はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第58章 大規模修繕の注意点

2017年10月21日に札幌市コンベンションセンターで開催された一般社団法人マンション大規模修繕協議会主催のセミナーで、木村純札幌支部長の講演「組合員が安心してできる大規模修繕工事」の要約です。

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1 大規模修繕計画

マンションの大規模修繕の築年数とタイミングは次のようになります。入居時の年齢と照らし合わせてみてください。

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 1-1 本来の大規模修繕工事とは

本来の大規模修繕工事は、建物の傷んだ箇所を修繕するだけではなく、より長持ちできる建物に改良することです。精度の高い大規模修繕工事を行うためには何をすればよいか考え、どうすれば設計事務所、施工会社が精度の高い大規模修繕工事を実施できるか考えます。

マンションと一生付き合うためには、大規模修繕工事の目的と改修回数により目的が異なることを認識し、次の大規模修繕を視野に入れた準備が重要です。

大規模修繕1回目・・・劣化に強い改修

新築時からの不具合と劣化の原因を把握します。現況を考慮し、修繕することで2回目の大規模修繕工事費用を低減します。

大規模修繕2回目・・・社会環境に即した改修

改修時点での社会環境に適合する規格(耐震やバリアフリーなど)の付加、また新築時にはなかった発想や配慮を修繕工事に盛り込みます。給排水設備の劣化状況の調査診断を行うことなどにより将来の修繕計画の見直しにも備えます。

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 1-2 大規模修繕工事の特殊性

・ 居住者が住みながらの工事を行う、日常生活の場が工事現場となる。

・ バルコニー・共用廊下・階段などの使用制限を受ける。(洗濯物を干せない等)

・ 監理者による工程や品質管理同様、居住者へ工事情報等の十分な周知が必要。

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 1-4 失敗のない大規模修繕工事

・ 組合員に建物の劣化状況を的確に伝える
    工事内容をイメージ化できない、ということのないように。

・ 理事会や組合員とのコミュニケーション
    居住者全員での意見交換でよりよい修繕工事へ。

・ 大規模修繕の必要性を納得してもらう
    周知のための勉強会や資料提供、近隣の施工現場見学も。

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 1-5 スケジュールの確認

・ 工事実施について検討・・・工事実施2年前から
    大規模修繕の準備は、工事の2年前から始まる。
    修繕委員会の設置、現状確認、工事の実施を決定、パートナーの選定など。

・ 大規模修繕工事の準備期間・・・工事実施1年前から
    事前アンケート調査、バルコニー調査、調査報告会、設計説明会。
    業者選定、業者ヒアリング、施工業者契約、工事説明会。

・ 大規模修繕工事の実施期間・・・工事の実施年
    施工立ち合い、完了検査立ち合いなど。

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 1-6 修繕委員会

  1-6-1 修繕委員会の立ち上げ

大規模修繕での立場を明確にします。

一部の理事が修繕委員会の委員を兼務することで、理事会の意向も伝わり業務がスムーズに運びます。
 但し、理事長は委員を兼務しないほうが良いとされます。

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  1-6-2 修繕委員会の役割

大規模修繕は何年にも渡り続けるプロジェクトです。

・ 相談できるパートナーを探す
    工事スケジュールや工法も検討します。

・ 工事時期の仕分け
    調査診断の緊急工事の判断。

・ 施工会社の検討
    緊急性がある場合、数社から見積もり徴収し比較。

理事会の諮問機関として修繕委員会を立ち上げます。人選は2年以上共に活動するため、チームワークが取れる人、まとまった時間が取れる人を選出します。

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  1-6-3 修繕委員の募集

・ 組合員から公募します

・ 理事長や理事経験者が望ましい

・ 建築関連実務者は知識があるのでベター

集まらない場合は理事会にて候補者を選出し、個別にお願します。

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  1-6-4 トラブル防止

理事会と修繕委員会のトラブルを避けるために、理事会委と修繕委員会の意思決定の方法を決めておきます。

○ 多数決      × 全員一致

○ 無記名投票    × 挙手

2 大規模修繕の事例

 2-1 自主点検

自主点検でマンションの実態を把握します。築年数や立地場所、施工精度に修繕履歴など、個々のマンションで実態が異なります。

自主点検で現状を把握することが重要です。竣工後すぐに発見し、保証証書期間内であれば無償で修繕も可能です。

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 2-2 修繕計画見直しの現場

神奈川県内のマンション
   団地型47棟 約1,200戸 築49年 第3回目の大規模修繕工事

     修繕設計(済)
      
