はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第59章 マンション事件簿

2017年10月28日にTKPガーデンシティで開催された建装工業株式会社のマンションセミナーで、マンション管理新聞社の山本和弘代表取締役の講演「マンション事件簿から見る管理組合運営方法」の要約です。

1 マンション管理新聞

・ 様々な角度からの管理組合運営方法の紹介やアドバイス情報を提供しています

駐車場や駐輪場の基礎知識とペット問題紹介、騒音問題、組合財政を潤すアイデアプラン(経費削減、副収入)、各種新商品、新システム紹介、BSやデジタル放送の導入、太陽光発電システム導入、電気料金削減方法等、知って得するノウハウが満載です。

ゴミ減量化、犯罪防止、共用部分のセキュリティ向上作戦から大規模修繕工事に向けた管理組合の合意形成など、各マンションの取り組みを紹介しています。

耐震改修、アスベスト対策工事、外断熱工事、給・排水設備のバリューアップ工事などの最新の維持管理手法を紹介しています。

・ 業界の動向

管理会社やその他翰林業者のニュースや、新たな取り組み、新製品の紹介、見積もり参加者募集などを掲載しています。

・ 自治体・管理組合団体・マンション管理士団体等の動向

各自治体、管理組合団体、マンション管理士団体塔の動きや各種セミナーのお知らせ、当日の詳報。分譲マンションに最もかかわりの深い国土交通省をはじめとした諸官庁関連のニュースも逐次掲載しています。

・ 事件、裁判の詳細

被災マンション建替え訴訟、滞納者管理費事項判決などの詳報、追跡調査。各裁判の判決及び見解~難しい法律問題を分かりやすく解説しています。

・ データ&データ

当社独自の調査データや各団体・期間が発表するデータを掲載(管理の満足度、管理費・積立金の額について、長期修繕計画の作成状況、外国人居住者の割合など)も掲載しています。

マンション管理新聞社のホームページ

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2 最先端のマンション

 2-1 管理組合に「京都環境賞」

マンション管理新聞2015(平成27)年12月15・25日合併号に「管理組合に『京都環境賞』、右京区西京極大門ハイツ、市が表彰」の記事が掲載されました。以下、記事の内容を要約しました。

京都市は12月14日、環境保全の先進的な活動等を表彰する2015年度第13回の「京都環境賞」の表彰式を開き、右京区の西京極大門ハイツ(築39年、190戸)の管理組合法人が受賞した。同管理組合は11年度に特別賞を受賞しているが、環境管理課によれば大賞に当たる京都環境賞をマンション管理組合が受賞したのは初めて。

これまで管理組合法人は、屋上防水でも断熱素材敷設、揚水ポンプの省エネタイプへの交換、共用灯のLED化、全戸窓の高断熱性真空ガラスへの交換など省エネ改修を実施。13・15年にコミュニュテイホール屋上に太陽光発電設備を導入し、14年に関西発とされる外断熱工事も行った

選考理由では、こうした高経年マンションにおける省エネ改修等を住民の合意を得て長年取り組んでいる点と広く情報発信していることを評価し「電気使用量を市内の一般家庭と比べて約36%職掌するなど、大きな具体的成果を収めている」としている

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 2-2 マンションの特徴

京都環境賞を受賞された「西京極大門ハイツ管理組合法人」は、空き室が増加しないように入居希望者を対象にした「管理にかかわる重要事項書」を作成しています。マンションの特徴、コミュニティの状況、NPO法人京都マンション管理評価機構による評価などが掲載されています。築40年でも評価が下がらないマンションは、どのようなことを実践しているのかご紹介します。

マンションの特徴:阪急西京極駅から歩いて約10分。マンション前には京都駅行の市バス等の停留場があり、交通の便の良い立地です。建物は道路より少し奥まって建っており、車の騒音やホコリが少なく住み心地のよいマンションです。

