はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第61章 手根管症候群

手根管とは、手根骨と横手根靱帯(屈筋支帯)で囲まれた伸び縮みのできないトンネルで、4本の指を曲げる腱と正中神経が通過します。手根管内で何らかの原因により正中神経が圧迫されると手根管症候群が発生します。手がしびれて痛みで眠られなくなります。

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1 右手の手根管症候群

 1-1 右手手術決定

2021年8月24日に脊柱管狭窄症の手術を受けましたが、手術の翌日朝から両手にしびれや痛みを感じました。ベットに横になっていても両手がしびれて痛みを感じます。看護師に症状を訴えましたが、そうですかというだけで何ら処置はありません。

退院してからも夜間や明け方に痛みやしびれ感が増加し、痛みのため目が醒めます。ボタンがかけにくい、小銭を摘むことができないなど日常生活でも大きな障害が感じられるようになりました。

退院後の背骨検査時に医師へ手のしびれを訴えると、首のMRI写真を取り頸椎脊柱管内に三か所ほど骨が飛びだして神経に触っているようだとの診断でした。そして、痛みがひどくなったら手術をします。

その後も、時々手の痛みとしびれが続き寝不足になっていました。2022年11月パソコンに向かっているときに、眠むりこんで頭と体が次第にキーボードのほうへと前かがみになっていったのでしょう。

突然いすが後ろへ逃げて、腰かけた状態でそのまま床へ落ちました。70kgの体重がかかり、尾てい骨にかなりの痛みを感じます。翌朝になっても痛みが引かないので整形外科の診察を受けました。

症状を聞いて院長は首と尾てい骨のMRI写真を取りました。首の写真を見ると頸椎は昨年と同様で、しびれの原因にはなりえないとの診断です。尾てい骨にひびは入っていなかったのですが、折れても問題はないと笑っていました。

そして、しばらくしびれるという手を触診していましたが何かに気づいたようで、手首の専門家と言う副病院長の診察を受けるように指示しました。ここまで来るのに約2時間半掛かりましたが、更に待たされると覚悟しました。

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 1-2 神経伝導検査

副病院長の診察後に神経伝導検査を受けると、左右の手首の正中神経はほとんど針が触れません。これは「手指管症候群」といい、正中神経が手首(手関節)にある手根管というトンネル内で圧迫された状態だそう神経伝導検査結果です。

しびれを感じてから1年以上経過しているので、トンネル内に神経が癒着している可能性があります。放置していると指が動かなくなるので手術をお勧めします。しかたがないのでお願いしますというと、入院を希望しますか外来手術でもいいですか。

外来手術を選択すると、16日にコロナウイルスのPCR検査を受けてください。陰性であれば11月18日に右手の手術をします。手指管症候群の手術でどの程度症状が回復するか、症状改善にどのくらいの期間を要するかは確定が難しい病気だそうです。

手根管に神経が癒着していれば剥離は難しく完治は保証できませんし、合併症が起きる場合もありえます。その際の医療は通常の保険診療となります。この日受付へ診察券を出したのは9時、病院を出たのは18時10分です。

薬局へ処方箋を出して、末梢性神経障害の治療に用いられるメコバラミン錠500(ビタミンB1)をもらって飲むと、ロキソニンでも止まらなかった痛みとしびれを感じなくなりました。薬を飲んだのはこの時一回だけです。

16日にPCR検査を受けて、17日の午後3時から6時までの間に病院へ電話をすると、PCR検査の結果は陰性でした。18日に手術をするので午前8時までに病院へ来てください。

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 1-3 右手指根管症候群手術

2022年11月18日の8時30分に病院へ着くと、看護師に手術室へ案内されました。左腕に点滴の針を刺されて手術台に仰向けになり、右手を体と直角に伸ばすとカーテンが引かれて右手は見えなくなくなり手術の様子ました。

右手の掌の数箇所に注射針が刺されて麻酔をかけられました。麻酔が効いたのを確かめると手術が始まりましたが、無影灯に映る手術の様子はよく分りません。40分ほどで手術が終わり車いすの乗せられて処置室で着替え、会計窓口まで行き車いすから降りました。

