込む水は、ドレンと縦といが接している隙間からコンクリート内部へ滲み込んでいたのです

再び水漏れが発生しないようにドレンの表面を鉛で被う方法がありますが、一箇所約2万円で12箇所は予算オーバーとなります。取り敢えず2~3年はもつ応急処理として、シーリング材でドレン内部を被いました。左の写真でドレンの周囲にある筒は、防水用ウレタンがドレン内に入らないようにする手作りの遮蔽用カバーです。

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29 湧き上がった苦情

2003(平成15)年10月28日の理事会へ参加した修繕委員より苦情があり、理事の中にも苦情に賛同する声が聞かれました。放置できないので、コンサルタントの寺地さんへメールで苦情の内容を伝えました。

施工業者やコンサルタントに、私達が感じたことをはっきりお伝えするのは考えものです。気分を害されて手抜きされたり、面白くないからといいかげんな仕事をされたらどうしますか。理事会で出された意見はすべて伝えないでください。いまでさえ全然進んでいない工事が益々遅れて、修繕費の出費が増えることにしかなりません。たった一人か二人でお茶を濁している工事ですから10月中に終わらす気はないはずです。そんな関係者に理事会の意見を伝えてもマイナスです。

理事長の顔があるので六階の工事は進んでいるでしょうが、五階の床は樹脂を注入したままで放置ですよ。モルタルの粉にまみれたままで固まると効果があるんですか。ひび割れだって放置ですよ。二週間もかけて五階の床はなにも変わっていません。防水モルタルを取り除くといっても、工事のやり方に疑問がありすぎます。

雨などで5日程度は工事が中断しています。追加工事は仕方がないにしても、床のシーリングについては説明会で質問していることですし、タイルが浮いていることは診断で分かっているはずです。タイル剥離防止が追加工事というのは変だと思いませんか。ただ、地震に耐えられたのは効果があったからと思いますが。

私達にできないから仕方がないといっても、これで予備費は18%もなくなりました。あと2%しかないのに、支柱基部の爆裂修理は22箇所ですむのですか。雨で工期が延びたどうするのですか。ほとんど一人か二人が仕事をしているようですから、10月中に工事が終わるはずはありません。11月に入っても2%しかない予備費で間に合うのですか。臨時総会の準備をして、安かろう悪かろうを選択したことを謝罪すべきではありませんか。

毎日仕事をしているなら分かりますが、雨が降るからと言い訳してもベランダに散乱させた瓦礫を放置したまま、家の中から見える位置に山積みしっぱなし。休みの前日には片付けないという無神経さに驚きます。これは工事監理とは関係ないことなのですか。

一階と二階の瓦礫を、地表に下ろしてくれたら片付けるという理事長の申し出を断ったのはおかしいと思います。工事が遅れて出費がかさむ事を心配するのは、発注した責任者であれば当然です。それを断ってまで放置しているのは工期を延ばす理由以外考えられますか。理事長、普通ならなめられているっていうんですよ。大丈夫ですか。

施工業者もコンサルタントも仕事を怠けていたわけではありません。マンションを建設した業者へバルコニーに設置したドレン設計図の提出を求め、ジリジリしながら届くのを待っていたのです。このような事情を聞いていれば、理事が苦情に同調しないうちに収拾できたので残念に思えます。

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30 バルコニーの防水

2002(平成15)年11月12日発行の理事会報第162号で「ウレタンは塗り重ねて二層」をお知らせしました。

明日は大荒れになるとの予報が出ていた28日、バルコニーの床にメッシュを貼り終わりたいと4名の防水工が休憩時間を削って頑張りました。前日プライマーを塗った床の上にメッシュ広げ、その上からスポンジ状のローラーでプライマーを塗り重ねていきます。サンドイッチを作る努力は実を結び、午後3時に作業は完了できました。

30日の朝、プライマーで接着された床のメッシュは乾燥していました。まちに待った、バルコニー床へのウレタン防水の始まりです。ウレタンは主剤と硬化剤とシンナーを電動撹拌機で4~5分間混ぜあわせます。天候や気温によって混合率を変え、塗布する時間を見ながら混合しなければ硬化します。ゴミを持ち込まないように、真冬でも靴下になっての作業です。この道22年の技術者が後ろへ下がりながらウレタンを均一に伸ばしてゆきます。ライトグレイのウレタンが塗られた直後は波打っていましたが、やがて落ち着いてまるで水鏡のようになりました。

