3 紫斑という症状
3-1 単純性紫斑
年齢的に血管が老化しているのは納得できても、しだいに血管の穴が拡張して漏れ出す血液が増えるかもしれません。心配いりませんと言われても、痛みや痒みなどの症状が現れるのをいまか今かと待つのもストレスになりネットで調べました。
いつぶつけてできたか分からないアザ(老人性紫斑)を除いて、紫斑から単純性紫斑をたどると、「単純性紫斑-Yahoo!ヘルスケア」と「単純性紫斑の症状や原因など -gooヘルスケア」に同一説明が掲載されていました。執筆者は、三豊総合病院皮膚科医長の妹尾明美医学博士です。
20代の女性に好発する、四肢とくに下肢の皮膚の表面にできる、しこりのない点状の出血斑です。合併症はありません。春、秋に多く発症する傾向があります。
原因は不明ですが、毛細血管の弱さが関係するものと考えられます。過労や月経の時に悪化しやすいようです。
とくに下腿に粟(あわ)粒から米粒大の点状の出血斑が多数散在し、時に色素の沈着を残します。全身症状はありません。
出血性素因(血小板数、出血時間、プロトロンビン時間)の検査は正常です。眼で見て診断しますが、他の紫斑病と区別する必要があります。
なるべく安静(激しいスポーツなどはひかえる)にします。時に血管強化薬としてビタミンC剤を内服することがあります。数週間で自然に消えてなくなり、予後のよい疾患ですが、再発しやすいので注意が必要です。
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引用文章から該当する部分を抜き出すと、
① 四肢とくに下肢の皮膚の表面にできる
② しこりのない点状の出血斑
③ 下腿に粟粒から米粒大の点状の出血斑が多数散在
④ 原因は不明
⑤ 毛細血管の弱さが関係するものと考えられる
となり、症状と説明が一致します。
また、東京都江東区亀戸のドクター小池クリニックの小池佳嗣院長は、スキンケア大学のWebページ「原因不明の病、単純性紫斑とは?原因と治療法」の中で次のように説明されています。
単純性紫斑は比較的、症状の経過が良好な疾患ですので心配は要りません。また発症しても数週間で自然に消えていく場合がほとんどなので、特別な治療を必ずしも行わなければならないわけではありません。
しかし症状によっては血管を強化するために、ビタミンCなどの薬を内服する場合があります。
単純性紫斑になったらまずは安静にすることが大切です。症状がある時期に過度な運動をすると、血管に支障をきたすので症状が悪化します。
また単純性紫斑は一度消えても再発する可能性が高いので、経過をよく観察しておく必要があります。
ネットサーフインを続けると、様々な紫斑の写真を見ることができました。中には凝視できないような症状もあり、その方の辛い気持ちが伝わってきます。粟粒をまき散らしたような状態はごく軽い症状のようです。
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3-2 皮膚が紫色になる
2015年(平成27年)1月24日、札幌医師会主催の家庭医学講座「肌は内臓の鏡」を受講しました。講師の説明を拝聴すると、皮膚や皮下の血管から血液が漏れ出したために起こるのがむらさき色をした「紫斑」と呼ばれる症状と説明されました。
若い頃にいきなり動いて足のすねをぶつけ、むらさき色のあざをつくったことがあります。ぶつけた時は赤い色をしていますが、腫れあがってむらさき色に変わり、色が薄れて茶色になりながら消えていきます。喧嘩で殴り合いをした人の顔に、青黒いあざができていました。これがよく目にした紫斑でした。
年齢を重ねると意識と体の動きに微妙なずれが生じます。隣の部屋へ行くときに意識は角を曲がっていても、上半身は曲がる途中ですから足先はまだ直線を進んでいます。バランスが崩れた状態で足の小指は柱の角にぶつかってしまいます。強くぶつければ小指に紫斑が現れます。
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3-3 点状の紫斑
大腿や下腿の内側に現れ点状の出血痕跡は、アレルギーや免疫異常などによる血管の炎症や血小板の減少などで起こり、重大な内科の病気が潜んでいる事もあるようです。
アレルギーや免疫異常などによる血管の炎症は、溶連菌感染症などの細菌感染症やウイルス感染症に続発して発症する事が多く、下肢を中心に点々とした出血性の紫斑が多数出現することが特徴で学齢期前の小児に発症します。症状はそっくりですが、還暦を過ぎると子どもに還ると言っても該当しないでしょう。
血小板数は1立方m当り10万個~30万個が正常範囲ですが、血小板減少性の紫斑病は1立方m当り10万個以下になると出現し打撲で斑状出血も起こします。鼻血や歯茎からの出血もみられ、何らかの免疫異常反応によるものと推定されています。白血病やピロリ菌の活動が原因の場合もあります。
また、アナフィラクトイド紫斑といわれる変質した蛋白質によるアレルギー反応による場合もあります。赤身魚のマグロやカツオは「ミオグロビン」という特殊なたんぱく質をもっています。このミオグロビンが酸化すると健康被害をもたらすメトグロビンになります。この物質がアナフィラクトイド紫斑の原因ではないかと推定されています。
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