はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第21章 重要な危機管理

災害発生時にマンション周囲の道路が損傷したままでは避難時の障害となります。積雪が深ければ車椅子で避難できません。マンションの区分所有者や管理組合の理事たちに、もっとも欠けているのは危機管理能力です。自分さえは人命軽視につながります。

1 避難路となる道

1-1 危険な状態解消 

2001(平成13)年4月5日、マンションの周囲を巡回していると建物沿いの道路にアスファルトが陥没している箇所や穴が開きそうな箇所、陥没していそうなマンホールがありました。放置していると歩行者が足を引っ掻けて怪我をしそうです

2001(平成13)年4月17日の理事会報第83号で、「朗報!!北側道路と東側道路の補修」をお知らせしました。

北側道路は長ネギの畝(うね)のようにアスファルトが盛り上がり、東側道路側面は陥没して深さ20cmの穴が空いていました。周囲の雪解けがすすんだ4月4日に撮影した写真をもとに、白石区土木センター維持管理課長宛の道路補修願を翌朝持参しました。すぐに現地の調査が行われ、7日午後には修復工事が行われました。

現場の責任者から「畝のような盛り上がりは凍上が原因」で、現在の状態では補修が困難です。危険性がないように処置しておきましたが、連休明けに凍上がおさまると思いますので、それを待って工事をします、とのご説明をいただきました。さらに9日、白石区土木センターの担当者より電話で丁寧な説明をいただき、ご多忙の中をと大変恐縮しました。すばやい対応をありがとうございました。心から感謝しています。

トップへ戻る

1-2 陥没穴の補修

2004(平成16)年5月22日の巡回中に、マンション東側花壇のそばのアスファルトに穴が開いているのを発見しました。タバコを吸いながら通りかかった人が「結構深い穴ですね。」と覗き込んだので、タバコの箱をお借りして写真を撮りました。

穴の内部を覗き込むと、水の道のようなトンネルが奥のほうへ続いています。角材を差し込んで穴の位置が分かるようにし、区役所へ補修依頼の電話をしました。

トップへ戻る

1-3 道路の凍上補修

一昨年度から毎年春に北側道路のマンション側が凍上し、雪解け時には亀裂の入ったアスファルトが盛り上がってアスパラガスの畝のようになります。写真を添付した補修申請により、担当者が何度か訪れて状態を調査されました。

2004(平成16)年9月8日から、亀裂が入って凍上するアスファルトを撤去する工事が始まりました。ガス会社の配管工事痕が凍上したそうで、道路全体が簡易舗装のため再び凍上する可能性があるとの説明を受けました。

北方圏仕様で凍上しない舗装になる予定を伺うと、市内には補修しなければならない箇所が多いので計画は立っていないという回答でした。工事をされている方が内緒ですがと断って、「有力な政治家などが住んでいる地域は頼み込むと早めにやってくれることも」との情報をいただきましたが、残念ながら知り合いはいません。

トップへ戻る

1-4 マンホールの補修

2004(平成16)年10月30日から、マンション側のマンホール三ヶ所の調整工事が行われました。北側道路のマンション側が凍上するのは、道路よりもマンホールの位置が2cm以上高いためで、雪解け水が路上にたまっていることが原因のひとつです

三ヶ所のマンホールのコンクリート枠が掘り起こされ、道路との高さが同じになるよう調整されて埋め戻されました。道路全体が簡易舗装であっても、凍上はこの工事で防ぐことができそうです。

トップへ戻る

2 共用部の私的利用

2-1 独りよがりの行為

2002(平成14)年6月10日発行の理事会報第119号で「共用部の私的使用は区分所有法違反です」をお知らせしました。

マンションツアー時に発見され、建物目視調査時にも新たに発見された階段室内にあるパイフスペースの状態です。このスペースは、個人の物置として利用できる部分ではありません。建物の区分所有法等に関する法律で、共用部の用法に従わない使用は禁じられています。総会までには撤去してください。

