1 このサインを見逃すな
皮膚に生じる様々な異常を取り上げ、それらが内臓の病気とどう関わっているか、あるいはまったく皮膚だけのものであるかを知ることが大切です。
1-1 皮膚が紫色になる
皮膚が紫色になるのは「紫斑」と呼ばれ、皮膚や皮下の血管から血液が漏れ出したために起こる症状です。重大な内科の病気が潜んでいることもありますので注意が必要です。
① 大きな紫斑
斑状出血と呼ばれ、ケガ・老化・血液が止まりにくい状態
(血友病・抗凝固剤など)によっておきます。
② 天井の紫斑
点状出血と呼ばれ、血管の炎症(アレルギー・免疫異常)、
血小板の現象などによっておきます。
1-2 点状出血と内臓の病気
点状出血を起こす病気と関係のある内臓の病気は、血小板減少性紫斑病とアナフィラクトイド紫斑が考えられます。
① 血小板減少性紫斑病
・ 血小板数が1立方ミリメートル当たり10万個以下で出現し、打撲で斑状出血も
起こします。
・ 鼻血・月経過多・歯ぐきからも出血します。
・ 何らかの免疫の以上によると考えられますが、原因は不明です。ピロリ菌や白血
病も原因になることがあります。
② アナフィラクトイド紫斑
・ 上気道感染や扁桃腺炎の際に細菌アレルギーで起こります。
・ 小児に多いのですが、成人では重症化しやすい症状です。
・ 腎臓、胃腸、関節にも病変を起こすことがあります。