1 高層マンション建築計画
2006(平成18)年1月30日、幅8m道路を挟んだ東側の空き地に「15階建て分譲マンション建築計画」の標識が立ちました。2004(平成16)6月28日で理事長を下りているため、マンション管理組合へどのような情報が届いているのかわかりません。
町内会設立三十周年記念誌「ふるさとまくらぎ」には「高層マンション建築への対応」として次の文書が掲載されています。
平成18年1月30日夜のNHKニュース特集で、高層マンション建築後に発生した被害は保障皆無が現実とされ、番組の中では「高層マンション建築前の状態を証明できなければ、高層マンションの建築により被害が出たとは認められない。」ため、事前に風向きや風速などの環境調査やビル風による影響防止と保障方法などを建築主と話し合うように勧めていました。「復水盆に返らず」の例えもあり、環境が変化してからでは遅いのです。(98ページ)
高層マンション建設に伴い発生するであろう「ビル風」が気になりますが、マンション管理組合は周囲の変化に注意を払っていないようです。幸か不幸かわたしは町内会の総務部長であったため、役員会の了解を得て建設会社へ「高層共同住宅建築に伴う説明会の開催依頼について」の文書を出しました。
2月24日(金)午後6時30分に開催された「説明会」に、マンション管理組合の理事長夫人以外は役員も住人も誰一人出席していません。ビル風に対する懸念を伝えましたが風の変化についての想定は不可能とされ、これまでのマンション建設で問題となるようことは起きていないという回答でした。
町内会と建設会社は「提起された配慮事項」について文書を交わすことで合意に達し、管理組合からビル風への懸念などがあった場合は町内会長へも内容を連絡いただくよう依頼しました。
2006(平成18)年6月18日のマンション管理組合総会で理事長に選任され、翌年の2007(平成19)年8月に15階建てマンションが隣に完成して9月より入居が始まりました。
2 初めてできた雪庇
2008(平成20)年2月29日の理事会報第248号で「人身事故防止で東棟屋上の雪庇を除去」をお知らせしました。
2月の12日から毎日降り続いた雪は例年並みの積雪となり、かなり強い風が吹き荒れたので家々の屋根には雪庇ができました。18日午後、厚別の15階建てエクセルシオールひばりが丘の屋上から雪庇を落としていた作業員が転落死しました。命綱を付けていなかったのが原因とのことです。
晴天の19日朝、東棟玄関の屋上を見ると雪庇が張り出していたので、給水設備工事のときにもらった竹竿で張り出し部分をそぎ落としました。
東棟の五階屋上北側と東北側に少々、南東側には雪庇がかなり張り出しています。五階屋上の北側と東北側は幼稚園バスが止まる位置に近いので、万一雪庇が落ちたら大怪我ではすまず、幼児の将来にも影を落とす可能性があります。
平成15年7月の理事会屋上防水補修作業で購入した命綱と理事さんが寄贈してくださった安全ベルトを着用し、雪庇と建物の縁に積もった雪を下へ落とさずに取り除きました。屋上中央に雪山ができましたが、雪割り状態となり溶けやすくなったと思いました。
ところが23日からの猛吹雪で除雪痕跡はすっかり消えました。すさまじいまでの吹雪とこれほど多くの積雪は、この地に住んではじめて経験する現象です。
六階屋上はフェンスの高さまで雪が積もっていました。エレベーター保守の技術者が械機室までたどり着けるよう90cm幅で除雪しました。東棟エレベーター機械室への階段は吹き溜まりができています。除雪作業は2時間半かかりました。
大規模修繕工事の資金を貯めるため、管理会社から第三者への外注を禁止してやればできそうなことはすべてやりました。命綱をつけていたのは最初の時だけで、お勧めはできませんが除雪方法を工夫することで落下を防止し、高所恐怖症はほとんど解消しました。
屋上の除雪を終えて東側の道路へ落ちた雪がないか調べていると、高層マンション屋内駐車棟の屋根から雪庇が張り出しているのに気づきました。かなりの量です。
私たちのマンション屋上を抜けた西風は、高層マンションの西壁に当たると下降気流となって屋内駐車棟の屋根上を流れ、屋根の西側に大きな雪庇を形成したと考えられます。危険ですよと管理員へ連絡しました。
3 お隣りの雪庇
2008(平成20)年12月31日の理事会報第268号で「行く年に名残を惜しんで猛吹雪が襲う」をお知らせしました。
12月25日は町内に積雪は見られません。時々青空も広がって割合暖かな一日となり、クリスマスのイメージからは程遠い様子でした。夜に入って吹雪き始め、夜半からは稲妻と雷鳴が加わり26日が明けても吹雪は治まる様子がありません。積雪は一気に15cmを超えて東西棟玄関前と駐車場を覆い隠しました。
