1 放送電波の障害
1-1 寝耳に水の大問題
第15期理事長に選出された翌月、2006(平成18)年7月25日発行の理事会報第201号で「電波障害の有無はまもなく、手稲山が見えなくなるその日は」をお知らせしました。
テレビ電波の送信所がある手稲山と、当マンションのテレビアンテナの間に15階建てのマンション二棟が建築中です。写真右端の建物は13階目が完成し、左側の電波の障害物となる建物は12階ができ、13階目の工事はこれから始まります。
マンションのテレビ電波は一本のアンテナで受信する共聴方式のため、電波障害が発生すると全住戸に同様の症状が現れます。すでに、町内の数軒には障害が発生して有線での電波供給が行われています。
町内連合会での説明に基づき、電波障害の発生を確認しだい町内会と協力して対応しますが、配線工事で2~3日不自由をおかけするかもしれません。また、建築中のマンションは比較的高い建物なので、建築中の建物と建物の間を抜けて電波が回り込む回析現象が起き、障害が発生しない場合もありえます。
1-2 その日は来た
2006(平成18年)年8月15日発行の理事会報第202号で「電波障害解消へ向け、屋上に仮のアンテナを設置して実験中」をお知らせしました。
理事会報第201号を発行した7月25日の午後4時40分にSTVの映像にゴーストが現れ、NHKとHBCにはスノーノイズ現象が現れました。午後4時50分、電波障害源となる新築高層マンションの現地事務所を尋ね、電波障害の発生を通知して対応をお願いしました。
午後6時10分に電波障害対策会社の技術者が見えられました。建築図面で受診電波の供給配線を確認して受信設備を調査後に、屋上のエレベータ機械室塔屋へ上がると手稲山の送信設備がはっきり見えます(左下の写真)。この状態なら有線で電波を供給するより新型アンテナ(反射波の防止対策が施されているかなり良質のものだそうです。)を屋上のエレベータ機械室塔屋壁に取り付けたほうが効率が良いとされました。
7月28日10時20分、一時的に新型アンテナをエレベータ機械室塔屋のハシゴに固定して(左上の写真)既存のアンテナ給電線に接続し、新築高層マンションの足場が撤去されるまで様子を見ることになりました。
新築高層マンションは13階目の建築が始まり、7月29日から全VHF帯にスノーノイズ現象が発生しました。回析現象で電波が弱まっていないため様子を見ていましたが、日を追うごとにUHF帯にも影響が現われ始めました。地上波デジタル信号は影響を受けていませんが、新築高層マンション現地事務所の許可を得て電波障害対策会社と連絡をとっています。
1-3 高校野球が見れるように
2006(平成18)年9月1日発行の理事会報第203号で「西側まで延びた給電線に仮接続、隣の建築中マンションと協議」をお知らせしました。私たちのマンション東側に15階建ての高層マンションが建築中で、完成するとテレビ電波を反射することでゴースト現象の発生が予測されます。
屋上に仮のアンテナを設置して様子を見ていると、2~3日後に全ての放送帯域(VHF帯とUHF帯)にゴーストとスノーノイズ現象が現われました。新築高層マンションの現地事務所に電波障害の発生を通知して建築済みの階数を尋ねると、現在は13階の床を工事中でまだまだ高くなるとのこと。クレーンのくびれ部分で15階は説明上の目安と分かり、電波障害対策会社と直接連絡をとる許可をいただきました。
電波障害対策会社の技術者は「有線でテレビ電波を供給するしか解決策はない」と、東側に建築中のマンションの建築会社と配線を協議するとのことでした。「それまで高校野球をきれいな画像で見れるようにしましょう」と8月18日の午前中に見えられ、マンション西側電柱(右端写真)まで来ているテレビ電波給電線より屋上の避雷針(左側写真)に簡易固定して、既存のアンテナ給電線に接続しました。
1-4 アンケート結果は悲惨
2006(平成18)年9月27日発行の理事会報第205号で「アンテナプラグが原因と思われるテレビの受信障害チェック法」をお知らせしました。