北側に隣接して保育園があり、近年とみに子育て世代の入居が増しています。他のマンションでは例のないコミュニティ委員会が設置され様々な催しものや日曜喫茶などの取り組みも行われている成熟したいコミュニティがあるマンションで、これまでにもNHKや新聞等に数多く取り上げられ報道されていますが、快適な住環境の維持と末永く資産価値を保つために修繕工事や設備改修を計画的に行っていることに加え、高圧一括受電の採用や住戸窓の真空ガラス(スペーシア)への交換、屋上や外壁の断熱化工事などを京都で最初に手掛けスマートマンションとして二度に亘り京都環境賞を受賞したように快適な生活と省エネ対策を両立させる一方、住戸電力幹線や給水管の更新工事、地震に備えてのエレベータ改修に向けての環境整備、取替費用の軽減を図ることを目的に特別会計が設定されており、築年数が亢進しても資産価値を維持し、何時でも売却が可能な、買い手のつくマンションづくりを行っているマンションです

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 2-3 コミュニティの状況

① 集会所で、毎週日曜日午前8時半から11時過ぎまで日曜喫茶が行われ、木曜日に
  自由参加形式の木曜サロンが開催されています。
 ② コミュニティホールでは子育て家庭に絵本の貸し出しや交流の場となるカンガルー
  文庫が開かれています。
 ③ 春の桜祭り、8月の五山送り火鑑賞会や夏祭り、12月の餅つきやクリスマス、住
  民親睦組織の絆会のハイキング、町内会のバス旅行や行事等、住民間のふれあいの多
  いマンションです。
 ④ エントランウホールの展示コーナーは四季折々の飾りつけがコミュニテイ委員会で
  行われています。
 ⑤ バリアフリー改修は徹底して行われており、車いすでの出入りに支障はきたしませ
  ん。
 ⑥ 電機は高圧一括受電方式を採用しているため、通常よりも割安になっています。
 ⑦ 隣接地買収のための特別会計が設置されており、将来ぼ建て替えに向けての準備に
  入っています。
 ⑧ 定期総会に管理組合より決算配当が行われています。(配当実勢平成27年度:持
  ち分1につき18円)
 ⑨ 旅行カバン等の用品貸し出し、鍵保管サービス等を管理事務所で行っています。
 ⑩ エレベータ内にAEDを常置。
 ⑪ エントランス前集合郵便受け名前表示板については管理事務所が管理。
 ⑫ 耐震性向上のため屋上防水層の改修や高架水槽の撤去、住戸扉の耐震蝶番の取り付け、排水か・給水管破断防止装置、ガス管等の更新、エレベータ耐震機能強化等を実施済みの他、非常時に備え防災備品の貯蔵。

NPO法人京都マンション管理評価機構による評価非常に優れた管理を実践。京都のマンション管理組合を代表する先進的な管理を実践している。今まで見たことのない管理内容に驚嘆。マンションの将来を見据えた様々なマネジメントを展開している

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3 無くならない金銭事故

 3-1 理事長の着服事件

2015(平成27)年12月5日付のマンション管理新聞で「被害金額過去最大級、11億7800万円の着服の疑い」が報道されました。

新潟県南魚沼市ノリゾートマンション(築25年、2棟549戸)で管理組合法人の前理事長の男子(68)が管理組合費等合計約11億7800万円を着服した疑いがあることが明らかになった。2011年に発覚した太平洋興発元契約社員による詐欺事件の被害額5億8300万円の二倍以上の金額で、事実ならこれまで明らかになった管理組合役員や管理会社社員による組合資産の着服・横領事件では過去最大になる。

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 3-2 理事長を横領で逮捕

埼玉県東松山のマンション管理組合は管理会社に預金通帳を保管させ、理事長が印鑑を保管していました。(中略)紛失を装って理事長が預金通帳の再発行手続きを行い、管理組合の預金口座より約1000万円を横領しました

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 3-3 理事長と監査に賠償責任

2016(平成28)年11月15日付のマンション管理新聞で「理事長と会計監査に賠償責任 東京高裁、善管注意義務違反を認める」が報道されました。

会計担当役員の着服で多額の資金を失った管理組合が「預金通帳などの確認を行っていれば被害の発生を回避できたのに、通帳を提示するように求めず横領行為を見過ごしてきた」などとして、当時の理事長と副理事長、会計監査担当役員に対し、善管注意義務違反に基づく損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が昨年10月1日、東京高裁であった