自転車置場という共用部は、自転車を置くという用法に従って利用します。パイプスペースは配管の状態を確認し、ガスの流れを調整し、メーターの数値を読み取るために利用します。

室内が狭くて置くところがないからという理由であっても、マンションを購入する時点でそれは予測されたことです。一升瓶にお酒は一升しか入りません。一升以上入れようとすればこぼれてしまいます。それがこの状態です。

誰にも迷惑がかからないからいいだろうという発想が生まれたとき、マンションのスラム化が始まるといわれます。スラム化が進めば無法地帯となります。そこには良心も他人への思いやりも存在しなくなります。自分さえよければというスラム化への元凶を、いまのうちに取り除かなければなりません。

多くの区分所有者は、それぞれが専有部内で工夫しながら生活しています。正直者が馬鹿を見るという状態は避けなければなりません。ちょっとした心の迷いが、写真のようなことをさせたのでしょう。総会までに私物がない状態へ戻していただければ、苦言はこれで終わりにします。

トップへ戻る

2-2 呼び水となって

2002(平成14)年6月23日の定期総会で、パイプシャフト内を靴箱にされていた区分所有者から「共用部の私的利用禁止を徹底するのであれば、ベランンダのアンテナも同様ではないか。話題にもならないというのはおかしい。」との苦情が出ました

バルコニーのアンテナにふれたのは、平成5年1月1日発行の理事会報第11号で「バルコニーは共用部分ですから個別アンテナの取扱については総会の決議が必要で、管理組合の許可なく勝手に取り付けることはできません。」とお知らせしています。

その後、フェンスにCSアンテナを設置した住戸が二軒あり、賃貸の方もアンテナを設置していました。CSアンテナは使用細則に規定される無線のアンテナに該当するのか、対応をどうすべきかで当時の理事会は何度も話し合いをもちました。。

総会で話題として何度も取り上げましたが、理事会は禁止できるものか、どのように進めると良いのかなどで悩みました。私たちは区分所有法などの法律に精通しているわけではありませんが、マンション適正化法を読んだときに管理組合は自らきちんと管理しなければならないとの条文で目覚めました。しかし、アンテナを撤去していただいたあとの救済方法が考えつかないことで二の足を踏みました。

2002(平成14)年8月22日発行の理事会報第69号で「バルコニーに設置の無線アンテナについて」の記事を掲載して注意を喚起しました。

マンションの使用細則には無線のアンテナを設置できないとの規定があります。無線のアンテナという表現なので、アマチュア無線のアンテナのみとお考えのようですが、広辞苑によれば、アンテナは「無線通信やラジオ・テレビジョン等の送受信を行うため、電磁波エネルギーを空間に発射し、または空間より受けとる装置」ですから、空中を飛び交う電波を受信できる装置を無線アンテナといいます。

マンション管理センターの資料に「バルコニーやベランダは避難経路のための共用部分で、強風であおられると手すりが傷むため禁止される。」とあります。以前、自転車置場に自動二輪車が保管され、総会の話し合いで感情を害することなく円満に撤去いただいた経緯があります。今回もそうなることを願っています。

トップへ戻る

2-3 開き直り

アンテナ設置は出費を伴ったことを考慮して、強い態度で望まない理事会の注意は完全に無視されました。定期総会の議案書を発送した翌日、理事長と副理事長は北海道主催のマンション管理講座を受講してフェンスのアンテナを外してもらうための対応策を学び、総会終了後に2世帯の協力をお願いしようと相談していました

定期総会で苦情を受けた翌日、理事長と副理事長はアンテナ設置宅を訪問しました。使用細則の規定と共用部のバルコニーは災害時の避難経路であること、フエンスに取り付けたアンテナが強風であおられると手すりが傷むことと、理事会報での注意が無視されていると総会参加者より強い指摘があったこと、総会の承認を得ていないアンテナの取り外し費用は設置者が負担することなどを説明しました。