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31 ボンデ鋼板と扉補修

風除室の出入口2ヶ所のボンデ鋼板を塗装して、シーリングを山形に織り上げました。

トランクルーム二ヶ所と自転車置き場、屋上出入口3ヶ所とエレベーター機械室2ヶ所、計8ヶ所の扉枠を補修して扉を調整後塗装しました。

駐車場の照明塔を塗装して、焼き切れていた遮光板を更新しました。

屋上の雨水排水管や臭気抜きとバルコニーの洗濯金物を塗装し直しました。

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2002(平成15)年11月9日に「工事終了のお知らせ」を配付しました。

落ち葉のじゅうたんを舞い上げながら木枯らしが吹き抜け、吹雪という悪女の深情けをタップリ味わえる季節が身近に迫りましたが、みなさま方にはご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、去る9月10日に着工しましたマンションの南面改修工事は11月9日に竣工検査を行い、みなさま方のご協力を得まして事故なく終了できましたことをご報告申し上げます。

工事は、台風の影響で着工初日より雨に好かれ、東へ西へと吹きぬける強風にゴンドラ作業もままならず、二度に及ぶ震度4の地震にタイルの剥離落下を危惧し、予報にない深夜の雨に塗り終えたばかりの塗装を洗い落とされ、自然の厳しさに一進一退する日々が続きました。

建物の南面に発見されたタイルの浮きは、細長い穴をあけてピンと樹脂で固定するピンニング工法を導入しました。バルコニーのフェンス基部に発見された凍害による爆裂は20箇所を数え、六階に発見された二箇所の大規模爆裂は駐車場側にありました。このため、バルコニーの表面を防水プライーヤーと防水ウレタンで、軒裏の部分はエポキシシーラーと防水塗装を塗布し、全体を防水層で包む工法を取りました。

このような様々な事情の重なりで、工事は本日まで延長となりました。この間、みなさま方には大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げ、これまでのご協力に心からの感謝を申し上げます。

朝晩シバレが感じられるようになりました。お体をご自愛のうえ、今後益々のご活躍を祈念申し上げ、工事終了のお知らせとご協力への感謝の言葉といたします。ありがとうございました。

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32 そしてある日、突然

2002(平成15)年11月17日発行の理事会報第167号で「工事報告会と関係者慰労会を開催」をお知らせしました。

11月15日(土)午後2時より緑栄会館Aホールで、鉄部塗装一部補修と南面のみの大規模修繕(略称:南面改修工事)の工事報告会を開催しました。コンサルタントであり工事監理者の寺地さん、施工された建装工業株式会社札幌営業所の営業所長、工事責任者、工事担当者が出席され、管理会社の担当者代理職員にも参加いただきました。

施工会社の工事責任者より分厚い工事報告書の内容を説明いただき、工事箇所を写したアルバムを含めて、ファイルを3冊受領しました。工事施工中の諸問題についての報告後、営業所長より定期検査の実施と10年間の保証をいただきました。

工事監理者の寺地さんより工事箇所の写真をプロジェクターで投影いただきながら諸問題への対処方法、南面、東面、西面のタイルの打診により推測できる建物全体の状態と、次回の大規模修繕時期についてお話いただきました。説明に使いました写真は後日CD-ROMに焼いていただき回覧します。工事説明会終了後は工事関係者のご苦労をねぎらいました。

完成した長期修繕計画を受領し、任期満了で理事長をおりてから居酒屋で寺地さんと「4~5年後に予定している大規模修繕のときにもコンサルティングをお願いします。」「分かりましたやりましょう。」と飲んだのが最後の会話になりました。2002(平成15)年10月26日、入院している母の見舞いから戻ると寺地さん急逝との連絡を受けました。

寺地信義さん、大変お世話になりましたことを心より感謝申し上げ、ご冥福をお祈りいたします。

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