約2cmほどの皮を切り開き、神経を圧迫している靭帯と結合組織を切離して神経剥離を行う手術でしたが、ありがたいことに神経は癒着していない言われました。これで後遺症は避けられたと安心しました。

支払いが終わると車いすを片付けて歩き始めました。体が傾くことはありません。近くの薬局で処方箋の痛み止めと絆創膏を購入して帰宅しました。帰宅すると絆創膏をはがして写真を取りました。

右手の手術痕改めて「手根管症候群開放術・神経剥離術説明書」を読むと、手術でどの程度症状が回復するか、症状改善にどのくらいの期間を要するかは確定が難しい病気です。手根管に神経が癒着していれば剥離は難しく完治は保証できませんとあります。

ありがたいことに神経は癒着していません。でも合併症が起きる場合もありえます。手指管症候群の手術で右手が使えないため、マンション玄関前と緊急車両の駐車箇所とベランダからの避難路の除雪は不可能になりました。左手の手術後はもっと難しくなります。

手術後に風呂に入るときは、右手にポリエステルの透明な手袋をつけて手首の部分を輪ゴムで止めました。これでお湯が入らず、衛生的にも問題はありません。これを一週間続けました。10日後に抜糸され、傷跡が外気に触れるようになっても傷の痛みはほとんどありません。

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 1-4 理事会への依頼

手術後の後遺症も考えられるので、2022年12月20日にマンション管理組合の理事会構成メンバーへ「冬季間の避難経路確保の断念について」の文書を配付しました。

日々マンション管理にご尽力いただき感謝しております。さて、ご承知の方もいらっしゃると思いますが、平成4年12月末に駐車場除雪作業の騒音でご近所から苦情がでました。町内会の役員会であまりにもひどすぎると意見が出され、管理会社に注意を促しましたがどこでも我慢をしていると一向に聞き入れません。

やむおうえず午前3時半に起床して除雪車が来るまで東西棟玄関前の除雪を行い、除雪車が到着すると除雪作業の立ち合いをしていました。平成7年度から緊急車両駐玄関通路車場確保のため東棟玄関前と道路、また避難はしご利用者の避難経路確保のため建物東側道路から101号のベランダ側面までを除雪してきました。

管理組合発足時の副理事長は理事会へ一度も出席せず、代理出席の奥様は「マンションへ入居したのは除雪をしなくても済むから」と公言していました。理事会で駐車場の騒音問題を議題にしても理事たちはそうですかという反応で、誰一人真剣に考える方はいません。

その後西棟玄関前は603号のご夫人と平成15年に入居された503号のご老人が除雪されている姿を見ました。建物西側は管理員さんが排雪経路を除雪していたので、ベランダからの避難路は確保されていました。

平成12年度の理事長の時に、消防署へ伺い玄関前除雪の助言をいただきました。「私たちのマンションは小規模のため月曜と金曜日の二日間、管理人さんが午後3時間だけ来てくれます。冬期間の朝は降雪があると風除室の扉が開けづらくなります。吹雪で吹き溜まりができると、かなりの力を入れなければ扉玄関ポーチは開きません。他の小規模マンションではどうされているのでしょう」

質問された壮年の消防署職員は困惑の表情を浮かべました。「そうですね、居住者の方々が輪番で除雪をされているというお話は伺っていますが、私が輪番の時だけ雪が降り、あの人のときは雪が降らないので一度も除雪をしていない。不公平だと言うもめごともあるそうです。

輪番制の役員が声を掛け合って除雪をしているところもありますし、居住者がお金を出し合って除雪ができる人に依頼しているところもあります。でも、多くは雪に埋もれたままというのが実情ですね」

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 1-5 災害への備え

「災害発生時に玄関が雪に埋もれたままでは避難が遅れますし、建物の傍が除雪されていなければ消防車や救急車を止められず、玄関まで雪に埋もれていたらけが人などの救出にも支障をきたしますね」

「おっしゃるとおりです。急病で消防士が駆けつけても、雪が積もっていれば搬出に時間がかかりますし、玄関までたどり着けずに除雪してからという場合もあります」避難経路と緊急車両駐車場

「ベランダに避難器具があるのでその周りと通路も除雪していますが、一階まで下りてフェンスを超えたら積雪に体が埋まったり、捻挫したりでは避難の意味がありませんね」「逃げ道を確保する上からも、避難器具の周囲や避難経路は除雪が必要ですよ」玄関前と道路