この話し合いで、設置者のご理解とご配慮をいただき、8月へ入る前にフェンスより取り外されました。管理規約や使用細則にかかれていることは、管理組合設立総会時に全員が守ることを約束して押印しました。歳月の流れは「まあいいか」を助長して規約類を見ることも忘れてしまいます。なにが書かれているのか、これを機会にいま一度目を通されるようお知らせしました。

ホットした一か月後、バルコニーの天井と床で固定する支柱が立てられフェンスから外されたパラボラアンテナは支柱に取り付けられていました。あわてて訪問すると、 「アンテナは避難の障害にならないよう設置している。専門業者はこの方法で設置するとどこのマンションでも問題は生じないと説明した。文句があるなら業者に言ってくれ。」と、撤去する意思はありません。

トップへ戻る

2-4 救済方法を用意

2009(平成21)年度の定期総会に理事会はケーブルテレビの導入を提案しました。低い私達のマンションと電波障害主のマンションとの間に新たなマンションが建つと、アンテナの高さや方向を調整できないことから再び受信障害発生の可能性がでてきます。好条件を示されているときにケーブルテレビを導入しておくと、現在の無料放送はすべて良質な画面で見ることができます

総会終了後に議事録を配付した一週間後、「総会でバルコニーからアンテナ撤去と議決されたのを無視しているのに、理事会はいつまで放置するのか。」と苦情が届きました。2009(平成21)年6月21日開催の第三回理事会で「理事長勧告」が必要と議決しました。

1. あなたは管理規約と使用細則の規定を確認せず、総会の議決を経ずに独自の判断でアンテナ類を設置しました。

2. 2002(平成14)年6月10日付理事会報第119号で、「共用部の私的利用は区分所有法違反です」として、パイプシャフトを物置に利用している世帯は総会までに物品の撤去をお願いしました。同年の定期総会でパイプシャフトを靴箱に利用していた方より「共用部の私的利用を禁ずるならベランダのアンテナも該当するはず。」とのご意見がありました。使用細則には「バルコニーの手摺または窓枠等に寝具、敷物、洗濯物等を干すこと」や「無線用アンテナ、投光器等を設置すること」は禁止されています。理事会はアンテナを手摺から取り除くよう要請しました。

3. 事前にお届けした定期総会議案書をご覧ください。「ケーブルテレビの導入について」の第四号議案で、「承認された場合は、個人が設置したバルコニーのアンテナ類は撤去していただきます。」と提案しています。あなたは第17期定期総会の提案事項についての議決権を「議長へ委任」されています。

定期総会でケーブルテレビの導入が承認されました。これに伴い個人が設置したバルコニーのアンテナ類は、設置者が費用を負担して撤去いただくことも併せて、出席者7名委任状11名、議決権行使2名の計20票で承認されました。と、定期総会議事録でお知らせしています。

4. 2009(平成21)年度の定期総会議決により、6月28日までにアンテナ類を撤去してください。

トップへ戻る

3 危機意識の欠如

火災が発生したときは、いち早く火を消すことにより人命や財産などを守りることができます。消防用設備とは、火災の拡大防止のために必要な消火設備・警報設備・防火用水などの設備を総称したものです。

小規模マンションには最低限の警報設備と避難設備が備わっています。火災が発生した場合は、内または外階段利用の避難・隔壁を破って隣家への避難・避難器具を使っての避難などがあります。

災害は、火災・地震・風害・水害・雷害などがあります。災害を避けることはできなくても、被害を少なくすることはできます。災害を予測して常に危機意識を持つことが重要です。以下は、危機意識がない実例です。

トップへ戻る

3-1 台風で臨時休校の日

2004(平成16)年9月8日、賃貸の方より「駐車場の通抜禁止の看板が風で倒れて車に当たり、傷がついたのですがどうすればよいでしょう。」と連絡があり、副理事長と理事のお宅を紹介しました。

