はげちゃんの世界

人々の役に立とうと夢をいだき、夢を追いかけてきた日々

第10章 エレベータ保守と
          思いやり

マンション管理勉強仲間よりメンテナンス料金やフルメンテナンス契約とPOG契約があることを学びました。エレベーター使用後は一階へ下ろす気配りをお願いし、エレベーターの消費電力を調査して思いやりの継続を訴えました。

1 保守料金の変遷

1-1 入居当時の状態

1992(平成4)年6月7日に管理組合の設立総会が行われ、翌日から六階建てで一部五階建てマンションに21世帯が入居しました。東棟は11戸にエレベーター1基、西棟は10戸にエレベーター1基という贅沢な造りです。

マンション住まいが初めての人ばかりですから、知識もなければ比較対象の資料もありません。定期総会で管理会社より決算報告があっても、そういうものなのという程度の反応に終始します。決算書の数字は次のようになっていました。

平成4年度のフルメンテ料金
66,950円×2基×6ケ月+97,850円(6月分日割り計算)=901,250円

平成5年度のフルメンテ料金
  66,950円×2基×12ケ月=1,638,000円

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1-2 仲間の情報を得て

2001(平成13)年の7月に、北海道マンション問題相互支援ネットワーク(略称「相互支援ネット」)の仲間に入れていただきました。メンバーは全員が仕事をもたれ、居住しているマンション管理組合の理事長や修繕委員長をされていました。

2002(平成14)年2月に開催された相互支援ネット主催の、みんなで学ぶマンション講座「知って得するエレベーター」のテキストをパソコンでまとめる作業を担当しました。札幌市内にあるマンション42棟のエレベーターメンテナンス料金を入力しているうちに、うちのマンションの保守料金は高すぎると驚きました。

お手伝いしたみんなで学ぶマンション講座「知って得するエレベーター」で、エレベーターのメンテナンス契約は「フルメンテナンス契約」と「POG契約」の二種類があることを学びました。

保険的な要素のある「フルメンテナンス契約」は、通常の使用で発生する消耗品や部品の交換と修理を含んだ契約です。その都度、見積もりや支払いを行う必要がないので予算計上をしている分譲マンションなどに適します。

Parts(パーツ)、Oil(オイル)、Grease(グリス)の頭文字をとった「POG契約」は、定期点検と管理仕様範囲内の消耗品の交換を含みロスのなさが魅力です。1回分のメンテナンスにかかるコストを最低限に抑える一方、そのほかの消耗品や部品の交換や修理については別途費用が必要になります。

エレベーターの保守管理はメーカー系の独占市場となり、独立系のメンテナンス業者には様々な障害が多いと言われます。部品の仕入れはメーカー系列企業が主体になるため、メーカーの意向に左右されて価格や納期などに厳しい条件が加えられ、顧客ニーズに応えられないことが多いとされます。

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独立系のメンテナンス業者三社にエレベーターをみていただき、「フルメンテナンス契約」と「POG契約」の見積もりを二通りお願いしました。独立系のメンテナンス業者の見積金額と、知って得するエレベーターのデーターを理事会に提示して、管理会社の担当者にあまりにも高すぎるので値引きするよう迫りました。

定期総会は平成13年6月24日のため、過去となった4~5月分は旧価格で6月分から値引き後の新価格になりました。

平成12年度のフルメンテ料金
66,950円×2基×12ケ月=1,638,000円

平成13年度のフルメンテ料金
(66,950円×2基×2ケ月)+(46,200円×2基×10ケ月)=1,197,000円

平成14年度フルメンテ料金
  46,200円×2基×12ケ月=1,108,800円
      平成12年度より529,200円の支出減

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1-3 施設破損の原因

2003(平成15)年5月18日の理事会報第136号で東棟の屋上出入口の扉が変形し、エレベーター機械室扉ノブが破損していることをお知らせしました。

東棟エレベーター機械室扉ノブが破損していること、屋上出入口の扉が変形して雨が吹き込みやすくなっていることなどを発見しました。機械室扉ノブの破損は、昨年も同様な状態であったことを思い出しましたが、居住者の出入りがないので問題はありません。屋上出入口扉は、隙間テープで目隠しすることで吹き込みを防止し、修理は大規模修繕時に検討することとしました。

屋上出入口の扉が変形と東棟エレベーター機械室扉ノブの破損については、管理会社の担当者にエレベーター会社から毎月点検にきている技術者に原因を問い合わせるよう依頼しました。

