1 心臓の働き
心臓は循環器系の中心的な臓器で、胸部中心(縦隔)に位置し、心臓の大きさは大体握りこぶしくらいです。重量は男性で330g、女性で250gくらいです。
心臓は全身に血液を起こり出すポンプの役目を担い、ポンプが弱って全身に血液を上手に送れない状態を心不全と云います。いまは、MRIで心臓内の血液の動きがどのようなものか分かるようになりました。
心臓は大きく四つの要素から成り立っています。心臓は筋肉の塊で四つの部屋に分かれています。その部屋を分けている弁と、心臓自体に血液が供給されている冠動脈があります。もう一つは刺激伝導系です。
私たちは息を止めることはできますが、心臓を止めることはできません。心臓は洞結節という心臓を動かす命令を出すところがあります。それを伝える房室結節という真ん中に中継ポイントがあります。心臓の上の部屋は洞結節が、下の部屋は房室結節が命令を出します。上の部屋は血液をもらって、下の部屋は血液を送り出します。
例えば、弁が狭くなって血液が逆流している場合は弁膜症。筋肉が肥大していたり薄くなっていたり、痛む場合は心筋症。血管が詰まったり細くなったりすると狭心症や心筋梗塞といいます。脈が遅くなったり早くなったりすると不整脈といいます。このように心臓の病気はいろいろあります。
これら四つのうち一つでも悪くなると、ポンプが弱って全身に血液を上手に送れない状態である心不全になります。循環器内科の仕事は、これら四つの要素をまんべんなく調べて治療することです。
毎年健康診断を受けているという人がいますが、健康診断で何が分かるのでしょうか。レントゲン検査では、心臓が少々大きいからなんとなく少々心臓が傷んでいそうとか、聴診器を当ててみると弁が狭そうだとか逆流がありそうとか、心電図をとると脈が速すぎる遅すぎると言った程度が分ります。
このように健康診断でわかることは限られているので、弁が実際に狭いのか血液が逆流しているのか、筋肉が厚いのか薄いのかは、ゼリーを塗って暗い部屋で行われるエコー検査でなければ分かりません。
しかし、心臓の状態がどうなっているのかはCTを取らないとわかりません。心臓の働きをまとめると心臓はポンプの働きをしている。心臓は四つの要素から成り立っている。四つの要素を調べることで心臓の働きが正常化判断できるということなります。