理事長婦人より「二人とも勤めているので現場を見てもらえませんか」と電話があり、デジカメを持参すると車の所有者のそばで副理事長と理事が呆然としています。看板と車の状態を撮影してから二人に質問しました。

強風を伴う台風が来ることが予報され、前日のうちに市内の小中学校はすべて臨時休校になっているんですよ。ニュースで家の周囲のものを片付けるよう報道されているのに、なぜ看板を建物側へ片付けなかったのですか。副理事長は平然と答えました。「こんなにひどくなるとは思わなかったんです」。

車の所有者が口を開きました。「去年は風が強くなると、看板はいつも建物のほうに片付けてありました」。わたしが理事長のときは、強風注意報が出ると建物側へ移動していました。修理費用を管理組合が支払うか、保険を適用できるか、理事会が判断することになりますので、申し訳ありませんがこのままの状態で少々時間をくださいと了解をいただき、撮影した写真を添えて理事長へ報告書を提出しました。

看板を片付けなかった理事たちの危機管理意識の欠如による人災ですが、総会議案書をみると車両修理代救済金として管理組合会計より19.800円を支出していました。

トップへ戻る

3-2 障害物の放置

マンションの内階段は、新聞配達員と清掃する管理員、建物を巡回する理事長と副理事長以外はほとんど利用しないでしょう。普段は利用されていない階段ですが、災害時には重要な避難路となります。

災害発生時にはエレベーターの利用が禁止されています。停電でエレベーター内に閉じ込められる可能性や、扉がゆがんでエレベーター内から脱出が不可能になることも考えられます。

災害時の避難経路である階段を下りた位置に傘が干してあります。避難する人が障害物をよけようとして立ち止まると、後ろから押されて傘の上に倒れることも考えられます。傘の骨は凶器となって倒れこんだ人の体に刺さることもあり得るのです。避難経路に障害物を置くことは消防法でも禁止されています。

トップへ戻る

3-3 ちょとでもだめ

朝は、勤め人にとって1分1秒を争うほど忙しいと言われます。気付いた時に準備をしなければ、忙しさにまぎれて忘れることがあります。だれもが忘れないように様々な工夫をしています。

分別した家庭ごみの収集日は曜日ごとに決まっていて、一週間に一度しか収集してもらえないものもあります。忘れたら翌週まで室内で保管しなければなりません。

驚くほどの量の空き缶が廊下に出されていました。一目で、出勤するときにごみステーションへ出そうとしたことが分かります。

災害は各家庭の事情を考えてはくれません。火災が発生して逃げ惑う人々が階段を下りてきたら、避難したければよけて通れと言うのですか。つまづいて転ぶ人がいれば避難する人は渋滞します。避難経路にはたとえ一時的にでも物品を置くことはできないのです。

トップへ戻る

3-4 共用部に配線

2009(平成21)年5月27日の午後、玄関で出会った管理人さんに呼び止められました。「四階の区分所有者の息子さんが自宅と賃貸している住戸間を配線しています。共用部である廊下は配線できませんが、理事長さんの許可を受けたのですか。」と注意しました。「はい。」と答えましたが、疑わしいのでお知らせします。

配線の許可は求められていません。管理組合へ提出されている賃貸契約書の使用者誓約事項を調べると、「当該住戸を使用するに当たり、管理規約・諸細則・総会の決議・賃貸契約事項を順守することを制約します。」に押印があります。

理事会で協議し、「共用部の私的利用は禁止され、避難経路上に配線するのは災害時の二次災害防止の観点から至急撤去」するよう文書で通知しました。

トップへ戻る

3-5 ソリの放置

2011(平成23)年1月16日の理事会報第334号で「西棟一階にソリが放置」をお知らせしました。

11日の午後、西棟一階ホールに樹脂製のソリが置いてありました。雪の付着もなく濡れているわけでもなく、数日間は置きっぱなしになっていたと思われます。出入りする人はだれもが目にする位置に、まるで自分の家の玄関でもあるように置いてあります。