2003(平成15)年11月10日の理事会報第165号で、「西側エレベータ機械室扉、開閉ノブ破損」をお知らせしました。

2003(平成15)年11月9日午後1時から始まった竣工検査も終わり、(中略)作業員と工事関係者のご苦労をねぎらい、お別れしてから共用部の施錠に向かいました。明日の作業に影響のない西棟エレベータ機械室扉のノブを廻すと、全体が空回りします。強風で壁にぶち当たって破損していたノブは、ついに外側と内側が分離しました。カラ回りしているので安物に取り替えざるを得ません。

破損していたノブを外して調べると外側と内側の接着部が剥がれて元に戻りません。破損した原因は、扉を半開き状態にしているときに西風が吹くと、ノブは壁に激突してすさまじい衝撃を受けます。管理会社の担当者から回答がないことを思い出し、どのような結果であったか至急お知らせくださいと伝言しました。

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2004年(平成16)年6月のマンションツアーで、屋上出入口扉の変形が進んで雨が吹き込み床が濡れていました。東棟の扉に続いて、西棟エレベータ機械室扉のノブも壊れています。ノブの外側と内側の接着部が外れ、ノブを回しても外側だけが回転してデッドボルトを引っ込めることができません。

住人が利用する場所でないためカギなしのものを二組発注しました。大阪より入荷しだい店へ取りに出向くことで二割引にしてもらい、取り付けは理事長が行うことで合計7,100円を節約できました。思いだしたときに督促していますが、管理会社の担当者よりエレベーター技術者のおはなしは届きません。

2004(平成16)年6月17日の理事会報第188号で、「エレベータ機械室扉に簡易ドアロック」をお知らせしました。

屋上エレベータ機械室の扉を開け放しておくと、突風で扉が壁にぶつかりノブが破損します。百円ショップで購入したドアロックは、扉とコンクリート床の間が10cmも離れているため使用不能と分り、管理組合の支出より除外しました。

ホームセンターに扉と床の間が13cmまで利用できるドアロックがありましたが、1台約1,900円という値段です。高価な商品をやめて、直径5cmで長さ90cmの角材を購入し、四等分して写真のように二本組み合わせました。扉のノブは7cmですから、10cmのドアロックを扉にはさむことでノブの激突を防止できます。点検者は面倒と思うでしょうが、ノブの弁償金を請求されなかったことを感謝すべきでしょうね。

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1-4 直接契約へ切り替え

マンションの管理の適正化に関する指針で、「マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、(中略)第三者に管理事務を委託する場合は、その内容を十分に検討して契約を締結する必要がある。」とされています。私たちは管理会社から「重要事項説明書」の提示を受けてマンションの管理事務を委託しています。

マンション標準管理委託契約書に、管理会社は「管理事務の全部又は一部を、第三者に再委託することができる。」との規定があります。管理会社がエレベーターの保守点検をしているわけではなく、エレベーター会社にエレベーターの保守点検を管理会社が再委託していることになります。

適正化に関する指針には「第三者に管理事務を委託する場合は」と表現されているので「委託せずに直接契約してもよい」ことになります。マンション管理セミナーで質問すると誤りではないことが分かり、参加されていた理事長さん方より様々な体験談を伺うことができました。

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管理会社の担当者に質問してもすぐに回答をもらえません。ときには忘れているので何度も質問することがあります。これなら仲介の労を省いて、管理組合とエレベーター会社が直接契約をしたほうが確実な回答をもらえます。管理会社とエレベーター会社に直接契約を提案しました。

定期総会は平成19年5月27日であったため、過去となった4~5月分は旧価格で、6月分から値引き後の新価格になりました。

平成18年度フルメンテ料金
46,200円×2基×12ケ月=1,108,800円

平成19年度のフルメンテ料金
(46,200円×2基×2ケ月)+(44,100円×2基×10ケ月)=1,100,400円

平成20年度のフルメンテ料金
44,100円×2基×12ケ月=1,058,400円
    平成18年度より50,400円支出減

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1-5 誠意ある対応

2010(平成22)年10月19日の理事会報第325号で、「屋上への出入口扉の実情を伝え扉の費用は負担と誠意をいただく」をお知らせしました。

1-5-1 EV会社への手紙

冬期間の降雪時は、管理員がエレベータ機械室までの通路を除雪していると考えていました。屋上出入口扉の損傷は相当以前から理事会で問題になっていたため、1~2年毎に代わる管理員に注意を促すと「まれにサービスすることはあっても除雪は業務に入っていない。」と否定しました。冬期間は、エレベータの点検以外で屋上へ出る必要性はほとんどなく、豪雪時のみ天候の良い日に理事長が雪庇を落とす作業をしている程度です。

