1 動脈硬化の発見
健康診断や人間ドックで、動脈硬化(心臓病)は見つけられません。循環器の病院にかかっていても安心できません。心臓の病院にかかっていて心筋梗塞で死ぬ人も以外に多いのです。なぜそうなるかと言いますと、脳梗塞も狭心症や心筋梗塞、腎動脈狭窄や下肢動脈狭窄などの動脈硬化の病気は全身病なのです。
冠動脈疾患の末梢動脈硬化疾患をみると、末梢動脈硬化は冠動脈疾患の10%、末梢動脈硬化の50%は冠動脈疾患、末梢動脈硬化疾患は30%に他の末梢動脈硬化疾患があります。
脳梗塞を起こした人は確率的に30~40%心臓病を持っている可能性があります。逆に心臓病になった人は、頭とか足をチェックしなければなりません。これらを調べないとせっかく脳梗塞で助かりましたが心筋梗塞で死にましたということになる。そうならないように、すべてをチェックすることが大切です。
日本人の死因を2009年の統計でみると、総死亡数114万人のうち高血圧系を除く心疾患での死亡数は18万人(15.8%)で、そのうち虚血性心疾患は7.5万人もいます。この60年間で急速に増えているのです。
高血圧の治療が進歩することで頭の病気が減りましたが、現在でも、実に亡くなった日本人の約15人に1人が虚血性心疾患が原因なのです。心疾患としては約6人に1人にもなります。
ですから、自分の症状に注意をする必要があります。胸部圧迫感が5~10分あった、喉・歯・手・胃がしびれたり痛む、冷や汗が出るなどの放散痛を感じたことはありませんか。特に冷や汗が出たらすぐ病院へ行ってください。冷や汗が出るというのは危険サインなのです。
これらの症状は狭心症と言われる冠動脈狭窄が発生し、血管が詰まってきています、大変危ない状態になっていますという合図なのです。動脈硬化とは何かというと、血管内に脂肪などが貯まり一部は骨みたいに硬くなってしまうことです。
血管が細くなると、その先の臓器などが血流不全を生じて狭心症や意識消失などを起こします。血管の75%が閉塞するとこのような症状が現れると言われます。さらに血管が詰まるとその先の臓器は壊死を起こし、心筋梗塞、脳梗塞、腎梗塞などになります。
動脈硬化が50%程度ですと症状は表れません。動脈硬化が75%以下であれば症状はでずに一見健康の見えます。症状の出る狭窄は75%以上血管が細くなると血流不全が生じて症状がでます