新築時に入居以来、これまで30年間ボランティアで除雪を続けてきましたが、昨年の大雪で両腕に負荷がかかりすぎて左右の指は曲がりづらくなり、両手共しびれと痛みが激しくなり夜も眠られなくなりました。

11月2日に整形外科病院で神経伝導検査を受けると、両手首の負荷が大きかったとみえ神経障害が起きています。両手共手術が必要とのことで11月18日に右手の手根管開放と神経剥離手術を受けました。約1か月後に左手の手術も決まっています。

手の手術後一か月間は、大きな瓶の蓋を開けたり強く手を握ったり、手のひらをついて立ち上がる動作を禁止されました。また、手術後に元通りになるとは言えず、しびれなどの知覚障害、筋力低下、運動障害の残存する可能性があるという診断でした。

このような事情で東棟玄関前と道路の除雪、ごみステーション周囲の除雪、避難はしご利用者の避難経路確保のため建物東側道路から101号のベランダ側面までを除雪することが不可能となりました。除雪は減災のために必要不可欠ですが、私はもうできなくなりましたのでご賢察をお願いいたします。

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 1-6 理事会はどうする

今までは傍観して手伝うこともなかった方々は、今後どうするのか少々不安ですが仕方がありません。もう一か所、気がかりなところがあります。避難器具それは自宅のベランダです。積雪時は避難用梯子の周囲とベランダ全体を除雪していましたが、これも不可能です。

12月28日に右手指管症候群の手術後1か月検診で病院へ行くと、左手の手術はどうしますかと聞くので時々しびれて痛みを感じますが、放置しておくと治りますかと質問すると手術以外に治りません。じゃあ、手術をお願いします。

事前にPCR検査を受けてもらい、問題がなければ1月17日に手術をします。妻と三越で待ち合わせて、正月用品の買い物を済ませました。雪が降ったときに外へ出てみると玄関前と避難経路と緊急車両駐車箇所は除雪されています。おそらく理事長が除雪したのでしょう。

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2 左手の手術

 2-1 PCR等検査

2023年1月14日、手指管手術のための検査を受けました。身長と体重をはかり心電図を摂ると、PCR検査のために唾液を試験管に1目盛り分摂ります。その後血液検査と手術の説明があり、ここまで2時間かかりました。

地下鉄大通駅で降りてパルコ6階の無印良品で、テレビで照会していた妻用の室内靴を購入しました。2,990円でしたが宣伝通りに暖かいようです。冷え性の妻は大喜びで靴下をぬぎ素足で室内靴を履いています。

1月16日の午後3時過ぎに病院へ電話してPCR検査の結果を確認しました。陰性という判定で、明日の8時半までに病院へ来てください。手術をします。

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 2-2 左手指根管症候群手術

2023年1月18日8時半までに病院へ着き、手術を受けることを告げました。9時45分まで待たされ、処置室へ入ると血圧を測られて病院衣に着替えます。何のためか理由は分りませんが点滴の針を右手首に刺され、医師が来て左手の掌に麻酔の注射を打ちます。その後、点滴をしたままで地下の手術室へ移動しました。

手術台に仰向けに寝て左手を体と直角に伸ばすと、右足の脛に血圧計がつけられます。麻酔が効いたのを確かめると手術が始まりましたが、無影灯に映る手術の様子はよく分りません。手術中に右足の血圧計の脛を拷問と思えるほど強く締め付けます。左手の手術痕

約2cmほどの皮を切り開き、神経を圧迫している靭帯と結合組織を切離して神経剥離を行う手術は順調でしたが、靭帯はかなり厚くなっていたそうです。神経は癒着していないようで、これで後遺症は避けられました。

40分ほどの手術中に10回ほど脛を締め付けられ、まるで拷問だと文句を言いましたが看護士たちは平然としています。手術室を出るときに看護士同士の申し送りを聞いていると、手術中の血圧は測れませんでした。測れないなら血圧計を取り外せばいいだろう。

処置室へ戻って着替え、会計を済ませると処方箋をもって近くの薬局へ行き鎮痛剤を購入しました。地下鉄で帰宅する途中、降雪時は雪に覆われてしまう602号のベランダと避難はしごの周囲をどうすべきか考え続けました。