「共用部分等に物品を放置すること」は使用細則第2条で禁止されている行為で、区分所有法の第57条に規定する「共同の利益に反する行為」です。また、住戸前の廊下に物品を置くことも避難経路を塞ぐことになり禁じられています。12日の午後、ソリに警告文書を貼付しました。

今後このような行為を発見した時は違反者氏名を掲示板に貼り出します。賃貸居住者の行為であれば、契約違反の可能性が大であることから、住戸の持ち主である区分所有者に理事会へ出席いただき契約内容の確認と遵守規定違反の弁明を求めることになります。

トップへ戻る

3-6 これも人災

消防設備は消防設備士免状の交付を受けている者、または総務大臣が認める資格を有する者に点検させ、結果を消防署長に報告しなければなりません。機器点検は半年に一回、総合点検は年1回行われ、マンション関係者は法定点検と呼んでいます。

バルコニーに雪が積もっていると、災害発生時に隔壁を破って隣家へ逃げ込むことができません。隣家へ逃げ込むことが不可能な場合、バルコニーに設置されている避難ばしごを利用しますが、利用できる状態になっているでしょうか。

降雪期は、バルコニーの積雪を除雪して隣家への隔壁まで通路を開けていなければなりません。開けられた通路を利用するのは自分たちだけではなく、災害発生時は隣家の人々も利用します。

避難ばしごが設置されている住戸のバルコニーは、いつでも避難ばしごが使えるようにしておく義務があります。積雪が少ない場合でも、雪解け水が避難ばしごのカバーを凍り付かせることがあります。いざというとき、カバーが開かなければ逃げることはできません。

周囲の氷を取り除いて避難ばしごのカバーを持ち上げてみました。昨年の秋に講習を修了した防火管理者のバルコニーは雪に覆われ、避難ばしごがどこにあるのか分かりません

トップへ戻る

4 外部の避難経路

4-1 避難口の除雪

2000(平成12)年1月の吹雪の朝、東棟の玄関前は吹き溜まりができていました。外へ出ると、夜通し荒れ狂った吹雪の痕跡が建物に残っています。風除室の扉がやっと通り抜けられるしか開かないので、雪かきを出して玄関周囲の除雪をしました。幹線道路を走り抜ける消防自動車のサイレン音が聞こえます。

除雪をしながら、積雪が多いときに火災が発生したら扉を押しあけて逃げられるだろうかと考えました。積雪のため消防自動車が近寄れなかったら、消火活動は遅れて被害は増加するかもしれないと心配になりました。そこで、西棟の玄関にできていた吹き溜まりも取り除きました。北側花壇の前までは除雪車が入りません

トップへ戻る

4-2 除雪範囲の拡大

2010(平成22)年6月に着任された管理員さんは昭和19年生まれの方で、マンション居住者の避難路確保についても考え方が似通っていました。東棟か西棟のどちらかで火災が発生した場合、消防自動車はどの位置に駐車すると消火に都合がよいだろう。意見が一致したのは、東棟と西棟の中央に当たる北側花壇の前でした

積雪があるときは、理事長が東棟と西棟の玄関前、ごみステーションの周囲を除雪していました。札幌市の除雪車は北側生活道路の三分の二を除雪していました。避難経路と消防自動車の駐車位置を確保するには、図面の青い範囲の積雪を取り除くべきで意見が一致しました。

トップへ戻る

かなりの積雪量を毎朝理事長が玄関前の除雪を終えてから1時間ほど除雪し、管理員が出勤したときは仕事の合間に手伝っていただきました。道路は広くなり、建物のそばの積雪はなくなりましたが、作業を申し出た管理員は1年勤務で交代してしまいました。