デジタル放送とアナログ放送は、共に電波障害の発生はありえないことが分かりました。勉強不足のままアンケートを作成したことをお詫びします。現在はマンションの屋上に設置されているアンテナは利用していません。今年の8月28日以後はすべての電波が有線で供給されているからです。しかし、アンケートの結果は深刻なものでした。
202号さん宅は「HBC・NHK・UHB・HTV」
204号さん宅は「1~2年前からBS7・11他全く見えません」
301号さん宅は「NHK・HBC・STV」
402号さん宅は「STV」
403号さん宅は「NHK」
504号さん宅は「NHK・UHB・HBC・STV・HTB・TVHの画像が
二重に映り、NHKが一番ひどい」とのことでした。
3分の1のご家庭にゴーストと、スノーノイズ現象が現われているようです。
先月テレビの映りが悪いとのお話を伺い、電波障害対策会社の技術者にご足労いただきました。テレビ画面を見るとたしかにひどい映りで、アンテナ線をテレビに繋ぐプラグの抵抗値が合わないことが原因でした。電波障害対策会社の技術者は新しいプラグに取り替え、出向修理費はサービスしてくださいました。
テレビの映りが悪いなどの受信障害が発生している場合は、テレビが故障している場合もありえますが、室内のアンテナ線の結線不良や抵抗値が合わない古いプラグを使用していないか確認するよう技術者に教えられました。
1-5 プラグのチェックを!
テレビの受信アンテナ線は各住戸のコンセントボックスまで配線されています。左側写真のコンセントボックスには、上から電源プラグ、電源プラグ、アンテナ線プラグの順に差し込まれています。テレビ受像機の電源を切った状態でアンテナ線プラグを抜いてください。
質問1 「プラグ」は右下の写真と同様の形状をしていますか。
この形状と異なるプラグは受信障害を起こします。古い型のプラグか、用途の違うプラグですから交換が必要です。原因が分かりましたので簡単に直せるはずです(断定しないのはテレビの故障もありえるからです。)。次頁の「アンテナ線の作り方」をご覧ください。
質問2 右上と「同じプラグ」である場合は、プラグの内部を確認します。
プラグの両側面に引っ込んでいる部分があります。親指と人差し指でつまみ、少し力を入れながら持ち上げるようにして下の写真のように蓋を開きます。アンテナ線を止めているプラスネジをゆるめ、線の皮膜を挟んでいる金具をペンチなどで少々開いて、アンテナ線を抜き取ります。
線の状態は右下写真のように、中央に太い線、中皮膜の次に細い無数の線があり、外側は皮膜に覆われています。細い線に注目してください。ボサボサになっていたら撫で付けるようにして、右写真を参考に後ろ側へ切らないようにしながらそろえます(できるだけ1本でも切らないように注意してください)。
アンテナ線をプラグに取り付けます。右上の「内部写真」を参考にしながら細い線が外皮膜を挟む金具内に納まるようにし、太い線をプラスネジの付いている金具の間へ差し込みネジを閉めて固定します。次に、細い線が外へはみ出していないか確認してから、線の外皮膜を挟む金具をペンチで挟んで締め付けます。
受信障害を起こす原因は、細い線が一本でもプラスネジの付いている金具に触れている場合です。きちんとそろえれば受信障害は解消するはずです(断定しないのはテレビの故障もありえるからです。)。※ 不得手なため無理な方は理事長へご連絡ください。困ったときはお互い様です、いつでも腕を貸します。
1-6 アンテナ線の作り方
専門家に頼めば一万円近くかかりますが、ご自分で挑戦すると1,000円程度ですみます。
ア. 部品を購入します
壁のコンセントボックスからテレビまでのアンテナ線の長さを測り、3m以内であれば「百円ショップ」で「3mのアンテナ線」と「プラグを2個」を購入します。3m以上あれば1mほどの余裕をみて、量販店などで切り売りしているテレビ用アンテナ線を購入します。
イ. アンテナ線の両端にプラグをつなぎます
写真を見ながら作ってください。外皮膜をはぐときはカミソリで浅く切り、細い線を切らないようにほぐし、後ろ側へまとめるのがコツです。指先が器用であれば細い線をほぐさず、外皮膜の上へ折り返す方法にチャレンジしてみてください。
1-7 突然の要望