猛吹雪は屋上の雪を吹き飛ばし、降雪量が少ない年のため春まで雪庇のできた日はありません。
建物周囲巡回中に隣の駐車棟をみると、屋根から張り出している雪庇がリングドーナッツのようになっています。歩行者がいるときに落下すると危険なので高層マンションの管理員へ確認するよう連絡しました。翌日の午前中に、二人の管理会社職員がみえて、一人を見張りに立てて落としていました。以後は毎年きて取り除いています。
4 除雪方法を改良
2010(平成22年)年1月29日の理事会報第295号で「大寒の20日は屋上の雪庇を除去」をお知らせしました。
町連の「駐車違反等防止パトロール」から戻った19日の21時に、東棟屋上の雪庇に気付きました。危険な状態ではありませんが、放置していると平成20年の冬のように大きくなります。20日の正午に気温が5.3℃まであがり、凍り付いている部分が溶けたので取り除きました。
屋根の端まで90cm~1m幅に開けるようになり、除雪した雪は屋上の中央部分に積み上げました。この冬の屋上除雪は二回だけでした。
5 もっとも多い積雪
2011(平成23)年1月16日の理事会報第334号で吹雪と異常な大雪で東棟に雪庇出現」をお知らせしました。
晴れ渡った空を見上げると、東棟の六階屋上と五階屋上から雪庇が張り出していました。11日の午後、五階屋上の北・東・南側の笠木のふちを1m幅で除雪してから雪庇を取り除き、六階屋上からいまにも落ちそうになっている東側の雪庇を除去しました。また、東棟と西棟玄関の風除室屋上からも雪庇がはり出し、小さな子どもや足腰が弱っている方々の上に落ちると冷たいだけではすまなくなります。積もっている雪を3.5mのハイポールでそぎ落としました。
2日の深夜から13日の正午にかけて降り積もった大雪で、屋上に雪庇を形成しそうな積雪を除去し、自転車置き場の庇と北側モニュメント上の雪だまりもハイポールでそぎ落としました。
来年度は防水層が新しくなるので、雪庇除去は不要の作業になるかもしれません。もし、これまでと同様に雪が付着して雪庇ができるようなら、危険な場所なので対策を考えなければなりません。
6 頭上注意を周知
2011年(平成23)年1月23日の理事会報第335号で「通勤や買い物時は建物からの落雪に注意」をお知らせしました。
この冬は気温が低く積雪が解けないという状態が続いているため、地下鉄白石駅へ向かう環状線沿いのビルに雪庇ができています。通勤通学時や買い物の行き帰りは、足元だけでなく頭上もご注意ください。マンションの北側に貼り出していた雪庇は取り除きました。
7 大規模修繕後の状態
2012(平成24)年1月23日の理事会報第361号で「東棟玄関スロープ通行時は頭上注意雪庇除去作業中は通行を禁止に」をお知らせしました。
雪庇除去装置は様々な製品が開発され、雪庇ができる前に雪を風で吹き飛ばす方法、電熱で雪庇を溶かす方法、太陽熱を利用し雪を細かく裁断して落す方法などがあります。四番地のお宅は、建物の東側に雪庇ができないよう風で吹き飛ばす装置を昨年取り付けました。三番地の町内会副会長宅は、電熱で雪庇を溶かす装置を取り付けていますが、電気代が嵩むのでスイッチのオンオフに気を使うそうです。
長期修繕計画では、2013(平成25)年度に東棟六階屋上(五階の天井)東側に全8m程度の雪庇金物を35万円で取り付ける予定になっています。雪庇は南側から北へ向かってできはじめ、1月11日に撮影した左下の写真を見ると、東側の端から端まで雪が積もっています。東壁沿いにスロープを設置しているので、端から端まで12.58mの雪庇金物が必要ではないかと思われます。
1月11日、東棟五階天井の積雪が50cmに達しました。雪庇となって張り出さない前に、東棟の玄関スロープを通行禁止にしてパラペットの付近を除雪しました。東棟玄関スロープを通行するときは、頭上にご注意願います。
8 大規模修繕の結果
2012(平成24)年1月23日の理事会報第361号で「屋上出入口の吹き溜まりは解消か」をお知らせしました。
昨年までは、屋上出入口にできた吹き溜まりができ、扉の底部を蹴飛ばして押し開くので外開き扉は変形していました。吹き溜まりができないよう扉の前のフエンスに、風除けの透明フードを大規模修繕で設置しました。
12月25日の吹雪による影響を確かめると、扉の下部から5cmほど上まで吹き溜まりができていました。下の写真のようにフエンスの支柱支えの間は空いています。フエンスの下から吹き込みがあったと推定され、右端の写真のように雪で隙間を塞ぎました。
1月11日に再びようすを見ると、扉の下部から2cmほど上まで積雪がありました。今年に入ってから時々屋上で地吹雪が起きていますが、その影響はあまり感じられません。このままの状態だと、底部を蹴飛ばして扉が破損するようなことはないように思われます。