貴社がエレベータを点検されていることから、屋上の扉を開閉するのは貴社の点検者と思われますが、理事会は扉をどなたが破損させたのか特定することはできません。屋上出入口の表側に吹き溜まりができて開けづらくなり、下の写真でご覧いただけるように、扉の下を蹴飛ばしたと思われる痕跡が歴然と残されています。扉下部のサビは論外ですが、扉が変形してカギが掛けずらくなり、冬期間は隙間から雪が吹き込んできます。

10月4日付けでエレベータ株式会社北海道支社長宛に貴社の対応について依頼文書を郵送すると、10月15日午後4時に保全管理主任と営業担当者がおいでになりました。あいにくの雨でしたが屋上出入口扉の状態をご確認いただき、大規模修繕で予定している改修方法を説明しました。

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1-5-2 EV会社の対応

弊社のエレベータ点検担当者に確認しましたところ、冬期間は開けずらくなるのでやむを得ず扉の下を蹴飛ばすことがあったと聞きました。屋上のエレベータ機械室へ行くためには通らなければならないところであり、弊社に責任があることを認めお詫び申し上げます、との回答をいただきました。

他のマンションの実情やご苦労されている実態などをお話いただき、点検者が業務遂行に支障を感じることのない方法で扉の損傷を回避できる最善策を話し合い、出入口の扉を内開きにすることではないかとの結論に達しました。

この旨を大規模修繕パートナーへ告げて改善策を検討をいただくことを約束し、現在の屋上への出入口扉1枚分の費用をご負担いただくことで話し合いがまとまりました。

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1-6 支出抑制を実現

大規模修繕工事の着工3日前、2011(平成23)年3月29日の理事会報第339号で、「エレベーター保守契約を延長、屋上扉の修繕費は保守費用の値引きで」をお知らせしました。

六階屋上への出入口扉の外側に吹き溜まりができ、内側から扉を蹴飛ばさないと開けることができません。今年の冬も雪庇を取り除く作業の時に周囲を除雪しましたが、体重をかけて押しても開かない日がありました。このようなときは扉の下をやむを得ず蹴飛ばすしか方法がありません。扉の取り付け方に問題があり、エレベーターの補修点検者ばかりに非があるとは言えないことがわかります。

昨年10月にエレベーター会社と話し合いを持ち、大規模修繕費用が足りるかどうか切羽詰まった状態のため、保守点検者が蹴飛ばして変形させたのだから半分くらいは費用を負担しろと強気に出ました。

3月に入り、「新年度からの保守点検業務について新たに契約を結びます。扉の取り付け方を変更して保守点検に支障のないよう配慮します。難癖をつけてお金をむしり取るような言動に心を痛めています。」と連絡しました。エレベーター会社も「責任の一端を感じておりますので、保守点検料は年額54,000円減額でお許しください。」とおっしゃり、理事会で了承しました。

平成22年度フルメンテ料金
  46,200円×2基×12ケ月=1,108,800円

平成23年度のフルメンテ料金
  42,000円×2基×12ケ月=1,008,000円

平成24年度のフルメンテ料金
  42,000円×2基×12ケ月=1,008,000円
      平成22年度より100,800円の支出減

この結果、エレベーターのフルメンテ料金は平成5年度66,9500円×2基×12
ヶ月=1,638,000円から、平成24年度は42,000円×2基×12ヶ月=1,008,000円となりました。疑問を持たずに放置していれば、現在より63万円も高額なフルメンテ料金を毎年払い続けていたでしょう。

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1-7 補修は終わったが

屋上出入口の扉は底部が屋上の床と同じ高さのため、外側に吹き溜まりができると開けづらくなります。2010(平成22)年4月1日に着工した大規模修繕工事で、防水層水切りと同じ位置まで壁を造り、扉は二割程度高さを縮めたアルミ製に取り替えました。

扉の位置が高くなったので、吹き溜まりができても開けやすくなりました。エレベーターの保守点検業務技術者にご苦労をかけないよう、もう少し吹き溜まりを防止できないだろうか。大規模修繕のパートナーであった一級建築士と施工業者が知恵を絞り、翌年の春に屋上出入口を透明のポリカーボネット板を貼ったフェンスで囲いました。

2012年5月末日で理事長を解任されたので、2013(平成25)年2月17日に五階屋上の雪庇を積み上げて六階の様子を見ると、構造に問題があると見えかえって吹き溜まりができていました。理事会は管理員に屋上出入口の除雪を依頼したようです。

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2 機械室の戸枠

2001(平成13)年4月17日の理事会報第83号で、「長期修繕計画への対応とマンションの管理」をお知らせしました。建物のチェックは私達でと題して、問題を提起しました。