2006(平成18)年10月31日発行の理事会報第206号で「CSアンテナと光ケーブルが必要、区分所有者より要望」をお知らせしました。
地デジ対応のテレビを購入したら「CS放送」が見られず、「CSアンテナ」が必要と分かりました。パソコンを買い換えるに当たり、「光ファイバー利用のBフレッツ契約」をしたいのですが、現在はNTTの光ファイバーを利用することができません。管理組合は区分所有者の意向を確かめ、「CS放送」が受信できるように「CSアンテナ」の設置と「光ファイバー利用のBフレッツ契約」が出来るように検討してください。との要望がありました。
CSアンテナ設置には総会で区分所有者の3分の2以上の賛成が必要ですが、光ファイバー導入は他のマンション管理組合でも資産価値を高める上で必要なこととされています。
1-8 共聴用ブースターが劣化
2006(平成18)年10月31日発行の理事会報第206号で「テレビの電波障害が発生しています、共聴用ブースターの劣化かも」をお知らせしました。
映像がひどいお宅のテレビを見せていただき、電話で西棟数軒の状態を照会すると同様の症状が現われていました。東棟でも同じ症状のお宅があり、電波障害対策会社へ調査を依頼しました。なお、有線で供給されている電波に問題がないことは確認しました。マンションの共聴用ブースターが老化して休ませろと云っているのかもしれません。調査と修理は有料になると思われるので予備費から支出いたします。
1-9 共聴用ブースターを交換
ア.発端
2006(平成18)年11月15日発行の理事会報第207号で「テレビ電波の共聴用ブースター劣化で交換」をお知らせしました。
先々月テレビの映りが悪いとのお話を伺い、アンテナ線をテレビに繋ぐプラグを交換しました。理事会報第204号「テレビの映りについて」の調査結果は深刻なものでしたが理事長宅のテレビは正常に映っています。8月28日以後のテレビ電波は有線で供給されているため、すべてのご家庭は同様に映るはずなのです。
テレビの映りが悪い場合は室内のアンテナ線の結線不良や抵抗値が合わない古いプラグを使用していないか確認するよう技術者に指導され、前理事会報でこの方法をお知らせしました。アンテナプラグを交換しても映りが悪いという苦情は寄せられず、これで一件落着と思い込んでいました。
イ. なな、なんと、又おかしい?
先々月新しいプラグに取り替えたお宅で、10日程前からUHFの映りが悪くなったとの連絡がありました。拝見すると2000年製のテレビ画面に白いノイズが走っています。理事長宅のテレビは1998年製ですが画面の映りに問題ありません。
ウ. テレビ電波の供給方法
屋上にはVHSとUHFの電波を受信する素子アンテナとBS電波を受信するパラボラアンテナがあります。アンテナが受信した電波は同軸ケーブルを伝って、棟屋から東棟六階のパイプスペース内にあるテレビ機器収納盤に入ります。
収納盤内にはVHSとUHF電波のブースターとBS電波のブースターがあり、一階から六階のテレビがすべて最良の状態で映るように出力電波を調整しています。
建設中の高層マンションで受信したテレビ電波を有線で運び、屋上のVHSとUHF電波を供給する同軸ケーブルにつなぎました。マンションの素子アンテナは役に立たない飾り物となりました。
エ. もしや、もしやに
11月1日、電波障害対策会社の技術者は理事長宅のテレビを正常な映りと判断しました。UHFの映りが悪くなったお宅のテレビは、UHF電波が強すぎVHF電波が弱すぎます。「マンションの配線図にブースターは一個しか載っていませんが、どこかにもう一個ブースターがありませんか。でなければこのような症状はありえません」。あるとすれば西棟六階のパイプスペース、とのカンは当たりました。
テレビ機器収納盤を開くと、左側にVHSとUHF電波のブースターがあります。測定器で測りながら調整しても、同軸ケーブルとの間に抵抗を挟んでも効果は現われません。一時間ほど悪戦苦闘した技術者は、微調整用ネジの劣化による接触不良で調整は不可能と判断しました。