      修繕設計の見直し
      施工会社選定支援業務

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  2-2-1 根本原因の未把握

6年毎に防水補修・トップコート塗布をしていましたが、水漏れが起きていたのです。

アスファルト防水補修。トップコート塗布を6年ごとに実施していましたが、防水層の裏に水溜りが発生していました。根本原因が把握できたいなかったのです。

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  2-2-2 シーリングの放置

防水とシーリングは同じ業者と業種ではなかったのです。補修を繰り返しても、水の入り口は改善されていません。業者はトップコート塗布と補修作業のみで、シイーリング取替を提案していないのです。

管理組合の立ち合いと確認の下での直接発注ではなく、任せきりが原因ともいえるのです。

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  2-2-3 任せっきりの弊害

管理組合の立ち合い、確認の下での直接発注ではなく、任せきりも原因でした。

専門家の監理、アドバイス、工事完了確認、を依頼したほうが安く済むのです。

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3 設計事務所の必要性

 3-1 設計事務所の導入メリット

・ 組合員の立場で提案できる部門・・・技術者が必要。

・ 調査診断・設計・施工会社選定・工事などにおける適切な判断とアドバイスができ
  ます。

・ 工事が適切に実施されているか、一級建築士による詳細検査を実施。

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 3-2 設計事務所への要望

  3-2-1 管理組合への対応

・ 組合内に事情を把握してもらう。

・ 全組合員の要望を把握してもらう。

・ 組合員の立場に立った提案と分かりやすく説明できる資料作り。

・ 理事・修繕委員と一緒になって苦労を分かち合う。

・ 組合員と理事会・修繕委員とのつなぎ役。

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  3-2-2 施工者への対応

・ 工事予算とすり合わせ(必要工事か否かを判定)

・ 調査診断・設計・施工会社選定・工事など各段階で適切な判断とアドバイス。

・ 工事が契約通りに実施されているか監視と組合員へ工事状況の周知。

管理組合と設計事務所が計画から竣工まで二人三脚で行動するため、能力に長けた人を選ぶのが重要なポイント

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 3-3 設計事務所の役割

  3-3-1 設計事務所の選定

・ 項目別の見積書
    建物調査診断、要項書作成、設計業務、工事監理。

・ 付加提案
    外観からの概況での提案など。

・ 会社案内
    一級建築士の有資格者数など。

・ 大規模修繕設計・管理の実績
    過去3年間に実績など。

書類選考を行い、理事会・修繕委員会にてプレゼンテーションを実施し選定します。

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  3-3-2 設計事務所の役割

・ 建物調査・診断

・ 修繕改修設計

・ 施工会社選定支援

・ 工事監理

・ アフターフォロー

組合の立場を尊重し、リードしてくれる専門家としてアドバイス。

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  3-3-3 設計事務所選定ポイント

透明性  公平性  第三者のチェック

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4 建物の調査診断

建物の現状を確認するとともに、劣化に至った原因を判定し追及します。

  4-1-1 目的と役割

組合員に建物の状況と今後の変化予測を伝え、大規模修繕をいつ・どのように行うべきかを明確に伝えます。

① 建物の劣化状況。その原因を正確に把握。

② 次回の大規模修繕を15年後とするための修繕方法と材料を検討。

③ 精度の高い工事概算金額書を作成し、適切な工事費を確保。

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  4-1-2 スケジュールの作成

理事会や修繕委員会との打ち合わせに基づき

① 建物調査・診断実施の周知

② アンケート協力依頼

③ 修繕履歴・竣工図書の借用

④ その他確認事項

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  4-1-3 アンケートの役割

・ 組合員が建物の傷みなどで気になっていることを把握する。

・ 組合員が生活するうえで改善してほしいことを把握する。

・ バルコニー調査をする住戸の決定。
    全戸数の10~20%を目安とする。

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  4-1-4 アンケートの実施

全戸にアンケート配付(バルコニー立入調査協力の確認)