両手の手術で除雪を断念しましたが、これまでは玄関前と避難経路の雪は玄関正面に排雪路を開けて遊歩道の高架下へ捨てていました。また、緊急車両駐車場の雪は東側の建物そばへ積み上げていました。駐車場の除雪後に除雪車が雪を積み上げるので、ご近所の方々が雪を捨てることができなくなりました。


 ご近所の方々のために、除雪車が積み上げた雪山の右側に排雪用の通路を開けました。除雪した雪は遊歩道の高架下へ運んでいましたが、その後は通路が通勤者の地下鉄へ行く近道として使われるようになりました。

建物の除雪後は、マンション住人が利用させてもらっている町内会のゴミステーション周囲を除雪し、火災に備えて最も近い消火栓の周囲も除雪しました。理事会はここまでやってもらえるかどうかわかりません。


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 2-3 隣家への連絡

左手の手術後に帰宅すると、箪笥の上にある国勢調査時に渡された非常通報用ブザ―が目が止まりました。これに紐をつけて窓の外へ出し緊急時に紐を引いてもらえばブザーが鳴り響きます。

非常時に603号ベランダの避難はしごを利用するのは、602号と603号の2軒のみです。ブザーが鳴ったらベランダの出入口を開けて、室内経由で玄関から階段室へ避難していただきます。非常通報用ブザ―

非常通報用ブザ―を二重窓の間に置いて、ピンに紐をつけて外へ垂れ下がるようにして錘を付けました。603号へ文書を書いてメールボックスへ投函しました。紐を引いてみるとかなり大きな音が響きます。

ご家族共々お元気でお過ごしのことと思います。さて、平成4年12月末に駐車場除雪作業の騒音でご近所から苦情がでました。町内会の会議であまりにもひどすぎると意見が出され、管理会社に注意を促しましたがどこでも我慢をしていると一向に聞き入れません。

やむおうえず午前3時半に起床して除雪車が来るまで東西棟玄関前の除雪を行い、除雪車が到着すると除雪作業の立ち合いをしていました。平成7年度から救急車両駐車場確保のため東棟玄関前と道路、避難はしご利用者の避難経路確保のため建物東側道路から101号のベランダ側面までを除雪し始めました。非常通報用

東棟玄関前は603号の奥様や、503号のご老人が除雪されている姿を見ました。603号の奥様には大変お世話になりましたが親しく声をかけると、誤解を招く恐れもあると考え心ならずも礼を失しましたことをお詫び申し上げます。西棟の建物西側は管理員さんが排雪経路を除雪していたのでベランダからの避難路は確保されていました。

なお、603号の避難経路となる自宅のベランダも除雪することがベランダ不可能となり、避難はしごが雪に埋もれてカバーが凍結する恐れも考えられます。このため、国勢調査員に配付された非常通報用ブザーを思い出し、自宅の窓に取り付けました。

非常時に隔壁を壊して自宅のベランダへ避難されたときは、窓下に垂れ下がっている紐を引いてください。非常通報音が聞こえたら、ベランダの戸を開けて室内経由で外へ逃げていただきます。

また、不在時はガラスのクレセント錠前部分にガムテープを貼り付けて、ガラスの飛散を防止したうえで金づちでガラスを割って錠を開けてください。不在時に室内経由で外へ逃げていただく時は、玄関の施錠を気にしなくても結構です。


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 2-4 ジーンときた薬局

指根管症候群の手術後に地下鉄までの道に数軒の薬局がありました。右手の手術後、病院から戻る途中に最初に出会った調剤薬局に入りました。壮年の女性薬剤師さんと二人の局員さんが働いていました。

昨年の11月18日右手手術後に処方された痛み止めメコバラミン錠500(ビタミンB1)は1錠飲んだだけでした。残ったメコバラミン錠を持っていてもどうにもならず処分をお願いしました。ついでに、反応しなくなった水銀体温計も処分をお願いしました。


 受付窓の上をふと見ると額がかかっています。何だろうと近寄って覗き込みました。読んでいるうちに、そんな思いでガンバッテいるのだと胸がジーンとしました。

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参考資料:日本整形外科学会、兵庫医科大学病院等々。