1 平成21年度の提供情報
1-1 地域の助け合い(自助・共助)が大切
札幌市災害時要援護者避難支援ガイドラインに基づいて、平成20年度は二つの地域で「要援護者避難支援のモデル事業」が実施されました。
二つの地区は、要援護者の避難支援にあたっての基本的なルールとなる「災害時支え合いプラン」を策定し、収集する情報の利用目的、保管と共有先、要援護者への支援内容などを明記しています。
宮の森は高齢者26名、障がいのある方4名で支援者は20名。八軒は高齢者110名、障がいのある方5名で支援者は156名が登録されました。
八軒の人材情報として、12名の各種資格や免許所有者、15名の避難場所運営協力者が登録されました。地域資源として、救助用資材を提供していただけるとの申し出があった企業8社が登録されています。(町内広報紙H21年9月1日号)
1-2 火災報知機設置の詐欺
12月4日の11時頃、火災報知機設置を口実にした詐欺事件が発生しました。身長は170cmで30~40歳くらいの細身の男性が、白石区平和通に居住する女性(82歳)宅を訪れました。
「消防署の者です。火災報知機の点検に来ました。」と言いながら室内へ立ち入り、台所に設置されていたのであと五箇所必要と言います。近所で工事をしているから、それが終わってから取り付けに来ると現金6万5千円をだまし取りました。
消防署や警察署という言葉を信じず、身分証明書の提示を求めたり、玄関内に入れないよう注意しましょう。(町内広報紙H22年1月1日号)
1-3 教訓を語り継ごう
6,437人が犠牲になった阪神淡路大震災から15年目となる1月17日。地震発生の午前5時46分に,約8千人が亡き人を悼む竹灯篭が並んだ神戸市中央区の東遊園地で黙とうしました。
命を守るための教訓を共有し、支え合う心の大切さを伝えようと集まった被災者たちは思いを新たにしていました。
全国的に一番対策が遅れているのは住宅と言われ費用的な問題のほかに「自分のところに地震は起きない」という考えが強いようです。でも、阪神淡路大震災で亡くなった方々の約八割は,住宅などの倒壊が原因と判明しているのです。(町内広報紙H22年2月1日号)
1-4 交通事故に注意を
昨年の道内交通事故死者は218人でした。平成20年より10人減少し、交通事故死全国ワーストワンを5年連続で回避しました。札幌市全体でも総計を取り始めた昭和37年以降死者数は最小の25人となり2年連続で記録を更新しました。
昨年東札幌地区で発生した交通事故は69件で前年より6件減少しました。人対車6件、自転車対車12件、車単独4件、車対車46件,その他1件です。傷者数は76名で10件減少し、死者は1名でした。死亡事故ゼロ日数の起点は平成21年12月17日となりました。(町内広報紙H22年3月1日号)
2 平成22年度の提供情報
2-1 忘れた頃にやってくる災害に備えを
1月12日、ハイチでM7.0の地震が発生しました。死者は30万人に達する予測で復興費用は1兆2千650億円と試算されました。もっとも被害額の大きい自然災害になりそうです。
南米のチリで2月27日にM8.8の巨大地震が発生しました。阪神淡路大震災の三百倍以上に相当するエネルギーで、死者者数と身元不明者数は799人に達する見込みです。被害が少ないのは建築の安全基準と国民の地震への備えがしっかりしているからと言われます
1960年に発生したチリ地震のM9.6が有史以来最大規模の超巨大地震です。このときの地震波は地球を3周したことが証明されています。日本も津波の影響で142名が死亡しました。
2004年12月にインドネシアのスマトラ島沖で発生した地震は、世界で2番目に大きなM9.3の地震で津波の死者は20万人となりました。地震直後に地球全体は約20~30cmの縦揺れが起き、地軸の位置が約7mずれたため、1日の長さが百万分の2.32秒ほど短くなりました。
今年に入って北海道近辺で発生したM5.0以上の地震は次の通りです。
1月15日 十勝市長南部 M5.0
