2 トラブル事例
2-1 ヒト
・ マンションは民主主義の学校 = コミュニティ。
2-1-1 区分所有者の希望
・ 区分所有者はどのようにしてほしいのか。アンケート調査とその開示。
2-1-2 法や規約の無知
・ 理事会権限について無知、ベランダ仕様権の無知。法と規約の勉強は必要。(むし
ろ、必須と言える。)
2-1-3 理事会の専横
・ 理事会権限だけ理事長だけの決定で修繕実施。歯止めをかける勇気が必要。理屈だ
けでなく人格で判断する心理。
2-1-4 修繕委員会の構成
・ 総務・資金・法務・技術・広報などの仕事を分担。問題に気付いている人が先頭に
立たなかったら動かない。
2-1-5 資金不足
・ 工事代金が支払えない。資金計画は月別に確認しておく。
2-1-6 総会運営
・ 総会の混乱が不安、意義続出で流会。事前説明会をもち、説明と決議を分けるとよ
い。
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2-1-7 理事会引継ぎ
・ 理事の入れ替えで、それまでの経過がパア。理事の二年交代制の導入。
2-1-8 高賃貸化
・ 連絡できずに対応が大変。入居者名簿の整備。
2-1-9 滞納者
・ いれば資金計画と工事計画がストップ。滞納状況の確認と対策。
2-1-10 広報の重要性
・ 調査の回収率と工事時の不在率。広報の重要性を認識(居住者の二割を取り込め)。
専門委員会の検討経過のニュース速報
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2-2 モノ
自分の財産は自分で守る = メンテナンス。
2-2-1 建物診断の重要性
・ なぜ修繕するのか=いま修繕しないとどうなるのか。一時診断からスタートすべ
き。
2-2-2 診断レベルの低さ
・ 理事会のマンションツアーで発見したことだけの診断書。業者選定の判断資料。
2-2-3 基礎資料の不足
・ 竣工図・パンフレット・修繕履歴・管理規約集。保管場所の確保、貸出ルール。
2-2-4 漠然とした修繕周期
・ 診断も共通仕様もなく見積書を比較。まず、プログラムを考える。漠然とした修繕
周期(周期を過信した計画修繕は無駄遣い)。診断と診断者の基本的資質。
2-2-5 実費精算と予備費
・ 改修には実費精算が必須。実費精算方式を理解する。
2-2-6 補償の内容に限界
・ 補償の内容名でチェック。補償の内容を理解する(不明確な点は質問)。
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2-2-7 診断教育の不足
・ 1989/11921 北九州公団住宅タイル落下で3名死亡。専門家の話を鵜呑みにせず
自分の感覚を大切に。コンクリート等の専門家不足。
2-2-8 共用・専有の区分
・ 配管問題などは問題山積。意識調査・実態調査も必要。
2-2-9 屋上断熱防水
・ 診断手法・改修手法が未確立で手探り状態。過信しない。多くの改修業者は新築か
ら改修に急旋回している。
2-2-10 修繕と改良
・ 維持保全と改良保全を長期スパンで考える。どんな改良が必要か常に話し合う。
2-2-11 工事監理とは何か
・ 単に現場を見るだけか。作業量に見合った報酬を考える。
2-2-12 工事監理とは何か
・ 各部の名前。修繕委員は業者との共通語を理解する。建物各部の名称をみんなで覚
える。適切な本が少ないのが悩み。
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2-3 カネ
家計管理の感覚を取り戻そう = マネジメント。
2-3-1 施工業者選定の透明性の確保
・ 理事会としての勉強会が必要。最後はプレゼンテーション勝負にすると良い。常に
複数で合い記録を残すこと。
・ 施工業者選定の透明性の確保(GNP慣行“義理・人情・プレゼント”による建設営業。
勝手に、理事長の親戚や知合いに工事を発注した。)。毅然とした姿勢を理事会で確
認しておく。
2-3-2 適正価格による発注
・ 優良な総合請負会社と優良な専門工事会社とのお見合い。元請けCM方の採用(東
京で1万2千社が登録済み)。適正価格による発注(ゼネコンも原価がわからない)。
オープンシステムの開発。
2-3-3 煩雑な事務処理
・ 理事会対応も含めた業務処理代行。マンション管理士の活用、管理士の育成。
2-3-4 受注落選会社の妨害工作
・ 支払い遅延、管理人の対応。管理会社との連携を早めに。
2-3-5 一時金の不払い続出
・ 決議しても払えない人の存在=現状では難しい。早めに修繕積立金値上げを。長期
修繕計画はグラフ化。
2-3-6 安かろう悪かろうという仕事
・ 金額だけで決めてしまった事例。時間をかけ、修繕事例の収集に努める。
2-3-7 アフターサービスの活用
・ せっかくの権利を行使しないと無駄な出費。アフターサービス時の理事会が命運を
握る。
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2-4 外部のヒト
2-4-1 安かろう悪かろうという仕事
・ 設計事務所のモラル。業者からのペイバック、紹介ビジネスの横行。見えないた
め、複数設計事務所に競争見積もりの導入。
2-4-2 安かろう悪かろうという仕事
・ 業界のしくみ。工事費の○%が報酬というシステム=利益相反。紹介業者を避け
て、常に競争入札の導入。
2-4-3 能力不足
・ 使用間違い、監理ミス。専門家を過信しない。多くのヒトを説得する能力。
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3 資料の活用
マンション管理センターから出ている「計画修繕工事のすすめ方」は、計画の進め方や修繕委員会運営細則例など資料が豊富ですから、管理組合の役員は参考書としてご利用いただきたい本です。余裕があれば、修繕委員の方々も座右に置かれるべきでしょう。
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