1 建物は劣化する
1) 大規模修繕の考え方
建物は劣化していきます。建物を長持ちさせるためには、計画的に維持管理することは大切です。
大規模修繕の内容(建築と設備面)
大規模修繕の対象は、主に共用部分で修繕積立金を使って実施します。また、大規模修繕の実施時期は、12~15年周期が一般的で、まとめて工事をすることで効果的に実施できます。
2) 大規模修繕の実施時期
築6年目頃に鉄部塗装を行います。築12年目頃に第一回目の大規模修繕を実施します。大規模修繕の対象となるのは、防水・外壁・塗装部・T鉄部・シーリングなどです。築15年目頃に、共用部設備交換、共用灯交換強調設備交換、オートロック交換、エレベータ籠内補修などを行います。
築18年目頃に鉄部塗装、築20年目頃に自動火災警報器交換、機械式駐車場交換。築24年目頃に第二回目の大規模修繕を行い、防水・外壁・鉄部・シーリング・集合郵便箱交換・ガラリ等金物交換などを行います。
築25目頃に受水槽交換・給水管交換・連結送水管交換・消火栓交換などを行います。築30年目頃に送水管交換・埋設ガス管交換・分電盤交換・エレベータ交換・共用空調設備交換・共用灯交換・強調設備交換・オートロック交換等を行います。
築36年目頃に、第三回目の大規模修繕を行い、防水・外壁・鉄部・シーリング・MB扉交換・アルミサッシとドア交換等を行います。
3) 修繕委員会
修繕委員会の設立検討
修繕委員会は理事会の諮問機関です。場合によっては、理事会で業務を引き受けることもあります。私の住んでいるマンションでは2000年に修繕委員会を設置しましたが、修繕個所を調べることも提案することもなく、会議へ参加するだけで何もしません。
しだいに修繕委員会への参加者が減り始め、理事長が修繕計画を立てるしかなくなりました。管理規約に規定を作ってから設置すると理由をつけて修繕委員会を解散しました。そして、一級建築士のお力をお借りして長期修繕計画を作成しました。
修繕委員会に理事会のメンバーが数名加わると円滑に進みます。
修繕委員会委員の募集は、掲示板や過去へ応募用紙を配付したり、個別に声をかける方法があります。しかし、私の住むマンションでは誰一人興味を持たず、理事たちも理事長にまかせておけばよいという考えでした。みなさんのマンションは違うこと祈ります。
4) マンションを取り巻く環境
大規模修繕委向けて事前に情報収集が必要です。法律も時代に即するように改正され続けています。
・ 標準管理規約改正(2021年6月)
・ 長期修繕計画作成ガイドライン改正(2021年9月)
・ マンション修繕積立金に関するガイドライン改正(2021年9月)
・ 地方公共団体の管理計画認定制度(2021年9月)
・ 管理業協会のマンション管理適正評価制度(2022年4月)
・ マンション長寿命化促進税制(2023年4月)
改正された法律を読んでいないと、知らなかったでは済まされません。マンション全体に大きな損失を招くこともあります。
5) 大規模修繕を知る
大規模修繕セミナーへ参加して、新建材や新工法を学びます。
座談会で他のマンションの取り組みを知ります。個別相談会で悩みや疑問を直接相談できます。
建物の状態を自分たちの目で確認します。(大規模修繕委員会は、建物の自主点検をサポートしています)
建物の自主点検箇所は、
図書及び文書関係
屋上
共用部(階段・廊下・玄関など)
建物の外回り(外部建具、外壁)
敷地内(外構、自転車置き場)などです。
外壁の膨れとエフェロレッセンス