1月16日 北海道東方置き M5.1
2月 6日 チェルボイ島沖 M6.1
2月19日 チェルボイ島沖 M5.3
2月20日 択捉島東方沖 M5.5
3月 6日 北海道東方沖 M5.5
東札幌は30年以内にM6.7以上の地震が発生しても不思議でない地域です。事前の準備で被害を減らすことが可能です。この機会に身の回りをチェックしましょう。(町内広報紙H22年4月1日号)
2-2 いつでも・どこでも・だれでも
北海道犯罪のない安全で安心な地域づくり推進会議の「安全安心どさんこ運動」をご存知でしょうか。人と社会の絆により住みよい地域をつくるため,さまざまな活動を促して広める運動です。
東札幌地域では「犯罪・高齢者の孤独死・いじめや虐待」などの課題を解決するため、関係機関やボランティア団体などの協働による様々な活動が行われています。「犯罪のない安全で安心な地域」はこれらの団体の自主的な活動によって支えられています。
こうした活動に参加していない方でも、挨拶・見守り・助け合いなど日常生活の中でちょっとした協力をいただくことで「地域の絆」が深まります。
もっとも簡単なあいさつは「人間関係をつくる第一歩」です。人と人とが心を通わせ合うきっかけとなる挨拶、あなたが「いつでも・どこでも・だれにでも」できる挨拶から始めてくださるともっと住みよい町内に生まれ変わります。(町内広報紙H22年9月1日号)
2-3 孤独の老人をこのままにして良いのか
10月23日(土)9時から白石区民センターで、白石区地域振興課まちづくり推進係が担当する第41回白石区中学生の主張発表会が開催されました。昨年は第40回という節目に当るので参加動員がありました。今年は自由参加でも多数の方々がみえていました。感動した主張を2~3ご紹介します。
二度の脳溢血で倒れ、こんな体になってゴメンなと車椅子でわびる父を私が支えよう。乳がんで乳房全摘出の大手術後生死をさ迷った麻酔から覚めて「冬休みの宿題は終わったの」と私を気遣ってくれた母。全国に2千人しかいないという痙攣性発声障害を乗り越えようとする母の努力に共感。逆境に立たされてもそれを糧として乗り越えてゆく力強い中学生の姿がそこにありました。
老人が出不精になると体が弱り孤独になる。孤独のまま誰に見取られることもなく寂しく死んでいく高齢者が増えている。孤独になった老人をそのままにして良いのだろうか。老人の引きこもりをなくする方法がないか、インターネットで調べた。友愛訪問をしている地域があった。町内会やマンションの役員が老人の家を訪れて1時間ほど雑談している。親近感が増すと笑顔があふれ、一人じゃないんだという気持ちになりいろいろな集まりにも参加するようになった。自分は関係ないと知らない顔をしていて良いのだろうか。高齢化社会を迎えているのだから、みんなで助け合うことが大切ではないか。
高齢出産で生まれた私は、授業参観におばあちゃんが来てると言われるので学校に来ないでほしいと頼んだ。母は「おばあちゃんって言われるのが、そんなに嫌なの」と悲しそうな顔をした。勉強や友達との会話を通して私は自分の考えをはっきり言えるようになった。5年生になると、授業参観に来てほしいと母を説得した。母はうれしそうに来てくれた。おばあちゃんって言われても恥ずかしいことなんかない。私は思ったことをはっきりいえる。お母さん大好き!(町内広報紙H22年11月1日号)
2-4 4日の直下型地震
12月4日午前6時44分に震度3強の直下型地震があり、震源は月寒背斜に関連する断層で豊平区清田市街地の南西側で46分にも震度2強の余震がありました。すぐそばのゴルフ場「芙蓉カントリー」は漏り土が突き上げられて作業小屋と作業機械が土砂に飲み込まれ、埋設タンクからガソリンが漏れ出し被害額は数千万円になるそうです。ジョイフル・エーケー大曲店や大曲中学校も被害に遭い、4日は同一震源で震度2以上の余震が5回おきています。(町内広報紙H23年1月1日号)
2-5 町内会のある地域