トップへ戻る

4-3 アイスバーンの解消

2004(平成16)年2月16日、マンション北側の道路は前日の雪解け水が凍りついてアイスバーンと化していました。北方圏に属する札幌で生まれ育った者でも、このようなアイスバーンには恐怖感を抱きます。

ゆっくりすり足で進むか、パッタッ、パッタッと氷の上に足を乗せてずらさない歩き方しかできません。硬い氷の上で転倒すると、打ち所が悪ければ打撲で動けなくなります。こんなときに災害が発生したら逃げようにも逃げられません。

正午には暖気が強くなり道路の氷は再び溶け出しました。ツルハシで雪解け水の水路を開け、雪の上にたまった水が凍る前に排水できるようにしました。

トップへ戻る

4-4 滑り止め材の散布

2006(平成21)年1月15日の理事会報第269号で、滑り止め材を東西棟に保管」をお知らせしました。

滑り止め材を、東棟一階ホールに1.5ko入り7袋と3kg入り10袋、西棟玄関ホールに3kg入り10袋を保管しています。北側道路のつるつる路面対策用として白石区土木センターよりいただき、玄関前から周辺一帯にまいて転倒事故防止に利用します。

    

1月下旬から3月にかけて周辺にまきますが、滑り止めの砂はかなり硬く、外玄関のタイルや床タイル上にのると傷つく恐れがあります。風除室の泥落としで付着した滑り止め材を落としてから入ってください。

2007(平成22)年から地域のまちづくりセンターよりいただけるようになり、重量はかなりあるので理事長の乗用車で年一回運搬しました。

土木センターからいただいた滑り止め材を含めて、2012(平成24)年5月末に3年間は使えるだけの量を時期理事会へ引き継ぎました。

トップへ戻る

5 避難経路の整備

2011(平成23)年4月1日より始まった大規模修繕で、高齢者が避難するときに体を支えられるよう共用部廊下の階段に最上階から一階まで連続した手すりを設けました。床のPタイルを剥離し、転んでも衝撃を緩和できるタイルカーペットに張り替えました

階段のステップは予算の関係で最上段と最下段のみを蛍光色入りにしました。これも災害時の避難に備えたものです。

西棟に車椅子を使われている方がいらっしゃり、高齢者の増加に伴い明日は我が身かもしれません。東棟と西棟の玄関に車椅子が通れるようにスロープを設けました。

トップへ戻る

6 豪雨時の対策

2011年(平成23年)年9月11日の理事会報第354号で「もしも望月寒川が氾濫したら」をお知らせしました。

9月5日正午、NHK札幌放送局は「道内記録的大雨のおそれ」を放送しました。「6日の午後6時までに予想される太平洋側西部と日本海側南部の40mmの雨量は、石狩川流域で河川が氾濫するなど大きな被害が出た昭和56年8月の水害に匹敵する雨量となります。すでに、道内では今月1日の降り始めからの雨量が、後志や石狩で300mm近くに達しているところもあって、これまでの雨で地盤が緩んでいることから大きな災害が起きるおそれがあるとして、気象台は低い土地の浸水や土砂災害、河川の氾濫などに厳重に警戒するよう呼びかけています」。

民放のニュースでも「北海道に停滞する前線に、台風12号から変わった低気圧と台風13号の影響で暖かく湿った空気が流れ込み、6日の夕方にかけて大気の状態が非常に不安定となります。道内では、6日の夕方にかけて太平洋側と日本海側で局地的に非常に激しい雨が降る見込みで、記録的な大雨となるおそれがあります。」「北海道では1981(昭和56)年8月に石狩川流域河川が氾濫、死者を出した「56水害」に匹敵する雨量となる恐れがあります」

4月に更新された札幌市中小河川洪水ハザードマップによれば、1時間当たり40mmから50mmの雨で望月寒川が氾濫する恐れがあるとされています。氾濫した水は環状線を越えて流れ落ち、土地を削って整地した低い位置のマンションは床下浸水が確実です。しかも、札幌市の下水道は1時間に30mmを超えた雨を処理できないのが現実です。