管理委託契約書の中に、「外壁、屋上等の異常の有無」という点検項目があります。しかし、現在の東棟北側外壁タイルのひび割れや屋上の柳の成長状態を放任し、異常の有無を確認している(?)だけで日誌に記録を残さず、管理組合へはなにも知らせてくれません。次のような状態を、あなたはどうお考えですか。

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2-1 進行しすぎた金属腐食

金属製の扉は屋上に3箇所、六階に3箇所、一階に3箇所の計9箇所あります。屋上の出入口1箇所、エレベータ機械室出入口2箇所、自転車置場出入口1箇所の計3箇所は、下の部分がさびてボロボロという状態まで放置されてきました。

腐ってどうしようもなくなったら取り替えればいいと考えますか。こうならないうちに手を打てば、進行を遅れさせることができたはずです。気づかないところを見てもらうために、管理費を支払っているはずです。修繕の見積もりを取っていますが、これまで異常に気づかなかったツケは高額な修繕費となって現れるでしょう。(カラー写真を、掲示板に張り出しましたのでご覧ください。)


上段の写真2枚は東棟のエレベーター機械室の扉、下段の写真2枚は西棟のエレベーター機械室の扉です。


私たちはマンションの購入契約をするときに、管理会社の見積書や業務内容を検討したわけではありません。請求されるままにお金を払い、管理委託契約書にかかれていることは当然やってくれるものと信じていました。

管理会社も入居が終わって一段落した頃に、マンション管理は自分たちでするものですよ、管理会社のやることはここまでですよという説明会をもってくれればよかったのです。そうすれば、不信感を持たれなくてもすみますし、信頼がいっそう深まったはずなのです。このままでは、建物の劣化を食い止めることができません。自分たちの目で点検するほうが確実ではないでしょうか。

2001(平成13)年5月25日に三社見積もり結果で補修業者を選定し、東西棟エレベータ機械室の扉を補修しました。

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2-2 金属腐食の再発

2006(平成18)年7月19日の理事会報第200号で、「17日役員による建物点検を実施」をお知らせしました。過去2年間は建物を点検されていないので気になっていました。

管理会社の共用部点検は5月19日に行われ、現在点検報告書を回覧しています。(中略)管理会社の「共用部点検報告書」で指摘された不具合や損傷箇所を、7月17日午前9時から管理組合役員の目で確認しました。コンサルタントをお願いしていました故寺地一級建築士は、平成16年3月7日付け配付の「各自保管最重要書類 長期修繕計画」でも「外部鉄部のうち、塔屋EV機械室などのスチールドアの発錆が著しかったので今後も定期調査を」と訴えていましたので、第一にこの部分を確認しました。

下写真3枚は屋上のエレベータ機械室扉枠の状態です。写真を持参して公的機関主催のマンションセミナーで一級建築士にお見せすると「早めの修理」を薦められました。左端の写真では枠に亀裂、中央の写真は防水幕に穴が開いています。ここから進入した雨水が屋台骨などを腐らせていきます。

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2006(平成18)年10月31日の理事会報第206号で、「屋上出入口扉とEV出入口扉を塗装」をお知らせしました。

9月29日(金)午前9時から、(中略)屋上出入口扉と枠、東西棟のエレベータ機械室出入口扉と枠の3箇所を塗装しました。屋上の鉄部は2年おきに一度の割で塗装することで比較的良い状態を保つことができます。この次は平成21年度の理事長さんに塗装の発注をお願いします。

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2-3 大規模修繕での補修

2009(平成21)年8月30日の理事会報第287号で「変性シリコンで補修完了」をお知らせしました。

28日の早朝、雨マークが消えて日がさしはじめたので機械室戸枠にできた腐食による隙間を変性シリコンで密閉しました。変性シリコンは粘性が中途半端なため少々ムラがでています。きれいに伸ばすことができないのでご理解ください。東西棟の機械室内防火ダンパーはグリースの効果で鎧戸が比較的容易に動く状態でしたが念のため再注入しておきました。

この補修は、来年4月に大規模修繕が始まるので応急処置で良いだろうと、チューブ内に残っていた変性シリコンを絞り出して塗布しました。

2010(平成22)年4月1日に着工した大規模修繕工事は5ヶ月後の9月2日に竣工しました。青空の中に西棟のエレベーター機械室が浮かび上がっています。

断続的に12年間理事長を務め、お付き合いいただいた管理会社は三社になりますが、一度もエレベーター機械室の扉の腐食について報告を受けたことはありません。そろそろサビが出始めているのではないかと気になりますが、管理会社の職員や管理組合の役員は点検してくれるでしょうか。