町内会は、北緯43度2分東経141度23分に位置しています。札幌市地震防災マップ(札幌市に大きな影響が想定される野幌丘陵断層帯、月寒背斜に関連する断層、西札幌背斜に関連する断層の震度を重ね合わせ、それぞれの地域において最大の震度を表したもの)で「震度6強」の地帯に指定され、液状化発生の恐れは極めて低く、建物全壊率1%未満の地域となっています。
札幌市洪水ハザードマップ(北海道開発局石狩川開発建設部が堤防の決壊を、北海道札幌土木現業所が堤防の決壊及び小さな河川の氾濫等を考慮した計算によりそれぞれが管理する河川において予想される浸水区域とその深さを5段階に色分けしたもの)で洪水の心配はないとされる地帯です。とは言え、3日間の総雨量が310mmを超えた場合は望月寒川の氾濫と下水道処理能力を超えた浸水が発生する可能性があります。(町内広報紙H23年1月1日号)
2-4 自力避難できますか
阪神淡路大震災ではものの下敷きになって自宅から出れず、大声を出しても何かを叩いても存在を知らせることができずに失われた命がありました。地震で家々が半壊し、所々で火災が起き、道路には横転した車両や瓦礫が散乱します。こんなとき、あなただけは健康で活動できる状態と思いますか。
普段顔を合わせることも挨拶をしたこともない人や、集会活動に参加されない人は町内会の役員でも助けることはできません。どこにいるのか、出かけているのか分からないのです。あなたにはそうなってほしくありません。(町内広報紙H23年1月1日号)
2-7 あなたを助けるのは
家にいるのは危険と感じたとき真っ先に考えるのは避難所へ行くことです。避難所である体育館の錠はダレに頼むと開けてもらえるでしょう。被災者の受付はダレがし、居場所を割り振りするのはダレでしょう。避難している人の問い合わせにダレが答えるのでしょう。血が止まらなかったり骨折したときはダレが面倒をみてくれるのでしょう。
電気もガスも水道も使えません。喉が渇いて水がほしいとダレに言うのでしょう。使えるトイレはダレに聞けばわかるでしょう。薄着で寒いときはダレに相談するのでしょう。避難所は子どもたちがはしゃぐ甲高い声や幼児の泣き声があふれています。決められたあなたの居場所の周囲は顔も名前も分からない人ばかりです。
平成21年度から札幌市ボランティア研修センターは「災害ボランティアリーダー養成講座」を開始しました。災害が起きたときはどのような状態になり、災害弱者とされる高齢者や障がい者をどのように支援していくかを学びます。避難所でお世話ができる地域のボランティアリーダーがいれば、顔見知りの町内会員単位でまとめてストレスを減少させ食料などの供給もスムーズになります。しかし、今回の養成講座参加者は白石区からたった2人の男女でした。(町内広報紙H23年1月1日号)
2-8 これだけは用意を
避難所に備蓄されている食料などはわずかで、子どもやお年寄りが優先されます。健康な人は3日ぐらい食べなくても死ぬことはありませんが、食べなくても出るものは止めることができません。水がなければ水洗トイレは使えず、そこらに放置できるものでもありません。
非常用ポータブルトイレセットはぜひ備えておきたい必需品です。組み立て式のポータブルトイレ1人用3日分の万能トイレ防護袋と凝固剤20袋、処理用大袋1枚でセットになり5~6千円前後で販売されています。安くてよかったではなく、使うときにシマッタと後悔しないようにご注意を。(町内広報紙H23年1月1日号)
2-9 インフルエンザのシーズン到来
雪まつりの前後に蔓延するインフルエンは新型と季節性(A香港型,B型)の流行が予想されています。感染予防には「ワクチン接種」や「手洗い!うがい!咳エチケット!」が有効です。
持病のある方々など、感染することで重症化するリスクのある方は早めに医師に相談しましょう。また、もともと健康な方でも次のような症状を認めるときはすぐ医療機関を受診してください。
〇 大人
・ 呼吸困難または息切れがある
・ 胸の痛みが続いている
・ 嘔吐や下痢が続いている
・ 3日以上発熱が続いている
・ 症状が長引いて悪化してきた
〇 小 児