マンション建築時設置のブースターは家電メーカー製で、定価が同じアンテナメーカー製を設置することにしました。見積もり結果はAアンテナ株式会社製15万1千円、B社製は13万6千円でした。電波障害対策会社の技術者に「あなたの技術を信じて調査をお願いしたのですから」と再交渉し、端数を切り捨てて消費税を加算することで手を打ちました。一般家庭のVHSとUHF電波のブースター交換は8千~1万円程度ですから10万5千円は妥当な額と思います。
オ. 東棟の電波は微調整不要
電波障害対策会社の技術者は理事長宅のテレビを見て正常な映りと判断しましたが、前回のアンケートで映りが悪いのは、202号さん宅は「HBC・NHK・UHB・HTV」、301号さん宅「HBC・NHK・STV」、402号さん宅は「STV」とのことでした。東棟のVHSとUHF電波のブースターに測定器をつなぎ、各階テレビへの出力電波を測定すると何ら問題がないことが分かりました。
東棟でテレビの映りが悪いお宅は、アンテナプラグの差込がゆるんでいる、アンテナプラグが規格品でない、テレビが故障している、以外の原因は考えにくいことになります。
1-10 アンテナ移動が原因
2006(平成18)年12月24日発行の理事会報第210号で「テレビ電波障害はアンテナ移動が原因」をお知らせしました。
11月23日頃から再びテレビの映りが悪いとの苦情が出始め、雪の日や強風のときにはUHF帯の画面に横縞が走るとのことでした。機器で調査した時点では、東棟と西棟のブースターから各家庭への電波供給出力に問題はありません。調査調整は有料になる限界まで調べてもらいましたので、何度もご好意の調査をお願いするわけにもいきません。
12月7日、障害がひどすぎるとおはなしのご家庭でテレビ画面を拝見すると薄い横縞が画面全体に入っているのが分かりました。持参したポータブルテレビの画像にもかすかに横縞が現われていました。自宅のテレビ画面に目を近づけてみると、以前には見かけない薄い横縞を確認することができました。
電波障害対策会社へ照会すると、11月末に建築中のマンションの足場を外す工事が始まるため、四階の足場に仮止めしてあった電波障害対策用のアンテナを取り外す工事中でした。電波障害対策会社とアンテナ設置会社は別で、新築高層マンション屋上のアンテナ設置は相当遅れそうな状態でした。
四階足場に仮止めしていたアンテナを、屋上へ移動するとUHF帯の電波出力があがりました。今回の指摘で電波の出力調整が行われましたが、TVHの番組だけは放送局が発信する電波(の質?)が原因でゴーストは避けられず、NHKは有料でもゴーストが現われています。これらはアンテナやテレビのせいでないため直りません。また、建築中マンションの屋上に設置される新アンテナへの切り替え時点で、再び障害が発生する可能性もあり得るので留意を依頼しています。
1-11 CSSアンテナは不要
2007(平成19)年5月27日の定期総会で「CSSテレビアンテナの設置延期」をお知らせしました。
電波障害対策会社の簡易見積りで、アンテナと配線に200万円程度が必要と分かりました。区分所有者の過半数が有料放送の視聴を希望しているなら検討対象となりますがいかがでしょうか、と提案しました。
総会参加者は「CSS放送」についての知識がなく「アンケートで希望を調査し、希望者が区分所有者の半数以下であれば断念すべき」との議決を得ました。
総会終了後の理事会開催前にCSSアンテナ設置を要望した方を訪ねて説明すると「総会へ参加された方々が分からないのであればアンケートをとっても無駄ですから要望を取り下げます。」とのことで決着しました。
1-12 VHSアンテナを処分
2007(平成19)年7月15日発行の理事会報第225号で「UHFアンテナは全チャンネル用」をお知らせしました。
東隣に建築された高層マンションは反射波による電波障害が起きないと分かり、7月12日10時から避雷針の仮止めを外して見た目が悪くないように配線をし直しました。この配線は2011年のアナログ放送打ち切り後に撤去します。また、VHF用アンテナは不要となり大型ゴミは有料のため処分をお願いしました。
残っているアンテナは、BSと地上デジタル電波を受信できる「全チャンネル用UHFアンテナ(13~62ch)」です。
1-13 再び受信障害