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3 機械室のガラリ

3-1 温度ヒューズ

2001(平成13)年4月17日の理事会報第83号で「エレベータ保守費」をお知らせしました。

理事会報第81号でお知らせしましたように、メーカーの紐付きでないメンテナンス専門業者と契約すべきでないかと話し合いました。五階の区分所有者よりいただいた資料を検討し、札幌市指定入札登録業者でありマンションから最も近い「独立メンテナンス業者」に見積もりを依頼しています。

2001(平成13)年4月20日に見積のため独立メンテナンス業者を屋上のエレベーター機械室へ案内しました。室内を見回すと換気のために開いていなければならない延焼防止のためのガラリが閉まっています。開けなければと近づいてみると、ガラリを自動的に閉鎖する温度ヒューズが外されていました。西棟のエレベーター機械室を確かめるとやはり外されています。

点検し終わったときに元通りにするのを忘れたのだろうと思い、東西棟二ヶ所のガラリを開放して温度ヒューズが解けると閉鎖するようにセットしました。

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2004(平成16)年5月20日の理事会報第184号で「施設設備点検と消防設備点検を実施」をお知らせしました。

西側エレベータ機械室内部のガラリはペンキが劣化し、触るとボロボロ剥がれ落ちます。中央の写真は西棟側、右の写真は東棟側のガラリで劣化状態は一目瞭然です。これは西風が強いこと、雨は西風によって吹き付けられることをものがたっています。西棟側空気抜きの中央部分にある縦長の金具とバネもサビ付き、力を入れても動きが鈍くなっていました。一方、東棟側のガラリは閉まった状態になっていました。

火災が発生した場合、温度ヒューズが火災の熱で溶けて切れると、バネの力で空気抜きのガラリは閉じて機械室内部へ空気が入らないように密閉できる構造となっています。本来は開いていなければなりませんが、これをエレベータ屋さんが何らかの理由でネジをはずしたまま放置したようです。元通りヒューズをネジ止めしておきましたが、注意しなければ防災装置が作動しないようになっています。

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3-2 塗装の劣化

2004(平成16)年6月11日の理事会報第187号で「雨と雪が吹き込んでいたので」をお知らせしました。

東側エレベーター機械室の温度ヒューズをはずさなければならない異常事態が生じたのでしょうか。管理員さんに理由を説明してくださいと、温度ヒュ-ズ取り外した理由について照会すると、エレベータ会社の方より電話で回答がありました。

東側の空気取入れ口から雨や雪が吹き込んだ痕跡があったので、水をかぶるとモーターなどに影響を与えることから、温度ヒューズをはずしてガラリを密閉しました。今後は、現状を変更する場合必ず管理員さんを通して理事長の許可を求め、結果を報告するようにいたします。

西側空気取入れ口の塗装はボロボロになって、ここからも雨や雪が吹き込んだ痕跡があります。温度ヒューズをはずしてガラリを密閉しても、空気はエレベーターのカゴを吊るロープの隙間から入ってきます。酸欠にな る恐れはないので、東側エレベーター機械室は温度ヒューズをはずして密閉しました。西棟の温度ヒューズもはずしましたが、ここはスライダーもよろい戸もサビついてビクともしません。

引き継ぐ前に直そうと、9日の午後ホームセンターで修理方法を聞いてスライダーとよろい戸の止め金具にシリコンオイルを差しました。10日の朝、再びシリコンオイルを差してから上下をかなづちで叩くと開閉できるようになりましたが、雨が降る前に終わらそうと思ったので朝早くから少々うるさかったと思います。ゴメンナサイ。

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3-3 ガラリの塗装

2008年(平成20年)7月13日の理事会報第257号で、「東西棟共にサビを落として表面塗装」をお知らせしました。

サビ付いて動かなかった西棟吸気ダンパーの稼動部に、7月2日から一日おきにKURE55・6を注入していると9日になって少し動くようになりました。二箇所とも剥がれかけているペンキを金ブラシで落と、汚れを雑巾でふき取ってみると、東棟のダンパーの羽の留め金具が一箇所なくなっていて、連動稼動しないことが分かりました。翌日、黄色の水性ペイントとハケと絵筆を購入して午後から塗装しました。

吸気ダンパーは周囲をコンクリートで固定されているため外すことができず、雨風が直接当たる部分はサビを落とすことも塗装もできません。裏側からのサビで本体が変形し始めたら、周囲のコンクリートを壊して枠を入れて外せる構造にして取り替えるべきでしょう。

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2008(平成20)年7月27日の理事会報第258号で「グリース注入」をお知らせしました。