      

立ち入り調査先のリストアップ(希望者、問題があるところ、最上階、ルーフバルコニー面、階段)

      

立ち入り調査のご案内(協力者に対しての調査日確認)

      

バルコニー立ち入り調査(決定した調査日を連絡)

      

       調査実施

館外組合員への通知は管理会社に依頼する。

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  4-1-5 アンケートの分析

管理組合の要望が大規模修繕の対象と「なる」「ならない」を組合員にきちんと報告し周知徹底を図る。

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  4-1-6 修繕履歴・竣工図書の把握

修繕履歴と竣工図書から建物概要・使用材料・修繕面積など、建物の特徴を把握します。

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  4-1-7 その他確認事項

業務を効率よく行うために以下のことを確認します。

・ 集会場、駐車場の借用

・ 屋上の鍵、梯子の借用

・ 物性試験のための電源・コンセント・鍵の使用

・ 管理員の勤務スケジュール

・ 修繕委員長と理事長への連絡方法(メールアドレスなど)

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5 詳細な調査と診断

 5-1 現況を目視・触診

外壁タイル・塗装のひび割れ・雨季・爆裂等の劣化状況を発生範囲とその原因を確認します。

現状を認識するとともに、徹底的に原因を究明します。図面と現状が食い違っている場合があり、調査・実測のうえ図面を修正します。

部分調査から建物全体を推定します。

屋上、ルーフバルコニー、外壁(塗装・タイル)、鉄部、バルコニー、開放廊下、外階段、エントランス、外構、その他施設(駐車場、駐輪場など)。

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 5-2 建物の共用部

・ 目視調査  防水材、建具などの劣化。

・ 触診調査  チョ-キング。

・ 打診調査  タイルやモルタルの浮き。

・ 物性調査
    タイル付着力試験・塗膜付着力試験、コンクリート物性試験、シーリングの物性
   試験

  

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 5-3 問題点の診断

報告書を基に改修設計、工事範囲・工法を決めます。

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 5-4 問題点の報告

建物の状況を分かりやすく伝えます。組合員に状況を把握し、関心を持ってもらうことが大事です。また、欠席者や外部の区分所有者へも配付して情報を共有します。

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 5-5 改修要望を反映

組合員からの修繕箇所、改修要望などを反映し、大規模修繕工事の概算工事金額書を作成します。

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6 設計監理

 6-1 修繕実施設計

・ 修繕内容・方法の整理・決定

・ 長期修繕計画との調整

・ コスト削減の立案

・ 図面の作成

・ 見積仕様書(仕分け所、内訳書)の作成

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 6-2 資金計画の確認と検討

・ 大規模修繕工事は今回だけで終わるものではありません。

・ 組合員の積立金を大事に活用しなければなりません。

ムダ使いせず、中長期的視点での提案をします。資金計画のもとで修繕方法をえらびます。

新築の未施工部分も対象になります。
     

・ 同じ劣化を繰り返さない。
     改修材料は新築時同等以上のものにする。

・ リカバリー改修
     今後の劣化・破損・汚れを生じない改善策

次の大規模修繕を念頭に入念な検討が必要。

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 6-3 工事仕様・工法・範囲等検討

タイルや塗装の浮き、壁、天井、床のひび割れなど。

・ 調査・診断に基づいて数量による設計予算を提示し、優先させる。

・ 工事範囲、項目を絞り込む。

・ 組合員アンケートも含めて検討。
    工事保証内容の明確化

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 6-4 修繕周期を伸ばす改修

修繕周期を15年に伸ばす改修は、部分詳細図の活用します。

修繕周期を伸ばすには新築時の状態よりも性能を向上させることが大事です。「部分詳細図」を参考に調査チーム内で十分な打ち合わせをし、最善の改修提案を行います。

排水溝に防水なし。シート端部シーリング  排水溝にウレタン防水。シート端部シー
なし。笠木塗装仕上げ。          リング。笠木ウレタン防水。ウレタン防水
                     とシートを重ねる。