高世裁判長は副理事長を除く2人の善管注意義務違反認めた一審判決を支持し、理事長と会計担当役員に連帯して、464万1300円を支払うよう命じる判決を言い渡している。当時の役員が着服に加担した事実は全くないが、理事長や監査の職責が問われた結果となった。判決は確定している。

昨年3月の東京地裁の判決では、理事長、会計担当の善管注意義務違反を認めた。本多裁判官は会計監査に対して、偽造された残高証明書を安易に信用し、会計担当が保管しており簡単に確認できた預金通帳で残高をチェックしようとしなかった点について善管注意義務違反があったと認定。

理事長に対しては、会計業務を担当に委嘱し、会計監査が監査を行っていたとしても、規約で理事長が収支報告をすべき責任者に定められている点から、「収支報告書を確認・点検して会計業務が適切に行われていることを確認すべき義務があった」と指摘。通帳の残高を確認せず、適正な監査がおこなわれているかどうかの確認もない点などから、注意義務違反を認めた。副理事長については、会計事務について具体的な権限がない、などとして注意義務違反を認めなかった

区分所有者に「会計を含め管理運営への関心が高くなく、役員に任せるままであったことも、着服行為が継続して行われた原因の一つと言わざるを得ない。」と結論付け、着服の損害を「理事長と会計監査だけに負担させることはできない」と判断。被害額の九割を過失相殺し、残る一割の464万1300円を損害賠償金額に認定した

高裁判決は、遅延損害金の起算点を変更し、損害金相当額を減じた以外はほぼ同様の判断をしている。

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 3-4 管理会社社員の着服事件

2015(平成27)年10月8日付のマンション管理新聞で「また社員の着服が発覚」が報道されました。

大阪市ガスコミュニティライフ(本社大阪市)は10月7日、業務を受託する大阪市内の2マンションで、管理員2人が総額で管理費等約2億900万円を着服していた、と発表した。同社は2009年に元管理員の約1000万円、昨年には元フロント社員の約6800万円の着服が発覚。今年1月にも管理員による120万円の着服が発覚したばかりだ。犯罪行為が発覚するたびに会社側が講じてきた「再発防止策」は機能せず、もはや管理会社として社旗的信頼に「耐えうる組織基盤がないと言わざるを得ない。

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 3-5 管理会社職員の事件

ほとんどは監査がきちんと会計監査をしていれば防げた事故でした

① テスのフロント担当者が、平成15年に3管理組合から約1654万円を着服。

② 西部ガスリビングのフロント担当者が、平成20年までに約2840万円を着服。

③ 太平ビルサービスの住み込み管理人が、平成20年までに管理費・積立金など約1
  億8千万円を着服。

④ 日本ハウズイングのフロント担当者が、平成20年までに約352万円を詐取。

⑤ 伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社の社員が、平成20年までに5管理組合から
  約1120万円を詐取。

⑥ 大京アステージの係長が、平成20年までに19管理組合から約8000万円を詐
  取。

⑦ 友愛ビルサービスの管理員が、平成20年までに2450万円を着服。

⑧ 東急コミュニティのフロント担当者が、平成21年までに約360万円を着服。

⑨ イオンディライトの管理員が、平成24までに約2000万円を着服。

⑩ 星光ビル管理の会計担当女性社員が、平成24年までに6管理組合から約4000
  万円を着服。

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4 マンションでの民泊問題

 4-1 衆院で民泊新法案可決

2015(平成27)年6月5日付のマンション管理新聞で「民泊新法案が衆院で可決された」記事が報道されました。

住宅地での民泊を認める住宅宿泊事業法、いわゆる「民泊新法」が6月1日、衆院本会議で可決された。参院審議を経て今国会で成立する見込みだ

5月30日の国土交通委員会では、分譲マンションで民泊事業を行うには、届け出の際、、管理規約に民泊を禁止する規定がない旨を記載させるようにするなどのトラブル防止策が提示される一方、民泊を禁止する場合と許容する場合の管理規約例を、法案成立後、早急に提示する考えが明らかにされた。

委員会で中村裕之委員(自民)の質疑に答えた藤井早之政務官は「トラブル防止に向け、マンション標準管理規約を早急に改正し、モデルとなる規約例を示す必要がある。法案成立後、速やかに改正管理規約を公表できるようにする」と答弁。