エレベータ機械室内のダンパー稼動部にグリース(420円)を注入しました。これまではかなりの力を要したダンパーですが4~5回動かしていると指一本でスムーズに動くようになりました。年に1回程度グリースを注入すればさび付かないと思われます。

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3-4 雨の吹き込み防止

2010(平成22)年11月11日の理事会報第328号で「法定点検で問題ある部分が2箇所」をお知らせしました。

東棟エレベーター機械室の吸気用ダンパーから雨が吹き込んでいました。木毛板の壁にシミがつき、床にも痕跡が残されています。吸気用ダンパーのよろい戸が閉まっていても雨は吹き込んできます。

翌日、吸気用ダンパーのよろい戸を持ち上げて最下段からポリエチレンの買い物袋を内部へ入れ、端は機械室内部にだしてよろい戸を閉めました。フードから風が吹き込むと、ポリエチレンの買い物袋は外側からよろい戸に貼り付きます。機械室内から排気のときは、買い物袋がよろい戸から離れます。

吸排気口より少々小さめなので、空気の出入口を密閉することはありません。西棟の吸気用ダンパーにも同様に買い物袋を入れておきました。

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3-5 壁から浸み込みか

2008(平成22)年12月13日の理事会報第332号で「東西棟エレベーター機械室の雨水痕跡」をお知らせしました。

12月3日の午後、エレベーターの定期点検にこられた東芝の技術者より「東棟の機械室内に雨水が入っています。床にたまるようになると危険なのでご確認ください。」と連絡をいただきました。

ポリエチレンのシートを固定しているよろい戸の下を触っても濡れている部分はなく、よろい戸を固定している周囲のモルタルも乾いた状態です。

東棟エレベーター機械室の吸気ダンパーに挟んだポリエチレンシートはそのままの状態でした。下向きの空気取り入れ口から雨風が吹き込んできたときに、機械室側で固定されているシートがまくれあがってよろい戸をふさぐ仕掛けです。左右から吹き込まないよう、シートは端にぴたりと接触させてあります。

平成20年7月10日に動かなくなっていたよろい戸のサビを落とし、塗装してグリースを注入したときは壁の木毛板にシミ跡は見かけていません。

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左下の写真は、11月9日に実施した特殊建物法定点検時に撮影したシミ跡です。その右隣の写真は12月4日に撮影したものです。両端から吹き込んだように見える4日の写真のシミ跡は、左端の写真と比較すると濃くなっています。シミに触っても濡れているわけではなく、周囲の壁は乾いています。

右端の写真は西棟のエレベーター機械室吸気ダンパーで、ダンパーの下に流れ落ちたようなシミ跡が残されています。雨が吹き込んだ痕跡ですが、ポリエチレンシートを挟んでから雨水は入っていませんし、壁の木毛板は乾いています。

これらの現象を総合的に考えると、東棟エレベーター機械室の外壁から建物内部へ水がしみこんでいると推定できます。ダンパー周囲のタイルが浮いて、タイルの目地から雨水が染み込むようになったのでしょう。

外壁のシールやタイルの目地から浸み込んだ雨水が、ガラリの枠をつたって内部へ入り込んだのではないかと考えました。素人の憶測ですから、来春の大規模修繕で足場を組んだ時に専門家に調査いただくことにしました。

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3-5 悲しい現実

2011年(平成23)年7月25日の理事会報第349号で「エレベーター機械室内も補修完了」をお知らせしました。

エレベーター機械室の床にひび割れができていました。機械室は、エレベーターの籠を吊り上げるモーターや電子制御装置などの重量物が設置されている箇所です。

コンクリート構造物はかならずひび割れが発生しますが、吸気ダンパーから雨水が吹き込んでひび割れに入ると、コンクリートの酸性化が進みます。コンクリートが酸化すると鉄筋がもろくなるため、床のひび割れはすべて変性シリコンで補修していただきました。

吸気ダンパーは、平成20年7月に塗装した後、KURE55・6で滑らかに動くようにしてからグリースを差しました。

今回の工事で素人が厚塗りした塗料をすべて剥離し、グレー色に塗装されました。塗装後のダンパー稼働はスムーズになりましたが、温度ヒューズは外したままの状態です。雨の吹き込み防止が不可能であれば対策を考えなければなりません。

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2011(平成23)年8月21日の理事会報第351号で「雨と雪の吹き込み防止処置を完了」をお知らせしました。

昨年の11月に、エレベーター機械室の吸気用ダンパーに細工をしました。よろい戸を持ち上げて最下段からポリエチレンの買い物袋を内部へ入れ、端は機械室内部にだしてよろい戸を閉めました。