2007(平成19)年8月12日発行の理事会報第227号で「テレビ回線に受信障害発生」をお知らせしました。
7月30日13時、西棟住戸より「12時30分頃からテレビの地上デジタル放送とアナログ放送が映らない」と連絡がありました。西棟の他のお宅へ確認すると同じ現象が起きていましたが、理事長宅のある東棟は正常に映っています。西棟のブースターを交換した会社へ照会すると「ブースターのブレーカーが落ちていないか、分電盤テレビブースターのスイッチが切られていないか確かめてほしい。」と指示されました。
管理員さんより、「東棟エレベータからの停電信号を受信したのでエレベータ会社が点検にきている」と連絡を受けました。分電盤のスイッチに触れていないか確認すると、理事長が東棟一階屋上の投げ込みヒータを外したらしいので「分電盤ドレンヒータのスイッチを切った」が、エレベータの点検者と相談して「スイッチ入れ直した」とのこと。スイッチの位置を確認して、「西棟住戸のテレビが映らないと連絡があったので、ブースターのブレーカーを確認する」と伝えて六階へ向かいました。
ブースターを開いて携帯電話で状態についての連絡とりながら、映りが悪いと連絡いただいたお宅に確認すると正常な画像に戻っていました。ブースターを交換した技術者より「点検にきたエレベータの技術者に、分電盤ドレンヒータのスイッチを開閉して同じ症状が起きないかテストしてもらう」ように勧められました。管理員さんに尋ねると、技術者は「分電盤ドレンヒータのスイッチを切ると、東棟エレベーター籠の内部照明が消える。原因は不明。」と言い残して帰ったあとでした。(後日、照明設備業者の調査で原因が判明しました。)
1-14 電波障害対策協定を締結
2007(平成19)年8月24日発行の理事会報第228号で「一部放送の障害は電気機器が原因かも」をお知らせしました。
マンション管理組合が配信するテレビ電波に問題はありませんが、過日のアンケートで映りが悪いと書かれたお宅が七軒あり、一軒のテレビを拝見しました。NHKとHBCの写りは正常ではありませんがこれでも良い方とのこと。
この画面の状態からNHKはスノーノイズ現象とビート現象、HBCはビート現象が現れています。これらの原因はテレビ受信機の調整不良や故障(チャンネル微調整のズレ)が挙げられ、パソコン・テレビゲーム機・高周波医療機器・ドライヤー・掃除機・電気カミソリ・冷凍庫の故障による障害電波の発生も考えられます。ご自宅の機器やご近所が原因の場合もありチェックの仕方を調べています。もう少々時間をいただきます。
・ 協定書
マンション管理組合(以下甲という)と建築会社(以下乙という)と末尾記載の土地における建物「新築高層マンション」(以下本件建物という)建設に伴う、テレビ電波障害対策に関する協定を次の条項により締結する。
第1条(対策工事の施工) 乙は,本件建物が原因となってテレビ受信障害を受けた甲所有建物(住所略)に改善対策を講ずるものとする。
2.甲は,前項の工事が円滑に実施できるように乙に協力するものとする。
第2条(費用) 前条第1項の規定に基づく費用は乙の負担とする。
第3条(工事完了後の措置) 乙が行う受信対策工事は,この協定により実施した工事をもって完了するものとし,以後における設備の維持管理は乙が行うものとする。但し,マンション区分所有者に本件建物を引き渡し後区分所有者によって結成,運営される本件建物の管理組合に維持管理及び協定を継承するものとする。また,将来技術革新等によりこの設備によらないで受信障害が解消された場合はこの限りでない。
2.乙の維持管理範囲は,本件建物共同視聴用アンテナより,甲所有の建物保安器までとする。
第4条(後住者の設備利用) 共同受信設備が設置された後,新たに受信障害地域に家屋等を建築した住民(以下「後任者」という)が共同受信設備を使用する場合,施設に要する費用は公認者の負担とする。
第5条(故障・修理時の連絡先) この共同受信設備の故障,受信生涯発生などの場合の連絡先は乙の管理組合または管理会社とする。
第6条(協議) 今協定に関する疑義,または本協定に定めなき事項については,甲,乙の協議の上決定するものとする。