同日の質疑で、由木国土交通省住宅局長は民泊の可否について「管理規約上で明確にしておいていただくことが望ましい」旨の認識を示した

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 4-2 標準管理規約の改正

国土交通省は、2017(平成27)とする場合及び禁止する場合の規定例を示す「マンション標準管理規約」の改正を行い、住宅宿泊事業に使用することを可能とする場合、禁止する場合に応じて次のように規定するとしました。

標準管理規約の第4章用法の第12条が次のように改正されました。

旧 (専有部分の用途)
第12条区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。

第12条の改正に伴い、(駐車場の使用)第15条の第3項は、家主同居型の住宅宿泊事業を実施する場合は、対象としていないと考えられることから、第18条に④として第12条において住宅宿泊事業を可能とする場合は、必要に応じ、住宅宿泊事業法第13条に基づき掲げなければならないこととされている標識の掲示場所等の取扱いについて、あらかじめ使用細則において明確化しておくことが望ましいとしています。

第12条において住宅宿泊事業を可能とする場合は、管理組合が事業開始を把握することがトラブル防止に資すると考えられるため、例えば、「区分所有者は、その専有部分において住宅宿泊事業法第2条第3項の住宅宿泊事業を実施することを内容とする、同法第3条第1項の届出を行った場合は、遅滞なく、その旨を管理組合に届け出なければならない。」等と規約に定めることも有効である。また、宿泊者等からの誓約書については提出義務を免除する旨を定めることも考えられる、としています。

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 4-3 民泊営業は規約違反

2017(平成29)年11月25日付のマンション管理新聞で「民泊営業は規約違反」が報道されました。

管理規約に違反して、居室でいわゆる「民泊」を行っていた区分所有者の男性に対し、共同の利益が害されているとして、大阪市内の管理組合が区分所有法第57条1項に基づき、民泊としての居室の使用禁止と弁護士費用50万円の支払いを求めた訴訟の判決が1月13日、大阪地裁であった。

池田聡介裁判官は、民泊営業は管理規約に「明らかに違反するもの」だと判断、ごみの放置などが「共同の利益に反するもの」だと認定し、区分所有者側に50万円の支払いを命じた。

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 4-4 民泊停止求め提訴

管理規約で禁止している民泊を実施しているなどして大阪市の管理組合が8月3日、いわゆる「民泊」を確認した5戸の区分所有者と民泊代行業者ら計9者に、民泊行為の停止と約3269万円の損害賠償の支払いを求めて大阪地裁に提訴した。

訴状によれば、原告は大阪ミナミのファミリータイプマンション(築15年、15階建て約100戸)の管理組合。防犯カメラの映像や入館者記録などで民泊が行われていると確認した5戸の区分所有者や民泊代行業者らを相手に、行為の停止や民泊サイトからの登録抹消などを求めた。

この5戸は大阪市がホームページで公開している特区民泊の認可や旅館業法に基づく簡易宿泊書の許可を受けた施設ではなかった。

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 4-5 発覚後の管理規約変更は無効

マンションの一室を「シェアハウス」として使うのは「共同の利益に反する行為」だとして、東京都港区の管理組合が住戸所有者に対して住戸使用禁止を求める仮処分を申請していた事件で、東京地裁は2013(平成25)年10月24日に申請を却下する決定をしました。

争点は、①シェアハウス化に伴い実施された専有部分リホームが理事長の承認を得ていない「規約違反」だった点を根拠に使用禁止を請求できるか。②事態発覚後にシェアハウス利用を禁じる旨変更した管理規約は有効か。③リフホーム後の住戸が建築基準法等の法令に違反し「共同の利益に反する」といえるかの三点でした。

規約に違反して行われたリホームであるが、工事はすでに完了している点から、工事完成による建物の状態や用法が規約に違反しているか、あるいは共同の利益に反するものでない限り、専有部分の修繕に伴う手続きを定める管理規約を根拠に、区分所有法第57条1項に基づく措置として使用禁止はできないと判断した

②は規約の変更が区分所有法第31条1項の「特別の影響」に該当するかを判断した。東京地裁は「管理規約で事務所使用を認めており、もともと居住者と事務所の従業員を判別できなかった」と指摘。計8室に区切られたうち1室は物置なので、最大7人の居住は「1世帯使用より若干増加するに過ぎず、判別が相当困難になるとは認められない」とした