大規模修繕工事で改善策を考えていただきましたが、これぞというアイデアがあらわれません。巾130mmのアルミ板で下段をふさぐと、温度ヒューズの交換は不可能になります。

昨年より少々改良を加え、厚手のビニール袋を切り開いて吸気ダンパーの中へ広げ端を折り返して鎧戸の最下段にダブルクリップで止めました。フード下から風が吹き込むとビニールシートは外側からよろい戸に貼り付きます。機械室内から排気のときは、ビニールシートがよろい戸から離れます。ビニールシートは吸排気口より小さめで、空気の出入口を密閉することはありません。

西棟の吸気用ダンパーにも同様の処置をしました。

大規模修繕で、外壁のシールは打ちかえてタイルの目地は補修しました。雨の吹き込み防止が不可能であれば他の対策を考えなければなりませんが、吹き込みを防止できたかどうかは時間の経過が必要です。

大規模修繕工事の準備から完了までの任期が終わり、翌年の5月末に理事長を解任されました。引き継ぎ方が悪いので、改善策が功を奏しているのか確認のすべがありません。

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4 大切な思いやり

4-1 入居した当時

1992(平成4)年10月22日発行の理事会号創刊号でご協力をお願いしました。

エレベーターの利用後は、つぎに利用する方々のためかならず一階に下ろしておきましょう。

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4-2 十年目の再確認

22002(平成14)年1月1日の理事会報第104号で「エレベーターは一階へ下ろしてね、待たなくてもすぐ乗れるように」をお知らせしました。

寒い日が続きます。吐く息は白く風向きによって眉毛も凍りつきます。耳は赤くなり、千切れそうな痛みを感ずることもあります。素手は乾燥のためにカサカサとなり、指先はカジカンで感覚を失い始めます。そんなときは一分でも早く自宅へ戻り、身体を暖めたいと願います。

エレベータに乗ろうとしてもエレベータは一階に下りていません。ボタンを押しても、エレベータはすぐに下りてこないのです。感覚が鈍くなった指に息を吹きかけながらイライラした経験はどなたもおもちでしょう。道具は使ったら元の位置へ戻す。次に使う人のことを考える、という気配りが住む人の気持ちを和やかにします。

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4-3 憶測ではありません

2010(平成22)年10月3日の第二回臨時総会後、理事長宛の手紙をいただきました。

エレベーターを下ろさず、その階で乗り捨てに注意についてですが、最初の頃と違って今は退職して家にいる方も多いと思います。近くで乗る方も多くなっています。一階に絶対置くことは電気のムダになりませんか。

2010(平成22)年11月1日の理事会報第326号で、「エレベーターの乗り捨ては省エネか」をお知らせしました。

平成17年度から平成18年度への理事会業務引継ぎ時にも、「節電のためエレベーターは下ろさずに乗り捨てるべきではないか。」とのお話をいただきました。このときは平成4年度の役員経験者から「エレベータを一階へ下ろすのは帰宅された方ができるだけ早く自宅へ戻れるようにとの心遣い。」と説明がありました。

前年度理事会より省エネを図るべきとのご意見をいただいて、平成18年度理事会は真剣に取り組みました。廊下は人感センサーで作動する照明と駐車場にメタルハライドランプを採用しました。

照明電気料金は平成18年度の417,618円を基準にすると、
  平成19年度は301,543円で116,075円の節約、
  平成20年度は238,879円で178,739円の節約、
  平成21年度は232,008円で185,610円の節約を図りました。

動力部門に揚水用インバーターポンプと電子ブレーカーを導入することで動力電気料金は平成19年度の320,370円を基準にすると、
  平成20年度は189,690円で130,680円の節約、
  平成21年度は149,210円で171,160円もの省エネ実績を上げてきました。

ご質問をいただきましたのを機会に、ロープ式エレベーターを乗り捨てた場合と、一階へ戻した場合の消費電力差を大手四社に質問して回答をいただきました。

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4-3-1 SECエレベーター

ホテルの場合はお客様の利便性を優先し、複数台のエレベーターのうち一台は一階ロビーで待機するように設定しています。マンションでの使用形態を考えると、使用後は一階に下ろしても消費電力にそれほどの差は生じないと思います。
 なお、エレベーターの所要電力を求める計算式は次の通りです。

P=κ{(L・V・F/6120η)+P0 }[Kw]

κ:加減速に要するトルクに関する係数 L:積載荷重[kg] V:速度[m/min]

F:つり合い錘による係数 η:エレベータの全効率(歯車式・無歯車式) P0:無負荷運転出力(歯車式)