トップへ戻る

自転車置場の奥に旧受水槽室の点検口があります。隙間から水が流れ込むとベビー水中ポンプが水をくみ出しますが、コンセントの位置まで水が入ると動かなくなります。

受水槽室とポンプ室の壁に扉がありますが、水を阻止できるような造りではありません。ポンプ室へ水が流れ込むと揚水ポンプは停止します。モーターと揚水ポンプを取り替えるまで飲料水はもちろんトイレも使えなくなります。

臨時役員会を招集して対応を検討する余裕がないと判断し、厚手のシートを敷いてインターロッキング補修用の川砂40kgを18袋に分散して並べ、その上に滑り止め用砕石の入った3kg入りの14袋を並べて押さえました

6日午前8時に豊平川の水位は8.34mに達し、「氾濫(はんらん)危険水位」を越えて市民の憩いの場となっている河川敷が冠水しました。南区では車庫が水浸しになり、裏山が崩れて住宅に泥が流れ込みました。用水路から大量に水が流れ込み一面が川のようになったところもありました。宮の森では雨水が下水道からあふれて道路を流れ落ちていました。白石区で完全に水没した公園があり、近くの作業場では室内に水が入り、ポンプを使って排水作業を行っていました。南区と中央区に土砂災害警戒情報が発表され、6日午前までの南区の24時間雨量は188.5mmを観測し、9月の月平均降水量142.3mmを大幅に上回るなど記録的な大雨となりました。

トップへ戻る

ニュースはさらに追い打ちをかけます。「6日の夕方にかけて1時間に降る雨の量は最大で、太平洋側西部と日本海側南部で60mm、太平洋側東部と日本海側北部で30mm、また、6日の午後6時までの24時間の雨の量は、多いところで、太平洋側西部と日本海側南部で400mm、太平洋側東部が150mm、日本海側北部に100mmに達する見込みです。今月1日の降り始めからの降水量は十勝の上士幌町糠平で400mmを超え、札幌の小金湯でも300mmを超えています。北海道は夜にかけて雨が強まる恐れもあり、気象庁は引き続き注意を呼びかけています」。

7日早朝の道路は乾燥していました。ごみステーションの周囲は、カラスが散乱させた野菜くずやポリブクロが歩道にへばりついています。町内会環境部長さんと清掃しながら、大雨の被害がないことを喜び合いました。インターロッキング補修用として購入した川砂は西棟地下ピットの床に撒き、滑り止め用砕 石の入った袋は元の位置へ戻しました。大雨のニュースが流れるたびに点検口の密閉と後片付けは大変な作業ですが、密閉が悪ければ破損したポンプやモーターの交換で費用も時間もかかり水が使えなければ居住者は困ります。水中ポンプや配管の更新工事に必要となる点検口は、人為的にしかを塞ぐことはできないのです。

トップへ戻る

7 せめて居住棟だけでも

2012(平成24)年5月31日、大規模修繕の計画から工事完了まで6年間続いた理事長を退任しました。降雪期に一人で除雪している姿を見たマンション駐車場の除雪業者が、ついでだからと北側生活道路を広く除雪してくれました。

建物のそばは破損の恐れがあるので遠慮してもらいましたが、入居した日から入居者も管理組合設立時より理事たちもは誰一人除雪をする人はありません。理事長を退任しているので、2013(平成25)年1月14日をもって北側花壇前と西棟の玄関前の除雪をやめました。

 

吹雪が止んだので東棟の玄関周囲を除雪後、西棟玄関を見に行きました。車椅子の利用者が住まわれているのに、新聞配達員が通ったあとしかありません。理事たちに思いやりの大切さを引き継げなかったことを、災害終息後に責められるかもしれません。

トップへ戻る