③について「マンション全体の安全性を弱めているなど、他の区分所有者の生命身体の安全性を弱めているなどの影響があるものとは認められない」と述べ、設備の不備が「共同の利益に反するとはいえない」と結論付けた

裁判長は「シェアハウス」化が発覚後に「行われた管理規約変更は区分小有報第31条の「特別の影響」に該当し、無効だと判断。管理規約や建築基準法の違反に対しても「共同の利益に反するということはできない」と結論付けた。

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5 資産価値向上への努力

マンションの住人が、マンションの管理は管理会社に任せてあるから何もしなくても大丈夫と考えていたら、そのマンションはスラム化が進行していると言わざるを得ません。年数を経るにつれてマンションの資産価値は下落し、気づいたときには廃墟と化していると言うのが現実です。

法令上マンションの管理はあくまで管理組合に義務づけられていますので、管理会社や専門業者等に業務を依頼した場合であっても、管理組合として実施状況を把握しておく必要があります。しかし、確認もせずに支払いをする背任行為が見受けられます

管理組合が何もしなければ、マンションは経年劣化で資産価値が落ちていきます。自分たちの財産であるマンションは自分たちで守るとの信念で、マンションの資産価値を上げている管理組合があります。マンション管理新聞の記事からご紹介します。

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 5-1 インターホン改修

マンション管理新聞2016(平成28)年6月25日号に「スマホ利用の『インターホン改修』普及へ」の記事が掲載されました。以下、記事の内容を要約しました。

「インターホン改修が手軽にできるようになった」と、マンションの管理組合や管理会社から評判となっている製品があります。防犯システムを専門に手掛ける「西電通(本社大阪)」が開発した、スマートフォンを使ったインターフォン改修システム「てれあ~く」という製品です

住戸の故障したインターフォンを代用させるもので、集合玄関で部屋番号を押すとスマホにつながり、映像と音声で相客を確認できる画期的な性能を持つ製品となり、首都圏や関西圏だけでなく、地方都市のマンションでも導入が進められています。

管理規約によりますが、分譲マンションの場合は共用部の自動火災報知設備との連動になっているものが多く、インターフォン設備を共用部として長期修繕計画で更新時期を設定しているマンションが多いのが現状です。

全戸が一斉交換となると多額の費用がかかります。その点「てれあ~く」は、現在のインターフォンはそのままにして、故障した住戸から導入することができる手軽さです。費用も格段に安く、一度に支出される金額も抑えられるので資金計画も立てやすい利点があります。

従来のインターフォンメーカーは補修部品の保有期間を生産終了後7年とし、ストックしている部品がなくなり次第修理不可能としています。そのため、数台しか故障していないのに「部品がない」として、やむなく全戸一斉取替を実施したマンションも少なくありません。

ガスや火災等の警報表示付きであっても故障しなければそのままで、故障した場合には警報機能単独のセンサーを設置できる構造のため、問題はありません。

実際の工事は、集合玄関機にインターネット回線と接続する専用機をつなぐだけです。部屋番号とスマホの番号を設定すると、集合玄関で部屋番号を押すとスマホにつながり、共用玄関の開閉もスモホの画面できるというものです。また、一住戸で数台のスマホにも対応できます

インターフォンの場合は、全戸一斉交換となると室内へ入っての配線工事が必要ですが、「てれあ~く」は室内の工事は不要です。格安で手軽に個別対応を可能とした「てれあ~く」は、分譲マンションに適したインターフォン改修システムと言えます

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 5-2 駐車場ゲートの自動開閉

マンション管理新聞2015(平成27)年10月20日号に「ごみ置き場の改修で資産価値アップ」の記事が掲載されました。以下、記事の内容を要約しました。

高速道路のETCレーンと同様の仕組みで車両を検知・識別して、マンションの駐車場ゲートを自動開閉するシステムが注目を集めています。「マンションETCシステム」を開発したのは、船舶用電子機器総合メーカーの古野電機株式会社(本社兵庫県西宮市)です。

