1 工事監理の位置づけ
1 工事監理の重要性
工事監理は、責任施工方式には基本的に含まれていない業務です。
2 工事管理と工事監理の違い
工事監理は同一の会社でも可能ですが、会社の不利益になる指摘はしづらく第三者である設計事務所が適任です。
3 工事監理の必要性
シーリングの打ち替え工事では、現場代理人だけの検査では後日不具合発生のリスクがあります。
右写真はシールが薄塗仕様です。右側写真は、既存シールを撤去させて新設シールを打ち直させた結果です。
現場代理人だけの検査は、不具合発生のリスクがあります。実数清算・追加工事の確認も必要です。
適切な工事実施をチェックし透明性を確保します。
右写真は下地の数量確認、右側写真は工事進捗状況です。(出来高グラフ)
2 工事監理の位置づけ
1 工事監理体制
定例会議
工事監理は管理組合の代理人として品質を管理します。
2 工事監理業務の詳細
設計図書への質疑応答・報告
・ 設計時の検討事項継続で、理事会・修繕委員会も総会承認事項の一貫性を持てるので安心。
・ 施工会社からの材料・工法の仕様変更提案に対して、既存状況にあった対応ができます。
・ 実数清算項目の増減提案を施工会社都合にならず、厳しいチェックができる、など。
調査診断・設計業務も同じ設計事務所が望ましい。
3 仮設計画の確認
仮設計画の確認・指導是正確認・報告
居住者の生活動線を含め安心・安全を確保します。
4 工程表の確認
工程表の確認・指導・是正確認・報告
設計図書に沿って作成されているか確認し、適合しない箇所は指摘し是正させます。
5 工事説明会
施工会社の説明内容・資料などに対して助言します。説明会に出席し、必要な助言を行う。
6 養生の確認
養生の確認、指導・是正確認・報告。
アルミ手摺、窓サッシなど傷がつかないように保護します。
7 全面調査の確認
全面調査の確認・指導・是正確認・報告
タイル調査の劣化部の見落としを指摘。
8 試験施工の確認
試験施工の確認・報告
大きな色見本で使用末う場所で実施(年咳効果・光の照射量)、アンケ―トで組合員の意見を聞く。
工事材料の適合確認・指摘・是正確認・報告
9 工程検査~ひび割れ
材料の納品書と使用数量をチェック。
右側写真は微酸性材塗布、左側写真はダイレクトシート打ち。
10 工程検査~ウレタン塗膜防水
右側写真はウレタン塗膜防水、右側写真は塗膜の厚さを確認
11 工程検査~シーリング
右側写真は亀甲状のひび割れ、右側写真はシーリング施工の様子
シーリング撤去・新設が基本。充填不足を指摘。
12 工程検査~外壁塗装
下塗り・中塗り・上塗りが守られているか、塗料の性能を引き出すインターバルが守られているか確認
13 工程検査~鉄部塗装
レ悪化部分のみ剥離すると塗膜の表面に段差ができる。鉄部塗装を部分剥離する場合、仕上がりを理事・修繕委員に説明。
14 実数清算の書合
下地調査図と施工箇所などの称号、清算数量、清算金額の報告
15 追加・変更工事の対応
工事の追加、変濃いウの効果・影響・費用を多角的に検討、協議・対応する
16 工事費支払いの審査
工事請負契約に適合しているかどうか、技術的に審査し、その結果を管理組合に報告
17 竣工検査(管理組合立ち合い)
・ 足場解体後の引き渡し前に実施
・ 設計図書通りに工事が行われているか
・ 施工ムラ・汚れの確認
・ 一時退避物が元通りになっているか
・ 是正箇所の修繕がきちんと行われているか
竣工検査後の手直し確認までを行う
18 竣工図書の確認
・ 工事完成届 ・ 各戸の補修確認書控
・ 竣工図面・仕様書 ・ 打合せ議事録
・ 追加・変更工事の仕様書 ・ 各種保証書
・ 工事記録写真 ・ アフター点検の計画書
19 工事監理報告書の作成・提出
・ 業務完了届 ・ 工事監理報告書 ・ 管理日誌など
管理に伴う書類を報告書にまとめて管理組合に提出
20 まとめ
工事監理の基本姿勢
工事監理は管理組合の利益保護業務です。
・ 各工事が設計図書に沿って正しく行われているか確認・指摘・是正指導
・ 図面ではわからない細かい施用を指示
・ 施工品質が合格基準に達しているか検査・指摘・是正確認
・ 管理組合への報告・提案
参考文献:大規模修繕協議会大規模修繕セミナーのテキスト。