本協定を証するため本書二通を作成し,甲,乙,各々記名,押印し各一通を保有する。 平成19年7月27日
1-15 きれいな画面
2007(平成19)年9月14日発行の理事会報第230号で「アナログテレビとアンテナ線の交換で受信障害が直った住戸があります」をお知らせしました
中古のアナログテレビと室内アンテナ線プラグの接続方法について問い合わせをいただきお宅を訪問しました。理事会報第204号でお知らせしたプラグは100円ショップで販売のものですが、カバーを外してみると電気店で販売されている上質品です。アンテナ線とプラグの接続は30秒もかかりません。
テレビにつないで映像を見ると、これまでのようなパルスやビート、スノーノイズはなく、プラグを交換するときれいな画像を見ることができました。障害が発生していたときのアンテナ線は、古いフィーダ線が一部使われていました。
1-16 テレビ電解強度計で点検
2007(平成19)年9月23日発行の理事会報第231号で「今後は各ご家庭で有料調整の依頼を」をお知らせしました。
9月21日の午後、電波障害対策会社にご足労いただきマンションに供給されているテレビ電波と、マンションの共聴用ブースターから各家庭への配信電波をテレビ電解強度計で調査しました。配信電波の周波数と強度に問題はなく、管理組合が管理する機器に不具合を発見できません。
理事会報第228号に掲載したテレビ画像を改善できるか、東棟のみ受信機能が劣化したテレビを補う目的で配信電波の強度を少々上げてみました。共用部の機器に問題がないため管理組合としてはこれ以上の調査調整は不可能です。
電波障害対策会社の技術者のおはなしでは、アンケート内容から現在発生しているご家庭のテレビ受信障害は、アンテナ線の結線不良とテレビの受信周波数ズレが原因としか考えられないそうです。アンテナ線の結線方法は過去の特集で説明しました。リモコンを使われているご家庭は、うっかり複数のボタンを押すことでテレビの受信周波数を変更させている場合があるそうです。説明書を見ながら調整すれば直りますが面倒な場合は有料で電気店に頼むしかありません。
電波障害対策会社の技術部長に電話で調整を依頼すると、3千円程度でアンテナ線の結線不良とテレビの受信周波数ズレを直していただけます。ストレスを溜め込まず、頼まれてはいかがでしょう。
1-17 ブースタ劣化で地デジへ
2009(平成21)年3月1日発行の理事会報第272号で「VHFの映像が劣悪との苦情届く」をお知らせしました。
師走に裏番組を見るため8型携帯テレビの電源を入れました。壁のコンセントボックスに接続しても、ロッドアンテナに換えても映りが悪く見るに絶えない状況です。新築高層マンションの管理員さんを通して、管理組合へ送信電波の出力確認と調整をお願いしました。
2月初めになると携帯テレビのUHF帯はきれいに写りますが、VHF帯はザーという雑音が聞こえて画面を注視することができません。これまで居住者から苦情が届いていないこともあり、昭和天皇崩御の年に購入した携帯テレビは寿命がきたと考えていました。
2月15日の夜、アナログ放送が見るに耐えないと憤慨されているお宅があることをお聞きしました。翌朝、理事会報第228号でお知らせした「協定書」に基づいて新築高層マンションと連絡を取り、電波障害対策の専門会社においでいただきました。
VHF帯のアナログ放送映像が劣化したのは、共聴用ブースタの寿命によるものでした。西棟は平成18年11月4日に10万5千円で交換しましたが、東棟の共聴用ブースタは平成3年に取り付けられたままです。
電波は東棟のブースタから西棟のブースタへ分岐しているため、東棟で障害が発生すると西棟も映りが悪くなります。若干の間は映像を見られるよう強制的に調整いただき、新築高層マンションの配信電波が原因ではないため調整料8,400円をお支払いしました。
いつ壊れても不思議でない東棟共聴用ブースタを12万円かけて新品に交換しても、2011年7月24日にアナログ放送が終了すると不要になります。地上波デジタル放送配信に共聴用ブースタは不要な機器です。私たちは嫌でも地デジへの切り替えという時代の流れに合わせざるを得ないと思いますが、いかがでしょう。