「マンションETCシステム」は、名前の通りETCが搭載されていれば、車を近づけるだけでゲートが自動的に開閉するシステムです。

駐車場利用居住者の車両をゲート前に停車させて専用のカードをかざせば登録が完了し、登録車以外の車はゲートが開かずセキュリティも万全となります。

東京都江戸川区のクレストフォルム東京アクアグランディオ管理組合(築11年332戸)の駐車場に、リモコン式のチェーンゲートが設置されていました。車高や車の形状等でチェーンが見えにくいこともあり、前の車に続いて出入りしようとした際にチェーンが上がってきて破断したり、下がりきっていない状態で侵入したためにチェーンが破断する事故が年に5~6回発生していました。

チェーンのフックが外れた程度であれば管理員でも直せますが、チェーンの破断に伴いメーカーに修理を依頼すると、部費代に加えて出張費や修理作業費等で一回当たり4~5万円を要します。チェーンの昇降速度を変えることも検討しましたが解決策はでません。

「マンションETCシステム」を導入して二ヶ月が経過し、今のところチェーンの破断事故は起きていません。ETCシステムで両手が使えるようになり、安全面も向上したとの声も多いそうです。

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 5-3 ゴミドラムの導入

マンション管理新聞2015(平成27)年12月15・25日合併号に「ごみ置き場の改修で資産価値アップ」の記事が掲載されました。以下、記事の内容を要約しました。

ゴミ置き場の衛生管理向上化をきっかけに、マンション全体の環境と美観を激変的に向上させたのは大阪府東大阪市の「東大阪サンハイツ(築40年、10階建て)」です。ゴミ置き場改善の目的がごみを圧縮して貯留する「ゴミドラム(日本クリーンシステク製)」の導入で、行政によるごみ収集日にかかわらず24時間365日のゴミ捨てが可能になりました。

改修前の写真は正月明けの最初のゴミ収集日の状態です。年末最後の収集から一週間以上が経過していることから、不法投棄が重なってゴミの山と化しています。

それが今では改修後の下の写真のように、見違えるように様変わりしました。「ゴミドラム」を導入したことでごみ収集日が長期間空いても、すべてドラムに集積可能となりごみが表に出ることはゼロになりました。

ゴミドラムの導入は、ごみ置き場の改造が必要となるため予算は2千万円強となり、修繕積立金を取り崩しての導入となりました。理事会は「周辺の新築マンションに対抗できるよう、最新の設備を導入してマンションの資産価値を向上させるとともに、衛生管理の向上は資産価値にもプラスすることになる」と訴え、住民の合意を得ました。

衛生管理の向上がマンションの資産価値向上につながっている一つの証でした

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 5-4 宅配レンタカー

マンション管理新聞に「宅配レンタカーでマンションライフが一変」の記事が掲載されました。以下、記事の内容を要約しました。

レンタカーをマンションまで届けてくれて利用後もマンションまで引き取りに来てくれる「宅配レンタカー」に人気が集まっています。宅配ロッカー最大手の「フルタイムシステム」と日産レンタカーが共同で開発した「宅配レンタカー」がマンションライフを大きく変えようとしています。

「宅配レンタカー」は5月末現在、25棟のマンションで導入され770人が会員になっています。

利用方法はマンションに設置されたレンタカーの駐車場を予約した後、パソコンやスマホなどで好みの車種のレンタカーを予約します。配車時にフルタイムロッカー(宅配ロッカー)に預けられた車両キーを受け取り利用します。利用料金は日産レンタカーに事前登録したクレジットカードで支払います。

現在の車の利用状況は、週末に買い物やレジャーで6時間程度、年間に宿泊を伴う旅行で2回、年間に遠出の日帰りレジャーで2回、この程度の利用が平均といったところでしょう。

日産のマーチを例に、車を購入した生活と「宅配レンタカー」でコストを比較すると、宅配レンタカーのほうが年間で約20万4000円安く済みます。購入した車を長期間維持すると、車検代やメンテナンス代、日常の洗車代等のコストが必要になります

車両代自動車税保険維持費駐車場年度計
  購入468,000 34,500 84,000 21,600 120,000728,100
レンタカー524,160費用に含む費用に含む費用に含む費用に含む524,160

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