・ 呼吸が速い,息苦しそうにしている
・ 顔色が悪い(土気色,青白いなど)
・ 嘔吐や下痢が続いている
・ 落ち着きがない,遊ばない
・ 反応が鈍い,呼びかけに答えない
・ 意味不明の言動がみられる
・ 症状が長引いて悪化してきた(町内広報紙H23年2月1日号)
2-10 石狩地方中部地震の詳細
昨年12月2日6時44分に石狩地方中部の深さ3kmでM4.6の地震(最大震度3)が発生しました。
地震の構造は,西北西から東南東方向に圧力軸を持つ地殻内で発生した逆断層型です。地震の後,震度1以上を観測する地震が6回発生しました。地震による建物破損や斜面崩落などの被害もありました。札幌管区気象台の現地調査で,震源に近いところは局所的に震度4~5弱相当の揺れがあったものと推定されるそうです。
月寒断層上では,約15年位に1回の割合で有感地震が発生しています。今回の地震の震央付近では、平成12年10月20日から10月24日と11月20日から11月24日にややまとまった地震活動が起きています。
これらの活動以前にM3.0以上の地震は発生していませんが、石狩地方に範囲を広げると、昭和26年7月18日にM4.5の地震がありました。災害は忘れたころにやってきます。ご注意を。(町内広報紙H23年2月1日号)
2-11 札幌市防災DVDが町内会へ
札幌市危機管理局危機管理対策課が企画し,特殊非営利活動法人環境防災総合政策研究会が編集して,北海道映像記録が制作した「札幌市防災DVD今,あなたにできること」が町内会へ届きました。
DVDは「家庭でできること」と「地域でできること」の二枚組で,防災や危機管理意識の高揚及び自主防災活動の推進と活動の活発化を図る目的で企画されました。内容はシュミレーションや実例などを盛り込んでわかりやすく解説したものとなっています。
DVDに収録された「家庭でできること」は52分,「地域でできること」は86分あります。札幌市は町内会の役員会や総会,防災訓練,各種研修会などの機会に活用を図ってほしいと願っています。
4月に開催する予定している平成24年度定期総会で,まちづくりセンターよりプロジェクターをお借りして「家庭でできること」を放映します。(町内広報紙H23年3月1日号)
A. 家庭でできること
1.オープニング
札幌は自然災害の少ない,比較的安全な街?
2.地震対策編
グラときてからではもう遅い。日頃の備えがあなたを救う。
① 日本は世界有数の地震大国
② 札幌の地震と第三次地震被害想定
③ シミュレーシヨン札幌大地震 そのとき何が起こるのか!
④ 地震災害に備えるために
3.風水害対策編
風水害は突然やってこない! 正しい情報と冷静な行動が身を守る
① 日本各地の風水害
② シミュレエーション豊平川氾濫
③ 風水害への備えと避難行動
④ 土砂災害の特徴と対策
4.家族防災会議
いざという時,頼りになるのはやっぱり家族!
① 家族みんなで話し合い
② 非常時の持ち出し品と備蓄品
③ 災害用伝言ダイラル「171」
④ 避難の心得
〇 クイズで判断
あなたの防災度チェック
① 地震編
② 風水害編
B. 地域でできること
1.地域でできること
実践!自主防災
① 阪神・淡路大震災の教訓
② 地域の情報をまとめる DIG/防災まち歩き
③ 災害時要援護者の支援
④ 自主防災組織のパワーアップ
⑤ 防災力アップのため独自の取組み
2.実践資料編
① 自主防災組織の編成と役割分担例
② 簡易型災害図上訓練の基本
③ 災害で見る災害時要援護者の支援 北野地区町内連合会の場合
④ 防災資機材の使い方
3.実践インタビュー集
① 冬こそ防災訓練 北区ひまわり連合自治会防災会
② 防災訓練で地域の意識が変わった 東区元栄町内会
③ 花火大会&防災会議 中央区北桑園町内会
④ 紙芝居で防災教育 豊平区西岡見晴町内会
⑤ 大規模マンションでの防災会議 厚別区パークアベニュー防災協議会
4.実践アイデア集
① 毛布担架
② 新聞紙スリッパ
③ サラダ油ランプ
(町内広報紙H23年3月1日号)