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4-3-2 三菱電機株式会社ビル計画部

エレベーターが複数台設置されている場合は、居住者の利便性を考慮して1台を玄関階で待機させる方法が一般的に採用されております。乗り捨て方式は、利便性をある程度犠牲にしても問題ない場合に採用いただきますが、走行距離が減少することで消費電力が若干抑えられる場合があります。

マンションの規模、エレベーターの仕様、その利用形態などにより省エネの程度は異なり、一般的には僅かなものと思われます。

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4-3-3 株式会社日立製作所都市開発システム社

エレベーターを1台設置の場合、出勤時間帯は「乗り捨て」の場合でも概ね基準階に待機し、帰宅時間帯は「乗り捨て」の場合でも基準階に呼び寄せられることから、運転距離に大きな差はありません。帰宅時間帯における基準階での待ち時間低減を考慮すると、乗り捨てよりも基準階復帰のほうにメリットがあります。

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4-3-4 マンションのエレベータ会社

貴マンション様に納入させて頂きましたエレベーターは、住宅用6人乗りタイプとなっております。日中の閑散時にはあまりエレベーターの起動はございませんが、朝方や夕方の出勤時と帰宅時にはエレベーターが乗り捨てられる方もいて、帰宅する方が1階にエレベーターを呼び戻す場合も多々あると想定されます。

基本料金と消費税を除いてあくまでも平均値となりますが、1台が1回の起動につき約0,005kwh程度の電力を消費しております。北海道電力の料金単価で計算した場合、1回の起動で消費電力料金は約0,06円程度となります。

貴マンション様は1日平均で1台が約147回起動しておりますので、2台の消費電力料金は一ヶ月当り約529円となります。エレベーターを乗り捨てにせず、一階へ下ろした場合は1回の起動と同じ電力消費がかかりますが、これまでの説明でお分かりいただけるように消費電力としては微量です。利便性を考慮する場合は、1階にエレベーターを下ろすほうが利用者にとっては良いと考えられます。

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これらの回答を総合的に判断すると、エレベーターの乗り捨てによる省エネ数値はわずかで、各社とも使用者の利便性を考慮した場合は一階へ下ろすことがメリットは多いとしています。

平成19年2月に人感センサーで反応するネオボールZ(単価980円、定格寿命8,000時間)の導入計画で、六階から一階まで徒歩で下りた場合の減価償却費を計算しました。980円÷8,000時間=1回の点灯で0.123円×11箇所点灯=約1.35円となります。11箇所のネオボールZが1分間点灯する消費電力料金を加算するまでもなく、約0.06円と約1.35円ですから、二階以上から徒歩で階段を下りる行為は照明用電力の無駄遣いという結果になります。

このように、エレベーターの消費電力は照明や動力の節約とは比較にならないことがお分かりいただけると思います。平成4年度理事会はエレベータ会社の説明から一階へ下ろす費用は無視できるとし「帰宅した方が少しでも早く自宅へ戻ることができるようにとの思いやり」を奨励しました。同じ建物に住んでいる方々への気配りと思いやりを大切にしたいものです。

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4-3-5 思いやりの心

マンションに入居した年の暮れに、マンション管理組合奮戦記「われらマンション族」を購入しました。建設省住宅局民間住宅課監修・(財)マンション管理センター原作・大蔵省印刷局編というと、ガチガチに堅そうなイメージでも「まんが」です。まんがの最終部に感銘を受けた言葉がありました。

マンションの良さのひとつに、人づきあいが煩わしくないというのがある。だが、マンションこそみんなで住む共同空間なのだから、共同生活のルールがより大事だともいえるのだ。誰もが自由に生きたいからこそ、みんなの立場を考えなければならない。誰もが納得するかたちで粘り強く、合意形成をしていかなければならないのだ。

ひとつの建物に住んで、合意形成を図りながら共同生活をするには、日頃顔を合わせない人に対しても「思いやり」が大切です。慶應義塾大学環境情報学部教授で日本の情報工学者として名高い村井順さんは、「思いやり」について次のように述べています。

毎日、こんなに豊かで楽しい生活ができるのは、すべて社会の人びとに生かし生かされているからなのです。このことに気がつけば、「人びとに生かされていることがありがたい」という感謝の気持ちと「人に尽くす」という思いやりの気持ちが自然と起こってくると思うのです。

思いやりについて、ジングルベルの訳詞者としても知られる詩人の宮澤章二さんは次のように述べています。

「こころ」はだれにも見えないけれど「こころづかい」は見える。「思い」は見えないけれど「思いやり」はだれにでも見える。

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