部分詳細図①

新築時の外部廊下、バルコニー床面と立ち上がり部は防水が最小限に施工されているケースが多い。

ウレタン防水と床シートの複合防水で防水層を作り躯体を守る。

笠木部は新築時には塗装仕上げが多いがウレタン防水にする。

部分詳細図②

出窓の屋根が外壁と同じ塗装で仕上げられている。  出窓の屋根をウレタン防水で仕
塗装がはがれ、コンクリートが露出している。    上げる。防水性が向上し、コンク
                         リートが保護される。

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 6-5 一番重要な防水工事

防水工事で一番重要なのは、「端末(納まり)」「既存下地」「使用環境」の問題等を考慮することです。

防水性能の高い仕様であっても、部分詳細の検討や下地調整を適当に施工した場合は、本来の目的「漏水させない機能」が不十分となります。防水層の更新だけでは漏水が止まらないケースも出てきます。

設計説明会を開催   工事計画内容を組合員へ周知

内容・予算はもとより「住環境がどう改善されるか」を伝えることが設計監理者の大きな使命です。

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施工会社選定支援業務

組合目線で対応、品質確保ができる施工会社を選ぶ。

・ 施工会社の経営状況分析評点Yを事前に調査する。

・ 過去に行った物件を見る。

・ プレゼンテーション時に施工管理者の人間性、技術力、大規模修繕知識・実績を確
  認。

・ 修繕周期15年認定技術者が在籍、一緒に取り組める会社。

・ 将来にわたり品質保証できる優秀かつ倒産しない会社。

同じ工事でも

10年経たずに劣化が著しいマンションと、15年経っても問題のないマンションは何が違うのでしょう。

施工不良を防ぐ最良の方法は、

・ メーカーの「施工手順書」通りに正しく施工すること。

・ 適切な工事記録を作成し「可視化」することで、建物の寿命は施工精度で大きく変
  わります。

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7 工事監理

 7-1 着工前研修の実施

工事監理者が中心となって品質管理、チェック項目、検査項目。時期、工程管理及び組合員への周知方法などの確認を行います。

着工前の入念な確認

・ 工程スケジュール

・ 施工計画、品質管理

・ 施工要領、検査手順

・ 部分納まり詳細

・ 管理組合への周知方法

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 7-2 工事監理 ①

施工計画書、要領書、見積もり内訳書が間違っていないかの確認をします。

・ 試験施工の実施

   防水、タイル、塗装、シーリング、金物。

・ 工程検査

   着工前検査、中間検査、足場解体前検査、施工検査。

・ 不良工事の対処

着工前に確認及び決定したことが反映されているか確認します。

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 7-3 工事監理 ②-①

劣化箇所の再チェック
   塗装、タイルのひび割れをチェックし工法を確認します。

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 7-4 工事監理 ②-②

タイル浮き箇所のチェック

直接雨水の侵入に影響を及ぼさない箇所やタイル周辺の目地が劣化していないか比較的軽度の場合、ネジピンを差し込み樹脂を注入し固定する方法でタイルを貼り替えをしません(工事費節約)。

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 7-5 工事監理 ③

丁寧な施工(下地との相性、色、模様合わせ)組合員全員の意見を聞きます。

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 7-6 工事監理 ④

作業進捗の組合員・居住者広報の確認。事前に組合員に理解していただくことが大事です。

工事の進捗情報、注意事項など工事監理の報告を組合員が身にしやすいエントランス、ホール等に掲示します。

いま何を行っているのか、組合員と居住者が常にわかるようにします。

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 7-7 工事監理 ⑤-①

作業の確認。チェックシートを活用して工事の確認を行います。

管理組合側に立った精密な工事監理を心掛けます。

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 7-8 工事監理 ⑤-②

チェックリスト、第一の目的は
  検査項目を明確にし、チェック漏れを防ぎます。

一番重要なのは、管理組合と設計事務所が決めた大規模修繕工事の基となることです。

特記仕様書及び設計図を明確にし、施工会社が提出した施工計画書、要領書、見積もり内訳書に記入漏れ、数量間違いなどがないかを確認します。

不正確なままでは間違いが発生し、チェックの意味がありません。

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 7-9 工事監理 ⑥

作業状況の確認。測定機による細かなチェック(塗膜厚、防水膜圧検査など)をします。

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 7-10 工事監理 ⑦

ある現場での出来事

シーリングの打ち換えの際に工事仕様書で全面打ち換えを指示していましたが、除去せずに既成のシーリングの上から打ち増しをしていたことが分かりました。

外見上では分からないため澤手で確認が必要です。業界全体のモラル・技術・施工精度の底上げが必要です。

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 7-11 工事監理 ⑧

不良工事の防止は、記録写真を撮ることです。各工程ごとに写真を残し、指定された施工方法の確認をします。

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 7-8 工事監理 ⑨

仮設足場解体前の外壁をすべてチェックします。工事監理によるタイル全面打診検査によるチェックです。


二重チェック検査の導入:大規模修繕協議会認定技術者による工事検査を実施します。

協議会では第三者的観点から総合的で純粋な判断ができる認定技術者による検査を実施します。

二重チェック検査の導入で、監理・施工の不備を防ぎます。「検査記録」「検査写真」「工事監理チェックシート」などの書類確認と現場の検査。

監理の二重チェック検査体制  屋上防止、バルクニーの全チェック。

二重チェック検査による打診や触診による検査。検査において的確に施工が行われていれば、協議会から管理組合に検査合格通知を発行します。

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8 継続的な維持管理

工事終了後~次回の大規模修繕まで。

 8-1 アフター点検

マンションを維持管理し続けるために。

三者による点検
   管理組合
   設計事務所
   施工会社

アフター点検の実施時期
  1・3・5・7・10・13年目。

外壁・屋上防水・階段・廊下等各項目ごとに点検調査。

不漁箇所の早期発見、想定外の劣化に対応。

直ちに不具合ヵ所を補修します。

早めに補修を行うことにより、建物が長持ちします。

また塗料や材料の保証切れ前のチャックと補修。

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維持管理に欠かせない中間期の施工

劣化した場所を見つけられれば、部分的に補修も可能、後々における下地の補修なども最低限に抑えられます。

塗り替え不要なメンテナンスフリーの防水資材もあります。

鉄骨階段は亜鉛メッキ仕様が多く、25年程度の耐用年数があると言われているので塗り替えの頻度は少なくなります。

築15年以上のマンションでは、スチール製塗膜仕上げが多く、特に雨掛り部では中間期の塗り替えが必要です。

鉄部塗装を必要とする部位

機械式駐車場、鉄骨階段、外構回り扉類、玄関扉やメーターボックスなどの廊下回りの扉類、屋上回りの鉄部など。

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 8-2 管理組合の禁止事項

絶対に一つでもやってはいけません

・ 人任せの工事
   どの方式で進めるにせよ管理会社や設計事務所、施工会社へのお任せは禁物。

・ 無理な値引き交渉
   大切な修繕積立金ですが、大幅な値引き交渉は材料の質や量の低下を招く恐れも。

・ 施工会社選定を見誤る
   第三者の立場でコンサルできるか設計事務所を見つける。

・ 「自分ごと化」が不足すること
   管理組合をはじめ大規模修繕にかかわる人たちが「自分自身の問題」として受け止
  め理解すること。

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 8-3 大規模修繕の三大ポイント

   日ごろから組合員同士の人間関係も大事です

・ 他人任せにしない
   自分たちのマンションは自分たちで守る強い意識を持つ。

・ 決定を急がない
   自分たちの財産を守るために十分な時間をかけてプランを練り、信頼できるパート
  ナーとベストな方法を選択します。

・ 組合員の関係を良好にする
   大規模修繕を無事に成功へ導くには、組合員の合意を得ることが非常に大切なため
  一つ一つ丁寧に説明を積み重ねて理解できる状況にすることが重要。

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謝辞:文中に掲載しました写真類は、講演のレジメから転載させていただきました。ありがとうございます。